「環境にやさしい率先実行計画」-県庁エコオフィスプラン-

環境にやさしい率先実行計画

県庁エコオフィスプラン

 

平成12年3月

 

島根県

 


第1章総論

第1節趣旨

今日の大量生産、大量消費、大量廃棄型の経済社会活動は、身近な生活環境にとどまらず、地球温暖化など地球規模の環境に影響を及ぼすに至っている。
県では、このような広範な環境問題に対処するため、平成9年度に環境の保全に関する基本的な考え方を示した「島根県環境基本条例」を制定し、翌年度にこれに基づき施策の総合的かつ計画的な推進を図るための「島根県環境基本計画」の策定を行った。
一方、県は、様々な政策や事業を行うという行政の主体としての役割のほか、各種の製品やサービスの購入・使用、庁舎等の建築・維持管理など、消費者や事業者として、通常の経済活動の主体としての性格を併せ持っている。そこで地域の主要な消費者・事業者としての立場から、環境負荷を低減する目的で、「県庁省資源・省エネルギー率先行動実施要領」(平成9年12月1日施行)を策定し、ごみの減量化、資源化、燃料・エネルギー使用量の削減などに積極的に取り組んできた。
このたび、先の「島根県環境基本計画」の中で県自らの環境保全に関する率先実行の強化をはじめ、地球温暖化対策の推進として「島根県における二酸化炭素排出量を平成15年度に平成10年度レベルの10%削減」を目標として掲げ、県民・事業者・行政が一体となって取り組むこととした。
加えて平成11年4月には「地球温暖化対策の推進に関する法律」(以下、法という)が施行され、各地方公共団体は自らの温室効果ガスの排出量削減に取り組んでいくため同法第8条に基づく「温室効果ガスの排出抑制等のための措置に関する計画」策定が義務づけられた。
こうした背景を踏まえ、県は環境に配慮した事務及び事業を行うための具体的な実行と推進方法をまとめた『「環境にやさしい率先実行計画」県庁~エコオフィスプラン~』を定め、県の全機関をあげて推進することとする。さらに、この計画を「地球温暖化対策の推進に関する法律」第8条に基づく地方公共団体の「温室効果ガスの排出抑制等のための措置に関する計画」としても位置づけ、地球温暖化防止に向けて、県の具体的な取組を推進する。

 

第2節計画の対象

1.計画の適用機関

対象機関は、知事部局、企業局、議会事務局、教育庁、県立学校、警察本部、警察署、各員会事務局とする。(地方機関を含む)

 

2.計画の対象事務及び事業

対象は県が自ら行う事務及び事業とし、外部への委託等により実施する事務及び事業は対象としない。しかし、温室効果ガスの排出の抑制等の措置が可能なものについては、受託者等に対して必要な協力を求めることとする。

 

第3節計画の期間

1.計画の期間

計画の期間は平成11年度から平成15年度までの5年間とし、計画の進捗状況や技術の進歩等を踏まえて、必要な見直しを行うものとする。

 

2.計画の基準年

本計画の基準年は、平成10年度とする。

 

第4節温室効果ガス排出量の算定

 毎年度の温室効果ガス排出量の算定は、法第2条第5項に定める方法により、施行令に基づき毎年度定められる排出係数及び施行令第4条で定める地球温暖化係数(巻末の参考資料4)を用いて算定する。
ただし、本計画の取組状況の評価にあたっては、平成8年度の排出係数(巻末の参考資料3)を用いて排出量の算定を行う。

 

第5節県の現状

 平成10年度の県の全機関における資源及びエネルギーの使用状況、環境に配慮した取組の状況の概要は、以下のとおりである。

 

1.資源及びエネルギーの使用状況

 平成10年度の県の資源及びエネルギーの使用状況は、以下のとおりである。第2節で述べた対象機関についての調査は今回が初めてである。12年度以降以下の項目を中心に進捗状況を調査する。

 

平成10年度資源及びエネルギーの使用状況
項目 実数値
コピー用紙の使用量(購入量) 258トン
コピー用紙古紙配合率 54%
封筒の使用量(購入量) 2,038千枚
外注印刷物の再生紙利用割合(件数) 11%
トイレットペーパーの古紙配合率100%の割合 76%
上水道の使用率 5,290千m3
廃棄物の排出量 1,350トン
廃棄物中の可燃物の排出量 745トン
電気使用量 70,281千kwh
公用車で利用する燃料の使用量 ガソリン 1,338キロリットル
軽油 197キロリットル
その他のエネルギー使用量 A重油 3,208キロリットル
灯油使用量 1,906キロリットル
液化石油ガス(LPG) 215千kg
液化天然ガス(LNG) 2千kg
都市ガス 347千m3
ガソリン 227キロリットル
軽油 57キロリットル
インバーター蛍光灯の導入率 8%
公用乗用車における低公害車の割合 1%

