ダムカードの配布再開のお知らせ
新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、ダムカードの配布を一時休止していましたが、令和3年10月2日より再開しました。
▲なみなみと水を湛える銚子ダム(平成12年撮影)
※貯水池は「伊賀湖」と名付けられました。
日本海に浮かぶ島根県隠岐諸島・島後(どうご)の八尾川水系支川の銚子川上流にあり、島の玄関口である西郷港から国道485号を経由し中村地区方面に向けた県道中村津戸港(なかむらつどこう)線沿いです(島根県隠岐郡隠岐の島町原田)。
▲銚子ダムのある島根県隠岐郡隠岐の島町の位置(右は隠岐諸島・島後の拡大図)
隠岐の島町(旧西郷町)の治水及び水道用水の確保に応えるため、多目的ダムとして計画され、昭和45年からの予備調査、昭和62年度からの実施計画調査を経て、平成2年度に建設に着手し、総事業費171億円をかけて平成11年度に完成しました。平成12年4月から運用を開始しています。
堤高39.7m、堤頂長185.0m、総貯水容量2,530,000m3(有効貯水容量2,350,000m3)の重力式コンクリートダムです。洪水調節は、平成3年9月豪雨にもとづき、ダム地点で計画高水(たかみず)流量毎秒95m3のうち毎秒89m3の水をカットし、八尾川沿川地域の水害を防止する自然調節方式のダムです(詳しくは下記PDFを参照してください)。
八尾川はその源を横尾山(標高576.8m)に発し、途中、銚子川、有木川(あらきがわ)などと合流しながら、隠岐の島町の旧西郷町市街地を貫流して西郷湾に注ぐ、流域面積43.7km2、流路延長10.5kmの2級河川です。
8月4日9時南シナ海で発生した台風第9号は東シナ海を北東に進み、8日20時過ぎに鹿児島県枕崎市付近に上陸し、9日5時過ぎには広島県呉市付近に再上陸、9日9時に中国地方で温帯低気圧に変わり、その後低気圧は日本海に抜けました。このため島根県では大気の状態が非常に不安定となり、隠岐地方を含む島根県の広い範囲で大雨となりました。海士では8日8時の降り始めから10日05時までの総降水量は335.0ミリを観測し、平年の8月の月降水量の2倍を超える大雨となりました。
9日は海士で日最大1時間降水量76.0mmを観測し、松江市西津田で月最大24時間降水量156.0ミリを観測したほか、複数の観測点で日最大10分間降水量、日降水量の8月及び通年の第1位を更新するなど、記録的な大雨とりました。
隠岐地方では線状降水帯が発生し、非常に激しい雨が降り続いたため、9日10時39分に「顕著な大雨に関する島根県気象情報」を発表しました。
雨雲レーダー(8月9日9時、10時、11時、12時)
8月8日
21:25・・大雨警報発令ダム警戒体制開始
8月9日
・4:10・・洪水量(20m3/S)到達
・8:25・・流入量67m3/S(計画最大流量95m3/Sの70%)
・9:07・・最大流入量135.88m3/S(放流量7.81m3/S調節量128.07m3/S)
10:35・・非常用洪水吐越流(洪水時最高水位65.60m)
12:44・・最高貯水位66.64m、最大放流量76.2m3(計画最大放流量9m3/S)
17:32・・洪水量(20m3/S)を下回る
8月10日
・4:12・・大雨警報解除(大雨注意報切り替え)
・4:55・・ダム警戒体制解除
計画24時間雨量230mm超過確率年1/50
累計雨量516mm(8月8日8時から8月10日8時)
最大日雨量454mm(8月9日1時から8月9日24時)
最大1時間雨量75mm(8月9日8時から8月9日9時)
・非常用洪水吐きからの越流状況・・・・・・・・・・・・・・・・・洪水時最高水位に到達したダム湖の様子
・・・
・ダム上流・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ダム直下流
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銚子川・・・・・・・・・・・・・・・・・・八尾川と銚子川の合流点・・・・・・・・八尾川の蔵見橋上流
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大雨警報が発令中でしたが、9日の5時頃に雨は一端やみはじめて、ダムの水位59.29mでした。しかし6時頃から再び強い雨となり、銚子ダム雨量計では8時から9時の間に、時間雨量75ミリのすごく強い雨が降りました。9時には最大となる135.8m3の流入があり、ダムの水位が63.35mまで上昇していましたが、流入量は徐々に減少していて、雨の勢いも弱まってきていました。10時頃から再び強めの雨が降り始め、結果的には10時35分にサーチャージ水位に到達しました。(9時頃の時点において現在の技術では10時35頃にサーチャージ超えすることを予測することはできません。)
隠岐では、台風第9号の影響により線状降水帯が発生し、非常に激しい雨が降り続き、銚子ダム上流域では降り始め(8月8日9時)からの総雨量が8月10日10時までに516ミリに達しました。
この出水により、銚子ダムでは洪水調節を行い、最大135.9m3/Sの洪水に対し128.1m3/Sの流量をダムに貯めることで、下流の八尾水位局では、ダムがなかった場合に比べて約80cmの水位低下ができたものと考えられます。
また、8月9日の10時35分より非常用洪水吐から越流しましたが、下流河川への被害はありませんでした。なお、事前放流については、予測降雨量が基準降雨量に達しなかったため、実施しませんでした。
銚子ダム管理所1階には、入館無料の展示室があり、平成12年のダム完成までを紹介していますので
ご利用ください(パネル展示やビデオあり)。
遠足や社会学習の一環で、地元隠岐の島町の小学生・中学生の皆さんにダム見学に来ていただいています。
ビデオ視聴や機械室見学など、短時間でも長時間でも職員がご案内させていただきますので、隠岐支庁県土整備局管理課(電話08512-2-9735)までお気軽にお問い合わせください!
