島根県人権啓発推進センター広報誌「りっぷる」14号

島根県人権啓発推進センター広報vol.142013.3

島根県人権啓発推進センター

 

 「りっぷる」は英語で「さざなみ」という意味を持っています。

 この広報誌によって人を大切にする心や思いやりの輪が、さざなみのように広がってみんなの心に届くように願っています。

 

 

■内容

・特自死者の尊厳と自死遺族の人権:寄稿(桑原正好さんほか)/島根県の自死の現状/いじめの状況・対策・相談窓口(島根県教育

 庁義務教育課)

・活動紹外国人の「駆け込み寺に」(しまね国際センター)

■表紙の絵について

平成24年島根県人権啓発ポスターコンクール

中学校の最優秀万里奈さん(雲南市立加茂中学校3年)

《評》「幸せを次の世代へ」というテーマを見つけて、テーマに沿った表現が色彩豊かな技術で描かれています。「よこ」につながることではなく、「たて」につながるということの大切さを伝えているところが中学生らしい作品です。やさしい色づかいで、どの世代の方が見ても、そうだなと思えるメッセージが感じられる良い作品です。

(平成24年度の人権啓発ポスターコンクールには、県内の小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の児童、生徒から合計974点の応募がありました。)

絵の説明

赤ちゃんを抱いた女性の右横に男性が立っています。男性は女性の左肩に手を回し、二人とも笑顔です。背景には、白いウェディングドレスとタキシードを着て並んで立っている男女の絵、繋いだ手の絵などが描いてあります。絵の左右には「みんなの幸せを次の世代へ」と書いてあります。

 

■2ページ特集

自死者の尊厳と自死遺族の人権

自死遺族自助グルー「しまね分かち合いの会・虹」

桑原正好(くわばしょうこ)さん

 

 私は2006年12月27日、当時24歳だった息子を自死で亡くしました。金銭トラブルが原因でした。車の中に練炭を積み込み、一酸化炭素中毒で亡くなりました。悩みを打ち明けてほしかった・・。優しいから、子供は母親には心配かけまいと上手く演技するのだと聞きました。でも、もう少し下手に演技して、私に気付かせてほしかったです。

 あまりにも突然に「逆縁の自死遺族」になりました。その日が来るまで、「逆縁」も「自死」も私には全くの人ごとでした。というより、私自身の中にも、自死に対して偏見があったかもしれません。だから、とにかく人に会うのが嫌でした。声を掛けられるのも苦痛でした。外に出られないまま33年間勤めた会社も退職しました。毎日毎日「なぜ?どうして?なんで?」の繰り返し。夕方になると、亡き子を想う胸の痛みに耐えきれず畳をかきむしり、のたうちまわっていました。それでも、人前では何事もなかったかのように普通に振る舞っていました。半年後、たまたま乗った体重計は15キロも減っていました。

 そんな中、我が子を自死で亡くした親たちの集いが仙台市で開かれることを新聞で知りました。藁にもすがる思いでした。飛行機と新幹線を乗り継ぎ、仙台の「分かち合い」の集いに参加しました。島根を離れたとたん、知った人が誰もいないという安心感から、今までたまっていた涙が一気に噴出しました。ぽろぽろぽろぽろ、本当にとどまることがありませんでした。会場に着くなり、初対面にも関わらず同じ痛みを知った者同士は目と目で語り合えました。言葉にしなくてもその涙と沈黙で分かち合えました。この遺族たちにまた会いたいと思いました。私は遺族たちに生きる希望をもらいました。

 2008年8月、自死遺族だけで悲しみや苦しみ、時には怒りや恨みを語り合う場所として「しまね分かち合いの会・虹」を立ち上げました。この時、中国地方にはまだどこにも当事者だけで分かち合う場所はありませんでした。山口県や鳥取県からも「分かち合い」を求めてくる遺族がいました。そのうち、山口県から通い続けていた遺族は、岩国市に自助グループとして「分かち合いの会」を立ち上げました。また、会に参加するだけでなく、苦しい時、辛い時に電話やメールで励まし合ってもいます。

 ところで、皆さんは自死に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。「死ぬ気になれば何でも出来るのではないか?」や「生きたくても生きられない人もいるのに」など、自死した人を見下すような声も聞きます。生きられなくしているのは個々人の問題ではなく、今のこの社会なのだ、ということを強く感じて頂きたいと思います。自死への色眼鏡的眼差しが、二次被害を生み出し、さらに遺族たちを苦しめています。