 

2.温室効果ガス排出状況

 本計画では、資源やエネルギーの使用状況に加え、それにともなう温室効果ガスの排出量の算出も行う。

 

(1)対象となる温室効果ガス

 温室効果ガスには、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロカーボン、六フッ化硫黄がある。その中でも温室効果寄与度の高い二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素について排出量の算出を行った。
なお、その他の温室効果ガスであるフロン等の温室効果ガスについては、把握が困難なため今回の調査では対象外とした。

 

(2)各温室効果ガスの排出量及び温室効果寄与度

 県の機関の資源やエネルギー使用に基づいた二酸化炭素排出量は12,590トン‐C、メタン排出量は51トン‐CH4、一酸化二窒素排出量は0.7トン‐N2Oである。これにそれぞれの地球温暖化係数(巻末の参考資料4)を乗じると、二酸化炭素がほとんどで97.3%を占め、メタンの排出が2.3%、一酸化二窒素の排出が0.5%を占める。

 以上から二酸化炭素排出量の削減が緊急の課題であることがわかる。

 

(3)二酸化炭素排出量のエネルギー源別割

 二酸化炭素排出量のエネルギー源別割合をみると、電気が約6割を占め、続いてA重油、灯油、ガソリンと続く。したがって、こうした燃料やエネルギーを多く使用する冷暖房、照明、OA機器や公用車の利用の優先的な節減や効率的利用が二酸化炭素の排出量の削減に効果が大きいと考えられる

 

 さらに、建物(庁舎)別に二酸化炭素の排出量の割合を見ると、学校が全体の23%、警察15%、病院12%、合庁7%、本庁舎・南庁舎・東庁舎・分庁舎が6%を占める。

 

(4)二酸化炭素排出量の年間推移

 二酸化炭素排出量の年間推移を見ると、冷房期間である7月から9月と暖房期間である12月から3月の二酸化炭素排出量が多い。

 

3.取組状況の概要

 県の主要な取組状況は下記のとおりである。財やサービスの調達に関する取組に関しては、文具・事務用品に比べ、OA機器などの高価な製品や低燃費車の購入などが進んでいない。また、庁内LANを活用した電子メール利用によるペーパレス化の取組、資料の簡素化、封筒の不使用、両面コピー・両面印刷の取組、不要時のOA機器の電源オフ、冷暖房時の適正な温度設定の取組などさらに改善が図れるものもあった。節水のための装置なども設置が遅れている。
未利用エネルギーの活用、エネルギー利用の効率化、未利用資源の利用など取組は進んでいないものの、今後できれば実施したいという庁舎も多かった。

 

○の項目については:「5.100%実施している」、「4.80%実施している」、「3.50%実施している」、「2.20%実施している」、「1.まったく実施していない」を表す。
●の項目については:「4.実施している」、「3.実施していないが、今後実施する予定である」、「2.実施していないが、今後できれば実施したい」、「1.実施していないし、今後実施するつもりはない」を表す。

 

取組状況(%)
項目 取組内容 5 4 3 2 1
財やサービスの調達 ○国際エネルギースターロゴのついた製品等省エネルギー型機器を導入する 24 14 21 9 32
○文具・事務用品は中身が交換できるもの、耐久性のあるものを購入する 25 23 31 12 9
○燃費の良い車を購入する 23 2 8 2 85
用紙類の使用節減 ○庁内LANを活用し、電子メールの利用によるペーパレス化を図る 4 7 17 24 48
○資料を簡素化し、会議では原則として封筒は配らない 32 13 26 18 11
○資料の作成は両面コピー・両面印刷を原則とする 18 12 38 26 6
エネルギー使用量の節減 ○使用しない部屋や昼休みの一斉消灯を図る 39 23 21 11 6
○昼休み等、不要時のパソコン・コピー機・プリンターの電源をオフにする 20 12 31 19 18
○アイドリングストップ、急発進・急加速をしないなど経済運転を徹底する 51 11 19 10 9
廃棄に関する取組 ○金属分別回収の実施 68 3 4 3 22
○ビンなどガラス分別回収の実施 72 4 4 4 16
○古紙分別回収の実施 51 11 11 3 24
○段ボール分別回収の実施 54 7 8 4 27
○ペットボトルなどの分別回収の実施 56 5 4 3 32
○エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機など回収・再生ルートの確立 19 2 4 3 71
エネルギー使用量の節減 ○廊下・トイレ等の照明の間引き 39 15 11 6 29
○エレベーターの間引き運転の実施 22 4 0 6 68
○冷房時の室内の密閉などの空調の効率向上 69 16 8 1 6
冷房の設定温度が28℃未満の庁舎の割合 48%
暖房の設定温度が21℃以上の庁舎の割合 47%
節水 ○トイレにおける流水擬音装置の設置 3 0 2 3 92
○自動水栓の設置 9 2 3 10 76
○節水コマの設置 7 0 2 1 90
未利用エネルギーの活用 ●太陽光発電の導入 - 2 1 29 68
●太陽熱利用設備の導入 - 3 1 31 65
エネルギー利用の効率化 ●断熱材の導入 - 9 1 37 53
●深夜電力利用設備の導入 - 3 2 34 61
未利用資源の利用 ●雨水利用設備の導入 - 3 1 34 62
●廃棄物等から再生された建設材料の利用 - 1 1 49 49
●間伐材・小径材等の建設工事等への利用 - 1 1 49 49
その他の取組 ●燃焼設備更新時等においての環境負荷の相対的に小さい燃料への変更 - 8 2 55 34
●空調設備、消火設備等の更新の際のフロン、ハロンを使用しない設備の導入 - 14 3 57 24