令和4年度
令和5年度
流域の皆様に銚子ダムについて理解を深めていただくため、ダムに関する話題をまとめ、「銚子ダムだより」を発行しています。
平成17年
第1号(4月発行)、第2号(9月発行)、第3号(11月発行)
平成18年
第4号(4月発行)、第5号(7月発行)、第6号(10月発行)、第7号(12月発行)
平成19年
平成20年
平成21年
第12号(6月発行)
平成23年
平成24年
第15号(6月発行)
平成25年
第16号(6月発行)
平成26年
第17号(6月発行)
平成27年
第18号(6月発行)
平成28年
第19号(6月発行)
平成29年
第20号(6月発行)
平成30年
第21号(6月発行)
令和元年
第22号(8月発行)
令和4年
第23号(6月発行)
令和5年
第24号(6月発行)
銚子ダムの3つの大きな役割(洪水調節・美しい川を守る・水道用水)をご理解いただくため、これまでの豪雨時や少雨時に銚子ダムが果たした役割についてまとめたパンフレットを作成しています。
銚子ダムパンフレット(外部サイト)(PDF:A4サイズ6枚)
銚子ダムにはさまざまな設備や機械があり、ダムの状態を24時間監視し、コントロールしています。
銚子ダム管理所では、大雨や渇水に対してダムの機能が適切に発揮されるように、日常は担当職員による巡視、点検をおこないますが、年に1度の設備・機械の定期的な点検、整備は外部の専門業者に委託しておこなっています。
また、貯水池(伊賀湖)の水質を常に把握するため毎月水を採取し、検査しています。
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ダムコンピュータの点検・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・貯水池の水質検査
銚子ダムは自然調節方式ダムであり、洪水時にゲート操作による放流はおこないません。
(注釈)
1.ダムから放流する水の量を人が制御する「機械式水門(ゲート)」を有していない洪水調節方式ですので、ダム貯水位に応じた量の水が常用洪水吐きから自然に放流されます。なお、放流量は一定ではなく貯水位が上がるにつれて増加していきます。このためダム担当職員は、洪水時にはダムの状況(雨量、ダム貯水位、ダムへの流入量など)を関係機関(町役場、所轄警察署)に対して適切に情報提供するため、常に監視する体制を執っています。
2.ダムの規模は、平成3年9月に隠岐地方をおそった集中豪雨を想定した計画にもとづいていますが、想定以上の豪雨となった場合には、ダムに水を貯めきれずに非常用洪水吐きからの放流(越流)が始まる恐れがあります。この場合ダムから放流される水の量が急激に増えるため、河川の水位が急激に増加します。
(平成19年8月、令和2年8月、令和3年8月の集中豪雨では、貯水位が洪水時最高水位に到達し越流しました)
3.上記2.のように下流河川の水位が急激に増加する恐れがある場合には、関係機関に通知するとともにダムからサイレンを鳴らし、さらに警報車でのパトロールによる呼びかけをおこないます。もし、防災行政無線で役場から避難等に関する放送があった場合にはその指示等にも従ってください。
(令和3年8月9日の集中豪雨では、越流が予想される1時間前までに関係機関に通知したうえで、30分前までにダムからサイレンを鳴らし、警報車でパトロールをおこないました)
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▲ダム下流側(写真中央2階建物が管理所)・・・・・▲ダム上流側(写真右端2階建物が管理所)
※上の写真で、水が出ているところを常用洪水吐きと呼び通常はここから放流されます。ただし大雨が続き、ダム貯水池の水位が上昇するにつれて放流量は増加していきます。
万が一ダム貯水池内に水を貯めきれなくなった場合には、平成19年8月の集中豪雨のように、写真中央にある4つの穴(非常用洪水吐き)から放流が始まり、下流河川の水位が急激に増加する恐れがあります。
※ダム豆知識
銚子ダムは昭和15年から平成3年までの雨を分析して、超過確率1/50、計画24時間雨量230mmの規模で計画されています。
【毎年、1年間にその規模を超える洪水が発生する確率が1/50(2%)】
「年超過確率1/50の規模の洪水」について誤解が発生しがちです。下記×は認識違いで、○が正しい解釈です。
×50年間に一度だけ発生する
×令和2年8月(昨年)発生したので、次に発生するのは50年後であり(今年)令和3年8月は発生しない
○発生した年もその翌年も発生する確率は毎年1/50である
○50年間にその規模を超える洪水が2回以上発生することもあれば1回も発生しないこともある
銚子ダムでは、下流河川の増水について注意喚起を行うため、銚子川沿いに警報看板を設置しています。
大雨時には、河川の水位が急激に上昇することがありますので注意してください。
増水時、ダムが一定以上の貯水量になる際には、サイレン等により下流にお住いの皆様に河川増水の注意喚起をお知らせしますので、その際は河川に近づかないようお願いします。
現地に設置している警報看板の設置場所は下記のとおり。
1:堤体左岸下流(ダムから20m) |
2:水遊び場付近(ダムから300m) |
3:寺原橋付近(ダムから500m) |
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島根県水防情報(外部サイト)(島根県土木部河川課)
川の防災情報(外部サイト)(携帯電話版:国土交通省河川局)
※上記の他に電話確認することもできます→電話08512-2-4351(通話料有料:銚子ダム自動応答装置)