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県内大学生による起業家情報の発信事業

 県内の起業に関心を持っている方等に向けて、県内起業家の魅力などを情報発信するため、今年度、島根大学法文学部の学生10人と島根県立大学総合政策学部久保田典男研究室の学生12人の計22人の学生により、起業家や創業者を直接取材し記事作成を行う事業を実施しました。

 なお、この事業では、大学生が起業家や創業者への取材経験により、起業への想い、島根で起業する理由など、起業家マインドを学ぶ機会にもつながっています。また、記事作成にあたっては、ローカルジャーナリストの田中輝美様と本宮理恵様(株式会社MYTURN)に学生への指導、監修に携わっていただいたことも特徴となっています。

 起業家や創業者のお話を伺い、学生が何を感じたのか、是非ご覧ください。

 

取材先

 蔵庭

 代表

 戸田耕一郎様

 

リスクを恐れない、これがかっこいい生き方

蔵庭代表

 

 島根県江津市の松川町、海が近い静かな中山間地域に“蔵庭”というベジタブルキッチン・カフェがあります。代表を務めるのが戸田耕一郎さん。出身は東京都で、過去に小売業、音楽制作会社に携わっていた経験を生かし、現在は写真撮影やウェブデザインをメインに個人で仕事をするコンテンツメイカーでもあります。一度やると決めたら信じ切る、そんな熱い性格の戸田さんに蔵庭が生まれた背景などを聞きました。

 

■お店の紹介と事業内容を教えてください。

 蔵庭は2015年7月に江津の松川町でオープンしたベジタブルキッチン・カフェで、動物性食品や乳製品、添加物などの不自然なものを使わないのが特色です。私自身は、写真撮影やウェブデザインをメインに個人で仕事をするコンテンツメイカーです。蔵庭では、カフェのメニューを作ったり考えたりするのは基本的に妻がやっていて、私はウェブサイトやデザインワーク全般、SNSでの情報発信などを主に担当しています。

 

■起業された経緯について教えてください。

 はじめ、無添加などの食に興味があったのは妻で、私の方は食事なんてまったく興味を示さない性格でジャンクフードまみれの生活でした(笑)

 しかし、父親を病気で亡くしたことで食事が自分の体の大半をつくっているということに気が付いたんですよ。それから2010年に東京でオーガニックのマルシェ(市場)を始め、夫婦でオーガニックを体に取り入れるような家庭づくりをするようになり、カフェを始めるきっかけとなりました。

 

■起業されて大変だったこと、苦労されたことはありましたか?

 これほんと毎回聞かれるんですけど、ここまでずっと同じことを答えているので貫き通します。大変だったことはありません(笑)

 一般的には起業する上で自分たちがここでやっていけなかったらどうしようとか考えるのは「大変」の一つだとは思いますが、僕はそう思わなかったんですよ。そもそも人があまり来ない松川町でカフェをやること自体、振り切っちゃってるんで。やると決めたらできると信じ切ってしまうタイプなんです。

 

■将来ビジョンなど、今後の目標と展望を教えてください。

 大きく分けて2つあります。1つ目は、他のものに依存せずに生きていく自分をつくりたいということです。現在は、制作を委託されることで仕事があるため、今後は自分の作品をつくってより自立していきたいという思いがあります。2つ目は、島根における子どもの教育と家族の在り方について考えていくことですかね。そのため今は蔵庭をどうしたいとかよりも、家族が幸せであることの優先順位が高いです。

 

■会社概要

・設立年・・・ 2015

・会社名・・・蔵庭

・代表・・・戸田耕一郎
・住所・・・島根県江津市松川町下河戸1ー1

・事業内容

 島根県江津市の中山間部にある静かなカフェ。コンセプトは食、地域、心身。動物性食品や乳製品、添加物などの不自然なものを使わず、体に優しい朝食やランチを提供できるのが特色。

・HP・・・http://kuraniwa.jp/(外部サイト)

 

■取材後記

(島根県立大学)川村桃子

 今回、戸田さんの取材をさせていただき、その生き方、考え方にとても刺激を受けました。島根で起業された、というだけでもすごい方だとは思っていましたが、実際にお会いしてみると自分の考えを持った熱い方で、取材中その話の面白さにメモを取りながら手が止まってしまった記憶があります。

 カフェなどを経営する上では利益に目が行きがちだと思っていましたが、戸田さんはそうではなく、儲けることよりも“蔵庭”独自の色を出すことを優先的に考えておられ、非常に感心させられました。また、「起業することが大変でリスクを負うことなのはわかりきっていること」とおっしゃられており、島根にこんなかっこいい生き方をされている方がいたのかと思いました。私自身、東京のほうが仕事が沢山ありそうだしIターンして島根で働くことを選択するなんて自分だったら有り得ないと思っていましたが、戸田さんの取材をしたことでその考えは一掃されたように感じます。

 

取材の様子


お問い合わせ先

中小企業課

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
・商業・サービス業支援係(起業・創業、大規模小売店舗立地法、地域商業等支援事業などに関すること)TEL:0852-22-5655
・金融係(県内中小企業に対する融資、貸金業法及び割賦販売法、信用保証協会などに関すること)TEL:0852-22-5883
・管理係(高度化資金などに関すること)TEL:0852-22-6203
・商工団体係(中小企業等協同組合法、事業継続力強化アドバイザー派遣事業などに関すること)TEL:0852-22-6554
・経営力強化支援室(事業承継総合支援事業、経営革新計画、中小企業・小規模企業振興基本計画などに関すること)TEL:0852-22-5288
FAX:0852-22-5781
E-mail:keiei@pref.shimane.lg.jp