 

第2章実行目標と取組

第1節基本方針

 本計画では、次に掲げる基本方針に従い、県自らがおこなう事務および事業に伴う環境負荷を低減させる。

【基本方針】

1.環境負荷の低減に配慮した事務及び事業の執行

2.環境負荷の少ない財やサービスの積極的な選択

3.環境負荷の少ない廃棄処理の実行

4.環境負荷の低減や周辺環境に配慮した庁舎の建築・維持管理

5.職員に対する研修及び情報提供の推進

 

第2節実行目標

 本計画では、次のとおり、実行目標を設定し、その達成に向けた具体的取組を全所属で行うこととする。
数値目標については平成15年度を目標達成年次とし、取組の実効性を高めるため、実行目標の進行管理を行う所属を定める。
なお、これらの実行目標及び具体的取組は、定期的に進捗状況の調査を行うとともに、必要に応じ、見直しを行う。

 

実行目標(平成15年度を目標)
分野 実行目標 二酸化炭素排出量削減効果 進行管理を行う所属
紙の使用 コピー用紙の使用量を平成10年度実績から10%以上削減する。 - 各所属
コピー用紙を、特殊なものを除き、すべて再生紙とし、古紙配合率100%、白色度70%程度のものを使用する。 -
封筒の使用量を平成10年度実績から10%以上削減する。 -
外注印刷物は原則として再生紙による発注とする。 -
トイレットペーパーは、全て古紙配合率100%の製品を利用する。 - 庁舎管理を行う所属
水の使用 上水道の使用量を平成10年度実績から10%以上削減する。 -
廃棄物の減量化及びリサイクルの推進 一般廃棄物のリサイクルに努めるとともに、排出量を平成10年度実績から10%以上削減する。 -
省エネルギ- 電気の使用量を平成10年度実績から10%削減する。 約5.7%削減
重油の使用量を平成10年度実績から10%削減する。 約1.9%削減
灯油の使用量を平成10年度実績から10%削減する。 約1.1%削減
公用車によるガソリンの使用量を平成10年度実績から10%削減する。燃費を5%向上させる。 約0.8%削減 各所属
公用車による軽油の使用量を平成10年度実績から10%削減する。燃費を5%向上させる。 約0.2%削減
低公害車の導入 公用車のうち、特殊な用途を除く公用車に占める低公害車の割合を10%とする。 約0.1%削減
環境配慮型OA機器の調達 OA機器の更新の際は、環境配慮型の製品を調達する。 約0.2%削減
 二酸化炭素排出量削減目標
分野 実行目標 進行管理を行う所轄課
温室効果ガス削減 上記に示した実行目標の達成により、平成10年度比で平成15年度までに二酸化炭素の排出量を10%削減する。 環境政策課

第3節具体的な取組

第2節の数値目標を達成するため、以下の取組を積極的に展開することとする。

 

1.事務及び事業の執行にあたっての取組

(1)用紙等使用量の節減

 

【紙を使う前に】

1庁内LANを活用し、電子メールを使うことにより紙ベースでの文書の削減を図る。

2館内放送、掲示板、回覧板等の利用を図る。

3個人ごとの資料保管をやめて、可能な限り資料の共有化を図る。

4会議ではオーバーヘッドプロジェクターを活用するなど、資料の削減に努める。

5県職員を対象とした会議、県機関相互における文書については封筒を極力使用しないこととし、やむを得ず使用する場合は、使用済み封筒の再使用に努める。外部に配布する場合も必要最小限とする。

 

【紙を使うときは】

  1. 紙による情報提供が有効な場合でも、文書の通知先やパンフレット、ポスター等の配付先の検討を行う。
  2. 会議資料、決済文書等の作成にあたってはできるだけ1枚の文書におさめることとし、紙の節減を図る。
  3. 両面印刷、両面コピー、縮小コピー、ミスコピーの裏面利用を徹底する。
  4. コンピューターシステムの再構築や新規導入にあたっては、出力帳票や紙類ベースの文書等を削減できるように改善する。