 また、差別や偏見は、「自殺」という言葉から生まれていると思います。なぜ自ら命を絶った場合には「殺す」という言葉がつくのでしょうか。それが悪いイメージをもたらしています。だから、私たち遺族は「自死」という言葉を使っています。そして、この「自死」という言葉が遺族の間だけでなく、社会全体に広がった時、差別や偏見がなくなり、自死は「語れない死」から「語れる死」になると思います。自死した人の尊厳、そして遺族の人権を守るため、「自死」という言葉が広がり一般的になることを強く願っています。

 逝った人たちと遺族たちの声なき声が、今社会全体に響きあいますように・・・

 

■3ページ目

全国で年間約3万人のかたが自死で亡くなっています。

いろいろな要因が重なり、追い込まれてしまったと思われますが、遺族は自らを責め、また自死への偏見による二次被害にも苦しめられています。

こん号の特集では、自死遺族による寄稿や県内の自死の現状等を掲載します。

自死遺族の想いや自死の予防について、この機会に考えていただければと思います。

また、大津市ではいじめを背景に中学生が自らの命を絶つという痛ましい事案が発生し、大きな問題となりました。自死の予防という観点も込めて、島根県内でのいじめの状況や対策についても取り上げます。

 

会いた自死で逝った愛しいあなたへ

(お断り:寄稿いただいた内容を、紙面の都合により、寄稿者の了解を得て、センターで編集しています。)

※背景は自死遺族の手記をまとめた本「会いたい」(全国自死遺族連絡会編)

 

 2009年4月、28歳の息子は、以前の勤務先の樹で、自死をしました。

 どうしていいかわからない錯乱時、本来頼りにすべき方々から信じられない心ない冷たい言葉を受けました。

 悲しむ前につきつけられた二次被害です。

 「たいへんだったね」の一言があればどんなに心救われたことか。

 自死であれ病死であれ同じ人間の死。人の最期に関わる人の言葉で、自死遺族の人生観は大きく変わるのです。人の最期に関わる人々は、死因で差別をしてはならないと思います。F・A

 

 18歳の息子を自死で亡くしてから9年になります。自責感でいっぱいのところに受けた「あんたたちがついていながら!」の言葉は、未だに忘れられません。

 16歳でうつ病と診断された息子を、父母・兄姉で懸命に支えてきたことも知らずに・・・。

 肩書きはあるのに思いやりのない人が自死社会をつくっているのではないかと感じています。R・H

 

 毎日「死にたい」と訴える娘を亡くしてしまいました。約5年前のことです。

 入院先の医療機関、嫁ぎ先の家族ともに、自死という亡くなり方をした娘に対して、突き放した対応でした。

 自死でなければ、もう少しちがっていたかもしれません。

 個人では限界がありますが、自死遺族同士で支えあい活動すれば、自死に対する意識を変えていけるのではないかと思っています。M・W

 

 23歳だった息子が亡くなってから2年になります。

 もう会えないという無力感が心の中に沈んでいます。

 自分を責め続ける中、息子が住んでいた県外のアパートの退去の際に、"自死"は汚らわしいと蔑みの言葉と共に、瑕疵物件になるという理由で多額の補償金や改装費を要求され、二重三重の苦しみでした。

 "自死"に対する理解を、社会全体で深めていかねばならないと強く思います。Y・S

 

 私の息子は、22歳の時、何回かの未遂の末自宅のベランダから飛び降り自ら命を絶ちました。

 小・中学校で受けたいじめが大きな原因ですが、在学中だけでなく、いじめられたしこりはトラウマとなり、大人になっても本人を苦しめました。また、十代の未完成の脳に処方された多剤投薬も原因ではないかと思います。

 いじめ被害などの悩みを24時間相談できる体制の充実を図ってもらいたいと思います。

 精神科医療の投薬は、細心の良心で処方して欲しいものです。E・A

■4ページ目

自死遺族自助グループ「しまね分かち合いの会・虹」

 家族を自死で突然亡くすということは、あまりにもその衝撃が過酷すぎ、ぽっかり大きくあいた穴には重い「鉛」がへばりついた感覚に息もまともに出来ない慟哭の日々が最低1年は続きます。

