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県内大学生による起業家情報の発信事業

 県内の起業に関心を持っている方等に向けて、県内起業家の魅力などを情報発信するため、島根大学法文学部の学生10人と島根県立大学総合政策学部久保田典男研究室の学生12人の計22人により、起業家や創業者を直接取材し記事作成を行う事業を実施しました。

 なお、この事業では、大学生が起業家や創業者への取材経験により、起業への想い、島根で起業する理由など、起業家マインドを学ぶ機会にもつながっています。また、記事作成にあたっては、ローカルジャーナリストの田中輝美様と本宮理恵様(株式会社MYTURN)に学生への指導、監修に携わっていただいたことも特徴となっています。

 起業家や創業者のお話を伺い、学生が何を感じたのか、是非ご覧ください。

 

取材先

 安藤建築設計室

 代表

 安藤かおり様

 

住まい手と共に山陰の冬を過ごしやすい家づくり

安藤建築設計室代表

 

 島根県安来市出身でUターン者にあたる安藤大輔さん、愛知県名古屋市出身でIターン者にあたる安藤かおりさんのご夫婦が経営する安藤建築設計室。安来市切川町の自宅兼事務所は、しまね建築住宅コンクールで最優秀賞受賞。住まい手の希望や、住まい手が過ごしやすい家など、住まい手に寄り添ってくれる建築設計室だ。今回は安藤かおりさんに企業までのきっかけや苦労したこと、将来の目標を聞いた。

 

■事業内容を教えてください。

 事業内容は主に住宅の建築やインテリアの設計などです。もちろん、公共施設もお声がかかればやります。今は、何社も応募があった中で勝ち取った大田市の仁摩道の駅の設計にも携わっています。設計する主な場所は島根県と鳥取県中心です。私たちは奇抜な設計ではなく、地域性を取り入れ、山陰の気候や風土を理解してバランスの良い家を設計するようにしています。

 

■起業の経緯と安来市という場所を選んだ理由を教えてください。

 第2子出産の関係で以前勤めていた仕事を退社しました。自分たちの家を安来市で建て、しまね建築住宅コンクールで最優秀賞を受賞したことで建築の相談が来るようになりました。自営業でも可能だと考え、起業しました。最初は島根県内の地域差もわかっていなかったので、夫の地元であり、夫の実家が隣にある安来市を選びました。

 

■起業されて苦労したことや大変だったことを教えてください。

 お金がないことですかね。建築設計の仕事は1件に対してかかる時間が長いです。でも、お給料は3~4か月に1回程度で、年4回ほどしかありません。最初は貯金を切り崩していました。他には、会社勤めの時と違って、何をするにも自分に責任があり、仕事を自分で取ってこないといけないのも大変ですね。でもありがたいことに自分たちのやりたいことをやってこられたのでそこは本当によかったなと思っています。

 

■将来の目標があれば教えてください。

 暖房方法や、寒くない家づくりなど温熱環境を活用して、土地に合った家を作っていきたいと思っています。島根の冬は厳しいですが、私自身、薪ストーブが好きで、自分の家にもあります。お客さんも薪ストーブが好きな方は多いです。お声がけしてもらってショールームの設計をさせてもらいました。他にも、窓を大きくして自然豊かな景色を取り込むなど、あくまでも島根らしさを大事にしたいと考えています。

 

■会社概要

・創業年・・・2015年

・会社名・・・安藤建築設計室

・代表・・・安藤かおり

・所在地・・・安来市切島町653-1

・業務内容

 ご夫婦で経営する安藤建築設計室。その土地に、場所に、バランスよく佇む、丁寧に大切に暮らせる家づくりをコンセプトに、住宅や道の駅などの公共施設の設計など幅広く手掛ける。現在、自宅兼事務所となっている安来切川の家。お二人で設計された安来切川の家はしまね建築住宅コンクールの最優秀賞を受賞している。

・HP・・・http://ando-d.com/(外部サイト)

 

 

■取材後記

(島根大学)仙田理子

 インタビューは初めてでわからないことばかりでした。特にアポ取りが緊張しました。今までは周りの大人の方々が土台を整えていて、最後に手伝う程度の体験しかしていませんでした。自分自身で一から十までやることが少なかったので、責任や周りの方に迷惑をかけることが怖かったからです。自分の要件をわかりやすく相手に説明する難しさも痛感しました。また、建築や設計については知識がほとんどなかったので、失礼の無いように下調べを入念に行いました。しかし、調べていくうちに、インタビューで聞きたいことが増えていき、安藤建築設計室さんの家づくりに興味が湧いてきて楽しくなりました。インタビュー中はメモに取りつつも、話をいかに引き出すことの重要さを感じました。インタビューをさせていただいた後も、録音させていただいた音声を聞き、自分の声の大きさ、話の伝え方など反省点が多く見つかりました。一度でここまで多く学べる貴重な経験ができ、本当に良かったと思っています。このような機会が又あれば、ぜひ参加させていただきたいです。

 


お問い合わせ先

中小企業課

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
・商業・サービス業支援係(起業・創業、大規模小売店舗立地法、地域商業等支援事業などに関すること)TEL:0852-22-5655
・金融係(県内中小企業に対する融資、貸金業法及び割賦販売法、信用保証協会などに関すること)TEL:0852-22-5883
・管理係(高度化資金などに関すること)TEL:0852-22-6203
・商工団体係(中小企業等協同組合法、事業継続力強化アドバイザー派遣事業などに関すること)TEL:0852-22-6554
・経営力強化支援室(事業承継総合支援事業、経営革新計画、中小企業・小規模企業振興基本計画などに関すること)TEL:0852-22-5288
FAX:0852-22-5781
E-mail:keiei@pref.shimane.lg.jp