 

 

 

【再生紙の利用】

1コピー用紙は、特殊な場合を除き、すべて古紙配合率100%、白色度は70%程度のものを利用する。

 

(2)電気使用量の節減

 

【冷暖房】

1個別に電気冷暖房の温度設定可能な部屋では、設定温度を冷房時は28℃、暖房時は18℃にすることを徹底するとともに、使用後は必ずスイッチを切る。

2冷暖房機器の稼働日数及び1日の平均使用時間を平成10年度対比で5%短縮する。

3エアコンフィルターの掃除をこまめにする。

4冷房時には、カーテン、ブラインド等を利用して日射を防止し、冷房効率の向上を図る。

 

 

【照明】

1使用しない部屋、始業前、昼休みにおける消灯の一層の徹底を図る。

2廊下、階段の照明は、来庁者の支障にならない範囲で消灯に努める。

3トイレや湯沸室の照明は、支障のない範囲で消灯に努める。

4事務の効率化に努め、残業時間を削減するとともに、やむを得ず残業する場合は部屋の部分消灯を行う。特に、「ノー残業デー」には、定時に退庁できるように努める。

5窓側のみの消灯が可能な所属においては、日中はできるだけ自然光をとり入れて窓側の照明を消灯するなど、省エネに努める。

6照明器具の利用にあたっては、設置場所の工夫や清掃等に努める。

 

 

【OA機器】

1ワープロ、パソコン、コピー機等のOA機器やテレビ等について、低電力モードを利用するなど省電力化に努めるとともに、昼休み等の使わない時には主電源を切る。

2事務機器、テレビ等の利用にあたっては、置き場所の工夫や清掃等に努める。

3パソコンの調達の際は、エネルギー消費量の少ない液晶ディスプレイの導入を図る。

4OA機器の更新の際には、プリンター・コピー・FAXは一体型などの省エネ型の導入に努める。

5LANの活用によりプリンターなどの周辺機器の共有化を図る。

 

 

【エレベーター】

1上下3階程度の最寄り階へは、階段を利用することに努める。

 

 

(3)水使用量の節減

1トイレでの2度流し、洗面所での水の流しっぱなし等をやめ、節水に努める。

2公用車の洗車、食器洗いに際しては、バケツや洗い桶に水をためて洗うなどの工夫を行い、節水に努める。

 

 

(4)公用車燃料使用量の節減

 

【公用車の使用は控える】

1出張や執務に係わる移動については、できるだけ、徒歩、自転車、公共交通機関を利用するよう努める。

2公用車やタクシーを使用する場合は、行き先や時間等の調整が可能な場合には相乗りなど効率的な利用に努める。

 

 

【環境に配慮した運転に心がける】

1公用車を使用する際は、待機時にエンジンを停止するなど、アイドリング・ストップを実施するとともに、急発進、急加速をしないなど、省エネ運転に努める。

2自動車のタイヤ空気圧調整等、適宜適切な整備の励行を図る。

 

 

【低公害車・低燃費車の調達】

1公用車の更新の際は、低公害車・低燃費車を調達するよう努める。

 

 

(5)庁舎用燃料等の節減

1冷房時には、カーテン、ブラインド等を利用して日射を防止し、冷房効率の向上を図る。

2ガス瞬間湯沸器の種火は、使用時以外は消す。

 

 

(6)ごみ排出量の削減

 

【事務用品からごみを出さない】

1事務用品、備品等の長期使用を心がけるとともに、故障等の際には修繕に努め、再使用を図る。

2使わなくなった備品等の有効活用を図るため、各機関相互での管理替え等を促進する。

 

【売店、食堂、自動販売機等からごみを出さない】

1庁内の売店等において商品を調達する時は、詰め替え商品や包装の簡素化された商品などを調達するよう心がける。また、袋や包装が不要な場合は、販売員に申し出るなど、ごみを出さないよう心がける。

2庁内の売店等に、詰め替え商品、包装の簡素化された商品などを置くように促す。

3庁内の食堂等では、食べ残さないように心がける。また、庁内の食堂等では、量の選択ができるように業者に協力を求める。

 

 

(7)リサイクルの推進

 

【用紙類】

1効率的なリサイクルを推進するため、コピー用紙、新聞紙、その他の雑誌、段ボールの分別を徹底する。

2使用済み封筒は、資料袋等への再利用に努める。

 

【容器類】

1空き缶、空きビン等の容器包装物については、分別を徹底し、市町村の回収や再商品化事業者等への引き渡しなどによりリサイクルに努める。

 

【電気製品】

1不要となったエアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの電気製品は適正にリサイクルを行う。

 