 自死に対する差別・偏見という社会の壁に家族間でさえも語ることが出来ないのです。あってはならないのですが、耐え難い苦しみに後を追う人もいるほどです。一人では抱えきれない想像もつかない壮絶な自責感と悲痛感でした。

 せめて同じ体験をした者同士で、気兼ねなく亡くなった人の事を話したり悲痛を分かち合える場所の必要性を強く感じました。そして普通に語ってあげる事が本当の供養だとも思いました。

島根に遺族だけで語れる場所が欲しい・・・

 

2008年8月

・自死遺族のつどい「しまね分かち合いの会・虹」を松江で立ち上げる。

・分かち合いに行けない遺族のための「24時間電話相談」・「個人分かち合い」も同時スタート。

 

2009年8月

・1周年記念の小冊子「会いたい」を発行。

・分かち合いのつどい会場が出雲市、浜田市に広がる。

11月

・啓発活動として、自死遺族自助グループ全国初の「しまね自死遺族フォーラム」とパネル展を島根県民会館で開催。その後、毎年、県内各地にて同フォーラムとパネル展を開催。

 

2010年春

・分かち合いのつどい会場は、大田市、益田市にも広がり、島根県内5ヵ所でほぼ均等な距離間で開催でき、地元会場に行きたくない遺族は近隣会場への選択と交流が可能になる。

6月

・差別(二次被害)撤廃署名活動スタート。

8月

・江津市で開催の「しまね人権フェスティバル」に初ブース出展。その後、毎年同イベントに出展。

・2周年記念の「会いたい」ナンバー2を発行。

 

2011年7月

・「アジア太平洋ソーシャルワーク大会」に、日本の自死遺族自助グループを世界に向けて紹介。

9月

・3周年記念として「涙が虹に変わるとき」をコンセプトに、すこし前向きになれた遺族たちの交流の場、「Jサロン・虹」をスタート。

10月

・松江市「福祉フェスティバル」に初出展。その後、毎年同イベントに出展。

 

2012年2月

・島根県自死総合対策連絡協議会に自助グループ「虹」として初参加。

9月

・浜田市役所ロビーで「いじめ・パワハラで逝った人のミニパネル展」を開催。

 

2013年2月

・「世界アンチスティグマ国際会議」において、「自死遺族の体験とスティグマ(烙印)」を世界に向けて発表。

 

 過去、自死遺族は感情を語る場所も機会も無く遺族は孤立するしかなかったのです。しかし「分かち合いのつどい」を通し、繋がり支えあうことで、故人の「死」を活かしてほしいという活動へと変化していきました。

 傷の舐め合いをして何になるという意見もありますが、新しい皮膚が生まれるように、自死遺族の「分かち合い」という舐め合いは、再生への第一歩になりました。

 「自死」という言葉のもつ意味も、遺族が集結し声を上げたからこそ理解してもらえる社会へと今大きく変わりつつあります。「自死」という言葉に変わることで、先ず、やっと自他共に「自死」に対する偏見・差別という重圧感から解放されます。そして「自死者の尊厳」も「遺された家族の人権」も守られ生きやすい社会になっていくと信じています。

 今後も「しまね分かち合いの会・虹」の活動にご理解とご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

 

つどいのご案内

偶数月

松江(いきいきプラザ島根大田(あすてらす益田(イーガビル内保健センター)

奇数月

出雲(出雲市社会福祉センター浜田(浜田市総合福祉センター)

開催日時・会場はお問い合わせください。

しまね分かち合いの会・虹

TEL090-4692-5960(担当:桑原)

■5ページ目

島根県の自死の現状

※島根県では「自殺」の言葉の使用について、現在検討を行っているところですが、この広報誌では「自殺」に相当する言葉として「自死」という言葉で統一して表記します。

島根県人権啓発推進センター

 

1.現状

 島根県の自死者数は14年連続で200人を超えていましたが、平成22年には200人を下回りました。

 しかし、人口10万人当たりの自死者の死亡率は、全国の死亡率を大きく上回っています。

 

年ごとの死亡者数、死亡率などの推移を示した表があります。

以下、島根県死亡者数島根県死亡率全国順位全国死亡率の順に記します。

 

平成920626.9218.8

平成1023530.8625.4

平成1122529.6625.0

平成1223330.8524.1

平成1322629.9423.3

平成1424432.4423.8

平成1523731.6725.5

平成1623832.0424.0

平成1720527.81124.2

平成1823231.7323.7

平成1923332.1524.4

平成2021529.9624.0

平成2122130.9424.4

平成2218425.81123.4

平成2318626.3622.9

(資料:「人口動態統計」(厚生労働省)

