島根原子力発電所3号機環境影響評価準備書についての知事意見

(全般的事項)

 この事業は、土地の改変に併せ温排水の放出等が見込まれるものであり、計画地内において貴重な植物等が確認されていることや周辺の海域は採貝藻漁業・定置網漁業等をはじめとする多様な漁業が営まれていることを踏まえ、計画地内やその周辺及び周辺海域の環境保全について万全を期す必要がある。

 また、本事業は長期間を要するものであるので、関係住民や関係機関と情報交換を密にするとともに、現段階では予測し得ない環境への影響が生じた場合など、速やかに関係機関等と協議を行い、適切に対応する必要がある。

 

(個別的事項)

1.補助ボイラー等の稼働にあたっては、可能なかぎり二酸化硫黄、窒素酸化物、浮遊粒子状物質及び二酸化炭素等の排出量の低減を図り、周辺環境等に影響を及ぼさないよう努める必要がある。

 

2.廃油及び汚泥以外の産業廃棄物及び一般廃棄物についても、排出量の抑制及び再利用・循環型利用に努めるとともに、収集・保管の過程においても適正な処理に努める必要がある。

 

3.計画地内の土地改変部には、ハマビワの群落があるので、可能な限り代替え地への移植を検討するとともに、現存植生を十分に考慮した計画地内の緑化を検討する必要がある。

 

4.補修用資材等の輸送にあたっては、関係機関と十分協議した工事関係車両等の運行計画等により、一般交通等への影響を極力低減するよう努める必要がある。

 

5.建設工事にあたっては、環境に配慮した資材の利用、公害防止技術・工法の採用、低騒音機械の選定、関係機関と十分協議した工事関係車両等の運行計画、工事中に発生する建設廃材・一般廃棄物の適正な処理、工事区間の雨水等の排水対策や法面保護工事、排水工事等にかかる大雨等の土砂や汚濁水の流出防止対策等により、環境への影響を極力低減するよう努める必要がある。

 

6.周辺環境への影響を把握するため、工事中及び運転開始前後において、環境監視等を的確に行う必要がある。なお、次の具体的な監視計画の策定にあたり、必要に応じ専門家等の意見を聴取し、調査の期間、頻度等調査内容を十分検討する必要がある。

 ・水温及び流況、海生生物(浅海生物、魚等の遊泳動物、卵・稚子)

 ・鳥類やウラナミジャノメ等

 なお、今後、環境監視の結果により、環境への影響の検討を行い、環境保全措置の変更等を要する場合は、速やかに対応する必要がある。

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