【その他】

1不要備品等のリサイクル情報を庁内LAN等により提供する。

2下水道汚泥は、農地還元や建設資材への活用を推進する。

3家畜排泄物は、肥料として農地還元することにより、有効利用する。

 

2.財やサービスの調達にあたっての取組

 財やサービスを調達する際には、製品や製造・販売・サービス事業者に関する環境情報を積極的に入手・活用し、環境に配慮した調達をするように努める。特に、以下の点について留意する。

 なお、財の調達について、わかりやすい目安としては巻末参考資料の2.(2)「環境ラベルのいろいろ」に掲載したラベル等がついた製品の調達を図る。

 

1製品やサービスを調達する際には、その物品が本当に必要かどうかを十分に検討するとともに、必要かつ適正な量を適切なタイミングで調達する。

 

2環境負荷の少ない製品やサービスを調達する。

 

 オゾン層破壊物質、重金属、有機塩素系化合物など、環境中に放出されると環境や人の健康への被害を生ずるおそれのある物質を使用していないか、使用量を削減していることを考慮する。また、製品ライフサイクルのさまざまな段階で生成される温室効果ガス、窒素酸化物などの物質の環境中への放出を可能な限り抑えた製品を選ぶ。

 

3資源やエネルギーの消費が少ない製品やサービスを調達する。

 

 金属資源や化石燃料などの資源の中には、現状レベルの利用を続ければ、あと数十年で枯渇するおそれのあるものが少なくない。また、石油や石炭などの化石燃料の使いすぎは、温室効果ガスのひとつである二酸化炭素を大気中に放出し、地球温暖化を加速する。少ない資源やエネルギーで製造され、また、流通段階や使用中に資源やエネルギー消費量が少ない製品を選ぶ。

 

4長期使用が可能な製品を調達する。

 

 耐久消費財などについては、修理や部品交換の容易さ、保守・修理サービス期間の長さ、機能拡張性などを考慮する。

 

5再使用・リサイクルが可能な製品を調達する。

 

 容器・包装材や耐久消費財の部位・部品などの場合、分解、洗浄、再充填などの過程を経て、そのままの形状で同じ用途に繰り返し使用する「再使用」が可能な製品や、リサイクルしやすい素材を使用している製品、素材ごとに分離・分解・分別が容易な設計がされている製品を選択する。また、調達者が容易に利用できる回収・リサイクルシステムがあるかどうかを考慮する。

 

6再生された素材や再使用された部品を多く利用している製品を調達する。

 

 家庭、オフィス、工場などから回収・再生された素材や部品を多く利用した製品を調達することは、資源回収の促進、天然資源利用の削減などに貢献することになる。また、耐久消費財の中には、回収された後、一部の消耗部品や故障個所を交換するだけで、ほとんどの部分をそのまま利用して再製造される製品もあるので、そうした製品を積極的に選ぶ。

 

7処理や処分が容易な製品を調達する。

 

 再使用やリサイクルを徹底しても、一部はどうしても焼却処理や埋立処分に回る。焼却施設や埋立処分場にできるだけ負荷をかけないように配慮して設計されている製品を選ぶ。

 

8環境保全に積極的な事業者により製造され、販売されている製品・サービスを調達する。

 

 調達する製品そのものについての環境負荷を考慮することに加えて、その製品を製造、販売している事業者が、環境に関する法令や規制を順守しているか、環境に関する経営方針や体制を持ち、適切な環境管理・監査を行い、環境に関する情報を公開し、環境保全に積極的に取り組んでいるかを考慮する。


3.廃棄にあたっての取組

 

 廃棄物の減量とリサイクルの推進及び環境負荷低減に配慮した取組実行を行う。

 

1食堂、厨房等での生ゴミの資源化を検討するよう事業者に促す。

2フロンあるいはハロンの使用を廃止する場合は適切な回収を図る。

3施設から発生する大気汚染物質、水質汚濁物質、土壌を汚染する物質については、適正な処理を行い、排出量の抑制に努める。また、委託処理の場合は、排出事業者として処理業者の指導・監督を徹底し適正処理を確保する。

4焼却炉でのごみ焼却は原則として中止するよう努める。

 

4.庁舎の建築、管理等にあたっての取組

 

 自らが管理する建物の建築にあたっては、計画・設計段階から建築施工、維持管理、解体のそれぞれの段階での環境配慮を行う。また、既存の建物の維持管理、解体にあたっても環境配慮を行う。

 

(1)計画・設計段階

 

【エネルギーの有効利用】

1建築物の壁、床、開口部の断熱構造化や採光・通風の最適化を検討する。

2施設の規模、用途に応じた省エネルギー型空調機、エレベーター、照明機器の導入や、各種制御システムの採用に努め電力消費の低減を図る。特に、機器のレイアウトへの配慮、個別冷暖房、個別照明可能なシステムの導入に努める。