 

2.原因・動機

 男性は「健康問題」が30%と最も多く、次いで「不詳」が24%、「経済・生活問題」が19%となっています。

女性は、55%を「健康問題」が占め、次いで「不詳」が21%で、「経済・生活問題」や「勤務問題」は男性に比べ少なくなっています。

 

男女別の自死原因の割合を示した円グラフがあります。

・男性

健康問題30%

不詳24%

経済・生活問題19%

家庭問題11%

勤務問題9%

男女問題3%

学校問題1%

その他3%

・女性

健康問題55%

不詳21%

家庭問題11%

経済・生活問題4%

男女問題3%

勤務問題1%

学校問題1%

その他4%

(資料:警察統計)

 

大切な人の命を救う3つのポイント

悩みに気づき、耳を傾ける

専門家に相談するよう促す

寄り添い、じっくり見守る

 

島根いのちの電話

TEL.0852-26-7575

月曜〜金曜9:00〜22:00

土曜9:00〜日曜22:00(年中無休)

フリーダイヤル「自殺予防いのちの電話」

0120-738-556

毎月10日8:00〜翌日8:00(24時間・無料)

 

心の健康相談

こころ、思春期、アルコール、もの忘れ等

一般相談及び医師による専門相談

月曜〜金曜8:30〜17:15(土・日・祝・年末年始を除く)

松江保健所TEL.0852-23-1316

出雲保健所TEL.0853-21-1653

浜田保健所TEL.0855-29-5550

隠岐保健所(島後)TEL.08512-2-9710

雲南保健所TEL.0854-42-9642

県央保健所TEL.0854-84-9823

益田保健所TEL.0856-31-9545

隠岐保健所(島前)TEL.08514-7-8121

県立心と体の相談センターTEL.0852-21-2885

■6ページ目

いじめの状況・対策・相談窓口

島根県教育庁義務教育生徒指導推進室

 

いじめとは

 文部科学省は毎年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」を実施しており、いじめに関して報道されるデータの多くはこの調査によるものです。この調査の中で、文部科学省は「いじめとは、当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じているもの。」と定義しています。

 ただし、「いじめに当たるか否かの判断は、表面的・形式的に行うことなく、いじめられた児童生徒の立場に立って行うものとする。」としています。

 なお、起こった場所は学校の内外を問いません。

いじめの認知件数

 前述の文部科学省調査による島根県公立学校のいじめの認知件数は、平成23年度202件であり、前年度より39件減少しました。文部科学省が今年度の夏に実施した緊急調査では、250件(4〜9月)でした。児童生徒1,000人あたりの認知件数を見ると、島根県は全国と比べて少ないですが、いじめはどの学校でもどの子どもにも起こりうるものとして、早期発見し、学校全体で組織的に対応することが求められます。

 

グラいじめの認知件数(島根県公立学校)

年度ごとの、いじめの認知件数を示した棒グラフです。

グラフの縦軸は件数、横軸は年度で、平成18年度から23年度までを示しています。

1つの棒グラフは、小学校・中学校・高等学校・特別支援学校の積算です。

以下年度ごとに、全体小学校中学校高等学校特別支援学校の順に、それぞれの件数を記します。

なお数字は、グラフのもとになった数値データではなく、グラフから読み取ったおよその数です。

 

平成18510230250300件

平成193701401804010件

平成201736080303件

平成211958580300件

平成2226785907220件

平成2320090703010件

 

グラいじめの認知件数(児童生徒1000人あたり・国公私立学校)

年度ごとの、児童生徒1000人あたりのいじめの認知件数を示した折れ線グラフです。

グラフの縦軸は件数、横軸は年度で、平成18年度から23年度までを示しています。

グラフには、全国の件数と島根県の件数が描かれています。

以下年度ごとに、全国の件数、島根県の件数の順に記します。

なお数字は、グラフのもとになった数値データではなく、グラフから読み取った、およその数です。

 

平成18全国8.8島根6.3件

平成19全国7.2島根4.8件

平成20全国6.0島根2.2件

平成21全国5.0島根2.7件

平成22全国5.6島根3.0件

平成23全国5.0島根2.8件

 

グラいじめ発見のきっかけ(H23年度島根県公立学校)

いじめ発見のきっかけを示した、1本の横棒グラフです。

全体で100%となっています。

以下、項目ごとに何パーセント占めているかを記します。

なお数字は、グラフのもとになった数値データではなく、グラフから読み取った、およその数です。

 

学級担任が発21%

その他の教員が発10%

アンケート調査等学校の取組により発7%

本人からの訴17%

他の児童生徒からの訴12%

本人の保護者からの訴25%

他の児童の保護者からの訴6%

その2%

 

 上のグラフからいじめの発見は、教職員や学校の取組によるものが約38%であり、多くは本人等からの訴えによることがわかります。本人や保護者へは引き続きていねいに対応していくとともに、より早期に学校で発見できるよう後述の対策を推進していく考えです。

子どもをいじめから守るために

いじめの未然防止、早期発見、そして解決に向けた支援や相談体制の強化を図っていきます。

 

アンケートQU

児童生徒の心の状態をアンケートによって客観的に把握し、組織的な対応によりいじめの早期発見、早期解決を図ります。

 

学校ネットパトロール

インターネット上のいじめや誹謗中傷など、悪質な情報を検索・監視し、ネットトラブルの抑止と解消を図ります。

 

外部人材による支援

弁護士や臨床心理士等の外部人材から、客観的、専門的アドバイスを受け解決を図ります。

 

いじめ相談窓口

いじめ相談テレフォン(島根県教育センター)0120-874-3710120-779-110

ヤングテレフォン/けいさつ・いじめ110番(島根県警察本部)0120-786-719

子どもと家庭電話相談室(島根県中央児童相談所)0120-258-641

子どもの人権110番(松江地方法務局)0120-007-110

■7ページ活動紹介

外国人の「駆け込み寺」に/しまね国際センターの取り組み

 島根県で暮らす外国人住民は5千人を超えています。これは、飯南町や美郷町の人口とほぼ同じくらいです。全体としては減少気味ですが、「永住者」の在留資格を持つ人の数は年々増加しており、平成23年末には1,435人となっています。これは外国人登録者数がピークだった平成19年末の約1.8倍の数です。

 こうした状況から言えることは、外国人を一時的な滞在者としてではなく、地域社会における生活者としてとらえる視点が必要だということです。そして、外国人住民を含むすべての地域住民が、安心して快適に過ごせるような「多文化共生」の地域社会づくりを進めていくことが必要となっています。

 外国人住民の中には、文化や習慣、母国との制度の違いから戸惑いを感じている人や、日本語が不自由なために誰にも相談できず悩みやトラブルを抱え込んでいる人、不当な扱いや差別を受けている人もいます。しまね国際センターには、こうした深刻な相談も含めて年間延べ290件ほど(平成23年度実績)の相談が寄せられています。

 しまね国際センターでは、このような状況に対応するために、現在、常駐外国人スタッフ(中国・フィリピン)や、相談員(英語・中国語・タガログ語)を配置して生活相談や情報提供を行っているほか、困難な事例についてはケースワークを行い、行政や専門機関とも協力して問題解決まで支援しています。また、島根県行政書士会による行政手続きに関する相談も、本所(松江)と西部支所(浜田)で月一回行なっています。

 このほか、日本語の不自由な外国人住民が病院・学校・行政窓口などを訪れる際には、依頼により語学が堪能な「コミュニティ通訳ボランティア」が同行して、コミュニケーションの支援を行っています。

 また、東日本大震災では外国人住民も被災者となりましたが、災害時には「情報弱者」になりがちな外国人住民への配慮も必要となることから、自治体の防災訓練への外国人の参加呼びかけや、災害情報伝達の仕組みづくりなどにも力を入れています。

 しまね国際センターでは、これからも各方面との連携を強化して、外国人の「駆け込み寺」として、生活全般にかかる支援を充実していきたいと考えています。(公益財団法人しまね国際センター)

 

写真:平成24年度島根県総合防災訓練における「災害多言語支援センター」の設置

 

グラ島根県の外国人登録者数の推移

外国人登録者数の推移を示した棒グラフと折れ線グラフの複合グラフです。

平成19年(2007年)から平成23年(2011年)まで、1年ごとの、年末時点での人数です。

全体数と永住者数が書かれています。

それぞれ、年ごとに人数を記します。

 