3太陽光発電、太陽熱利用、風力発電等の自然エネルギーの利用や、廃熱利用など未利用エネルギーの有効活用に努める。

 

【資源の有効利用】

1建物の材料の選定にあたっては耐久性と再利用性を考慮する。

2建設廃棄物の再利用について検討し、計画に盛り込むよう努める。

3水洗トイレやその他給水装置等に自動水洗、感知式の洗浄弁等節水に有効な器具を設置する。

 

【適正な水循環の確保】

1雨水、排水処理水を利用した水洗トイレや散水等のための施設・設備を検討し、水資源の消費低減に努める。

2駐車場や歩道等には、雨水の地下浸透を図るため透水性舗装の採用を検討する。

 

【周辺環境への負荷の軽減】

1庁舎の建築予定地の選定にあたっては、自然環境及び景観、埋蔵文化財などの歴史的・文化的環境の保全など、周辺地域の環境との調和、環境への負荷の影響について十分な配慮を行うこととする。

2地域の交通に大きな影響を与えないよう、出入口や駐車場の規模や配置に配慮する。

3ダイオキシン類等の発生原因となる物質を含む資材については、可能な限り使用を抑制する。

4燃焼施設では、天然ガス等の環境負荷の相対的に小さい燃料の使用が可能なものを選ぶよう努める。

 

【野生生物等の保護】

1ビオトープなど野生生物の生育空間の整備に努める。

 

【緑化】

1庁舎を新設する際には、オープンスペース等の整備に努める。

2緑化にあたっては、現地の特性に配慮した樹木等を選択する。

 

【その他】

1庁舎を新設する際には、電波障害・日照障害・風害などの対策を講じるよう配慮する。

2施設の排水・排ガス処理施設は、用途・地域の状況等を考慮し、環境に配慮した機器等の導入に努める。

3高齢者・障害者をはじめ、すべての人が利用しやすいように配慮する。

 

(2)建築施工段階

 

【エネルギーの有効利用】

1施工にあたっては可能な限り合理化に努め、工期の短縮を図る。

 

【資源の有効利用】

1資材の無梱包化や実寸発注等に努める。

2建設工事等での間伐材や小径材、木屑、コンクリート塊等の使用など未利用資源の活用を図る。

3建設副産物のリサイクルの推進に努める。

4型枠については、熱帯材合板以外の型枠(鋼製型枠など)の利用検討及びその活用に努めるとともに、合板型枠等の一層の効率的・合理的利用による工法を選択する。

 

【廃棄物の適正処理】

1建設廃棄物のリサイクルや適正処理を発注者として確認する。

 

【周辺環境への負荷の軽減】

1工事中の粉塵、排ガス、騒音、振動、濁水等の発生の抑制を図り、必要な環境保全対策を講じる。

 

【その他】

1有害物質による環境リスクの少ない建材や工法を採用する。

 

(3)維持管理段階

 

【エネルギーの有効利用】

1冷暖房の際には、設定温度を冷房時には28℃以上、暖房時には18℃以下にすることを徹底する。

2冷暖房機器の稼働日数及び1日の平均使用時間を平成10年度対比で5%短縮する。

3冷暖房時には室内の密閉、カーテン・ブラインドを活用するなど空調の効率向上に努める。

4エアコンのフィルターのこまめな掃除に努める。

5冷暖房設備、照明器具等の機器更新の際には、省エネルギー型の機器を導入するよう努める。

 特に、機器のレイアウト変更の検討、個別冷暖房、個別照明可能なシステムの導入に努める。

6エレベーターについては、急行運転、夜間及び休日の間引運転を行う等の運転抑制を行い、階段利用の励行を徹底する。

7太陽光発電など自然エネルギー、未利用エネルギーの導入を図る。

8燃焼施設の改修等に当たっては、天然ガス等の環境負荷が相対的に小さい燃料の使用が可能となるよう適切な対応を図る。

9窓の更新の際には、断熱効果の高い2重サッシやペアガラスなどの導入に努める。

10照明器具のホコリや汚れのこまめな掃除に努める。

11廊下・トイレ等の照明で間引きの可能なところは、支障のない範囲で実施する。

12照明器具はインバータータイプなどの省エネ型器具への切り替えを図る。

13温水器の更新の際は、深夜電力利用の電気温水器や太陽熱温水器の設置など、給湯システムの省エネ化を図る。

 

【資源の有効利用】

1節水のため、必要に応じてトイレ流水音発生装置、節水こま等節水に有効な機器の導入を図る。

 

【リサイクル】

1古紙、空き缶、空きビン、段ボール等の分別回収を推進するとともに、保管場所等の確保を行う。

 

【緑化】

1庁舎内や緑地、歩道及び側溝等の管理を適切に行い、敷地周辺地域の美化に努める。

2既存施設においても、オープンスペースの緑化に努める。

3緑化にあたっては、現地の特性に配慮した樹木等を選択する。

 

【環境汚染防止への配慮】

1環境汚染物質等の排出の削減や適正な処理が図られるよう設備の維持管理を行う。

2ばい煙発生施設の適切な運転管理を行うとともに、燃料等の改善を通じ、ばいじん、NOX、SOX、CO2等の排出量の削減に努める。

3既存の建物の改修・解体時において、アスベストやフロンなどの適正処理に努める。

 

(4)解体段階

1廃棄物のリサイクルや適正処理を発注者として確認する。

2解体中に発生するアスベスト等の有害物質の適正処理を受注者に徹底させ、発注者として確認する。

3解体中は粉塵、排ガス、騒音、振動、濁水等の発生の抑制を図り、必要な環境保全対策を講じる。

 

5.職員に対する研修及び情報提供の推進

 

(1)環境研修の実施

1職員の環境保全意識の向上を図るため、環境に関する研修を実施する。

2環境に関する研修やシンポジウム、講演会等への職員の積極的な参加を促進する。

3自治研修所などで行われる研修において環境に関する課題を積極的に取り入れるよう努める。

 

(2)情報提供

1庁内誌、パンフレット、庁内LAN等を利用し、職員に対して環境に関する情報を提供する。

 

(3)環境保全活動への参加の促進

1環境保全活動及び研修会等へ職員が参加しやすい職場づくりに努める。

 

(4)委託・請負業者への環境教育・環境情報の提供

1委託業者や請負業者に対する環境に関する研修や講演会への参加の呼びかけや情報提供に努める。


第4節地球温暖化対策について(再掲)

 

 本計画においては、先述の「地球温暖化対策の推進に関する法律」第8条に基づいて策定すべき島県の「温室効果ガスの排出抑制等のための措置に関する計画」をも包含しており、温室効果ガス排出抑制のため、県自らの具体的な取組を促進することとしている。

 県は平成15年度に平成10年度対比で二酸化炭素の排出量を10%削減することを目標としている。この目標を達成するために、第2章第3節の具体的な取組のうち温暖化対策に関する主要なものを取り上げ、積極的に取り組むこととする。

 

1.冷暖房に係るエネルギー消費量の削減

(1)設定温度の適正化を行い厳守する。(冷房時28℃、暖房時18℃)

(2)冷暖房機器の稼働日数及び1日の平均使用時間を平成10年度実績から5%短縮する。

(3)カーテン・ブラインドなどの有効利用、更新の際の2重サッシ・ペアガラスなどの導入により断熱効果を高める。

(4)エアコンのフィルターの掃除をこまめにする。

(5)冷暖房機器の更新の際には、省エネ型を導入する。

 

 

2.照明に係る電気使用量の削減

(1)照明器具の更新等の際には、省エネ型器具の導入を進める。

(2)使用していない部屋の照明は消灯する。

(3)照明器具のホコリや汚れをこまめに掃除する。

(4)できるだけ自然光をとりいれて、省エネに努める。

(5)残業の際は、部屋の部分消灯を行う。

 

 

3.OA機器などに係る電気使用量の削減

(1)昼休みにはパソコンサーバー、FAX、防災端末など常時接続を要する機器を除く全てのOA機器の電源を切る。

(2)パソコンの調達の際は、消費電力の少ない液晶ディスプレイを選択する。

(3)更新の際、プリンター・コピー・FAXは一体型など省エネ型の導入に努める。

(4)LANの活用によりプリンターなどの周辺機器の共有化を図る。

 

 

4.公用車に係るガソリン・軽油使用量の削減

(1)公用車を使用する際は、待機時にエンジンを停止するなど、アイドリング・ストップを実施するとともに、急発進、急加速をしないなど、省エネ運転に努める。

(2)タイヤ空気圧の点検など、公用車の定期的な整備に努める。

(3)公用車更新の際、低燃費車・低公害車を調達することなどにより、平均燃費を平成10年度実績から5%向上する。

(4)相乗りや公共交通機関の利用などにより公用車の走行距離を平成10年度実績から5%削減する。

 

 

5.廃棄物の削減

(1)ごみの排出量を平成10年度実績から10%以上削減する。

(2)ごみの分別回収を徹底する。

(3)リサイクルを推進する。

 

 

6.エレベーターに係るエネルギー消費量の削減

(1)夜間及び休日のエレベーターの間引き運転を行う。

(2)上下3階程度の最寄り階へは、階段を利用する。

 

 

7.環境配慮型製品の調達によるエネルギー、資源の使用量の削減

(1)電化製品や文具の更新の際は、環境配慮型製品を調達する。

 