平成19(2007)全体6189永住者778人

平成20年(2008)全体数5639永住者827人

平成21年(2009)全体数5746永住者1132人

平成22年(2010)全体数5695永住者1299人

平成23年(2011)全体数5425永住者1435人

 

しまね国際センター本所

〒690-0011島根県松江市東津田町369-1

開所時間:(月〜金)8:30〜18:30

(土曜、日曜、祝日、年末年始は閉所)

Tel.0852-31-5056Fax.0852-31-5055

e-mail:admin@sic-info.org

 

しまね国際センター西部支所

〒697-0016島根県浜田市野原町2433-2島根県立大学内

開所時間:(月〜金)8:30〜17:15

(土曜、日曜、祝日、年末年始は閉所)

Tel.0855-28-7990Fax.0855-28-7991

e-mail:hamada@sic-info.org

 

Webサイhttp://www.sic-info.org(外部サイトへ)

■8ページ平成24年度人権教育・啓発功労者への感謝状の贈呈

島根県では、人権擁護・確立の観点から人権教育や人権啓発に関して、特に顕著な功績のあった個人及び団体に感謝状を贈呈しています。

 今年度は、平成24年7月12日(木)に贈呈式を行い、知事から感謝状が贈呈されました。

 

知事感謝状を贈られた方々

※個人団体、氏名・住所(所在地)、主な功績内容の順に記します。

 

個人

松浦ぎん子さん(松江市)

 「同和問題をはじめあらゆる差別をなくすために活動する市民グループ協議会」副会長として、各地域の人権啓発の推進役としての役割を果たされました。

 また、「法吉地区人権教育推進協議会」代表者として、地域において主体的に活動を続けられています。

 

団体

松江市企業等同和問題研修推進連絡協議会(松江市)

 同和問題の解決に向けて、職場内研修を促進することを目的に、松江市内の企業・事業所等で構成された自主的な組織であり、研修会等様々な活動を通じて、企業等における人権啓発の推進に貢献されています。

 

団体

池田じんけんひろば(大田市)

 大田市三瓶町の集会所を主会場に、同和問題を中心とした人権課題の解決に向けて、毎月の定例会において意見交換、学習会を実施されています。

 また、毎年研修会・講演会を開催し、会員のほか多くの市民が参加し、人権啓発に寄与されています。

 

■おすすめDVD(島根県人権啓発推進センター)

センターでは、さまざまな人権課題に関するDVDやビデオを豊富に備え、みなさまに貸出(無料)を行っています。

 

新着

職場の日常から考えるパワーハラスメント

 誰もがパワハラの被害者・加害者になる可能性が、あることを知っていますか?

 この作品は、ある会社で起こるさまざまなパワハラについての問題を、パワハラなのかそうでないのか線引きが難しい事例を中心に描いています。【東映株式会社】

 

新着

あなたの偏見、わたしの差別〜人権に気づく旅〜

 この作品は、デートDV・自死・ホームレス・ハンセン病の4つの問題を取り上げ、4人の若者が当事者や支援者から実際の話を聞き、人権について気づき、体験し、感じる姿を追います。それは彼らの人権に向き合うための旅とも言えます。【東映株式会社】

 

島根県人権啓発推進センターへご相談ください

啓発資料(図書・ビデオ・DVD・紙芝居・パネル)の貸出

研修講師の派遣

人権に関する相談

 

■人権啓発推進センター

〒690-8501松江市殿町1(県庁第二分庁舎1F)

TEL0852-22-6051FAX0852-22-9674

西部人権啓発推進センター

〒697-0041浜田市片庭町254(県浜田合同庁舎1F)

TEL0855-29-5529FAX0855-29-5531

 

人権に関する相談専用ダイヤル

人権啓発推進センター0852-22-7701

西部人権啓発推進センター0855-29-5530

 

■島根県人権啓発推進センター広報誌りっぷる

Vol.14

2013年3月発行

島根県環境生活部人権同和対策課人権啓発推進センター

〒690-8501松江市殿町1番地電話(0852)22-6051

お問い合わせ先

人権同和対策課人権啓発推進センター

人権啓発推進センター
〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
 (事務室は松江市殿町128番地 東庁舎1階にあります。)
TEL 0852-22-6051・6476/FAX 0852-22-9674
jinken-c@pref.shimane.lg.jp

西部人権啓発推進センター
〒697-0041 島根県浜田市片庭町254番地
(浜田合同庁舎1階)
TEL 0855-29-5503・5529/FAX 0855-29-5531