 

8.その他の取組

(1)温水器の更新の際は、電気温水器や太陽熱温水器の設置など、給湯システムの省エネ化を図る。

 

 

【目標】

二酸化炭素排出量を、平成15年度において平成10年度レベルから10%削減します。


第3章計画の推進体制

 

第1節推進体制

 計画の取組状況及び進捗状況は年2回の調査により把握し、取組の推進に反映するとともに、調査結果は公表する。

 また、本計画は環境基本計画推進会議及び幹事会を中心として推進することとし、計画の実行組織として、各部局長を環境率先実行統括責任者、各所属長を環境率先実行推進責任者と位置づけ計画に取り組む。また、各所属内に環境率先実行推進員を置き、各所属内での取組を推進する。

 

第2節進行管理

 

 本計画の効果的、効率的な推進を図るため、環境マネジメントシステムの考え方を取り入れた推進体制を構築し、計画の推進に努めることとする。

 率先実行計画を策定し、それを組織の構成員に周知徹底するとともに、その実行のための組織内体制や手続きを整備し、さらに取組の実行状況をチェックしながら、計画の見直しを行う。これを繰り返し行うことにより、環境率先実行の継続的な改善を目指すこととする。

 

 本計画では、こうしたシステムの考え方を取り入れて、計画の目標の達成状況等を毎年把握・評価し、継続的な改善を行い、全職員の環境率先実行を確保する。

 

1.Plan(環境率先実行目標の決定)

 

 環境基本計画推進会議は、事務局からの点検結果の報告に基づき、進捗状況の把握を行い、継続的な改善のための是正措置や環境率先実行目標等の決定及び本計画の見直しを行う。実施状況や決定事項等について環境率先実行統括責任者(各部局長)に指示を行う。

 

2.Do(実施体制と実施運用)

 

 環境率先実行統括責任者(各部局長)は当該部局あるいはその機関における取組を統括し、環境基本計画推進会議の決定に基づき、環境率先実行推進責任者(各所属長)に計画の周知を行い、部局内あるいは地方機関における取組を推進するとともに、その進捗状況について、事務局(環境政策課、以下同じ)を通じて環境基本計画推進会議に報告、必要な場合は提言を行う。

 各部局主管課長は、環境率先実行統括責任者(各部局長)からの指示を部局内に伝えるとともに、部局内の各所属の取組を取りまとめ、進捗状況等について事務局に報告する。さらに当該所属長として次の環境率先実行推進責任者としての取組を行う。

 各所属長及び各庁舎管理責任者は、環境率先実行推進責任者として本計画の目標を達成するため各所属における取組を推進するとともに、取組をさらに積極的に推進するために課長補佐等の職にあるもの、地方機関においては総務担当課長等の職にある者を環境率先実行推進員に指名する。

 また、環境率先実行推進責任者(各所属長)は、環境率先実行推進員とともに本計画の達成に関して、職員に対する計画の周知と実施指導を行う。また、環境率先実行の進捗状況を把握し、その結果を各部局主管課長を経由して事務局に報告する。

 

3.Check(点検と是正措置の検討)

 

 環境基本計画推進会議は本計画の進捗状況を点検し、進行管理を行うとともに講ずべき是正措置の検討を行う。

 計画の進捗状況の点検は原則的に庁内LANを利用することとする。各所属長や各庁舎管理責任者は各部局の主管課を通じて、年2回、事務局(環境政策課)に進捗状況の報告を行う。

 事務局(環境政策課)は進捗状況を集計・分析し、必要であれば今後の活動等の見直しの提案なども含めたとりまとめを行い、環境基本計画推進会議作業部会にその内容を報告する。同作業部会は同点検結果を確認し、環境基本計画推進会議幹事会に報告及び提言する。さらに、同幹事会は、同作業部会の報告・提言の内容を吟味し、環境基本計画推進会議に対し、報告及び提言する。

 

4.Action(見直し)

 

 環境基本計画推進会議は進捗状況を把握するとともに、必要に応じて目標や取組の見直しや各部局に点検結果の通知、取組実施などの指示を行う。

 環境率先実行統括責任者(各部局長)は環境率先実行推進責任者(各所属長)に対し、その指示を徹底する。

 環境率先実行統括責任者(各部局長)から指示を受けた環境率先実行推進責任者(各所属長)は環境率先実行推進員、各所属員にその指示を徹底するとともに、所属内の取組の見直しを行う。

 

第3節計画の進捗状況等の公表

 

 島根県内における主要な消費者・事業者として、また県民、事業者、その他の自治体等に模範となる立場からも、環境率先実行及びその進捗状況に関する情報の共有は大変重要である。

 したがって、本計画の進捗状況等については、「環境白書」やインターネットなどのメディアを通じて、定期的に公表することとする。

 

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