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県内大学生による起業家情報の発信事業

 県内の起業に関心を持っている方等に向けて、県内起業家の魅力などを情報発信するため、島根大学法文学部と島根県立大学総合政策学部久保田典男研究室の学生により、起業家や創業者を直接取材し記事作成を行う事業を実施しました。

 なお、この事業では、大学生が起業家や創業者への取材経験により、起業への想い、島根で起業する理由など、起業家マインドを学ぶ機会にもつながっています。また、記事作成にあたっては、ローカルジャーナリストの田中輝美様と本宮理恵様(株式会社MYTURN)に学生への指導、監修に携わっていただいたことも特徴となっています。

 起業家や創業者のお話を伺い、学生が何を感じたのか、是非ご覧ください。

 

取材先

 株式会社ビドルインターナショナル

 代表取締役

 姚遠様

 

多文化を繋ぐ橋渡しを目指して

ビドルインターナショナル代表取締役

 

 2014年に松江市で起業し、現在グローバルに活躍する(株)ビドルインターナショナル。様々な事業に挑戦し、日本と世界を繋ぐこの会社の代表は、6歳まで中国に住みその後松江で育った姚遠氏。広い視野を持ち、多言語話すことができるという強みを存分に生かすこの会社の目標は「自分たちの事業を通して自然と相互理解ができるような社会を作ること」どのような視点でさまざまな事業を展開し、国や地域間を繋ぐ橋渡しをしているのか、その背景を聞いた。

 

■どんな事業を行っていらっしゃいますか?

 事業内容は大きく分けて3つあります。1つ目が生活雑貨の製造販売で、お客様から委託を受けて考えを具現化し、中国の工場で生産して納品しています。2つ目が薬膳に関するwebマガジンの発信で、これは現在自社の特設サイトを開設していこうと取り組んでいる最中です。3つ目は海外の企業と業務提携して海外企業の販売代理店という業務です。この他にスタッフ全員2~3言語話せる事を生かした通訳や、輸出入、県内国内企業の仲介役も行っています。

 

■国内だけでなく海外とも連携して事業を行っておられるのが特徴だと思うのですが、コミュニケーションをとる上で大切にしていることはありますか。

 特に分かりやすい通訳を例にお話すると、通訳ではそのまま直訳した内容を相手側に伝えるのではなく、現段階で進んでいる話の2歩3歩先読みをしたり、お互いが求めているものが何かを推測したりするということを大切にしています。誤解による行き違いをできるだけ少なくするために、国が違えば文化も違うし、考え方、重要に思っている事柄も違うということをコミュニケーションの際、常に意識するようにしています。

 

■姚さんがこれまで国や地域の差によって感じた相違点などはありますか。

 モノづくり業界の観点から言えば、市場へ商品を出すまでのスピードに日本と中国で差があると感じます。日本では開発案件においてサンプルから完璧さを求めるのに対して、中国では日本よりも長いスパンで考える傾向にあるため、7,8割大丈夫だと判断したら一度市場へ回して、実施検証を行うということが多いです。この考え方の差によって衝突してしまう可能性があるためコミュニケーションの際、調整をしなければならない点であると感じています。

 

■最後に今後のビジョンについて教えてください。

 現在、私たちの会社はどうやって島根に貢献していこうかを具体的に考えているというよりは、何ができるか分からないので、とにかくできることをやって、それが丁度島根に還元する形に繋がって行けばよいなと考えています。島根の風土や市場の変化を常に感じられるという強みを持っているのでその強みを活かして、消費者の方々や自分たちに利益を生み出せるようなサービス提供と島根への貢献とをつなげていけたらと思います。

 

■会社概要

・創業年・・・2014

・会社名 ・・・株式会社ビドルインターナショナル

・住所・・・松江市末次本町46番地松江京店RGBビル2F 201

・代表取締役社長・・・姚遠

・事業内容

 青春時代を過ごした松江を第2の故郷であると言う姚さん。そんな思い入れのある松江で起業し、自社の事業によって文化差を自然と受け入れられる社会の成立を目標に掲げる。多言語を操れるというポテンシャルを活かし、海外と連携したものなど多岐に渡る事業を展開。

・会社HP・・・http://www.vidol.co.jp/(外部サイト)

 

■取材後記

(島根大学)安田柔

 姚さんのお話を聞いて、姚さん達のされている事業は国や地域を結ぶ「橋渡し」なのではないかという印象を受けました。

 ご自身も実際に事業の中で感じられた考え方や文化の差を日本と中国、両岸の人々が自然と受け入れ、お互いの考えを理解することができる社会が、姚さんの仰った「自然と相互理解ができる社会」なのではないか、そしてそんな社会を目指して姚さん達が挑戦し続けておられる様々な事業が国や地域、他文化を結ぶ「橋」になるのではないかと感じました。

 私は起業された方のお話を伺うのは今回が初めてで、起業に関する知識が全くない状態で姚さんにインタビューしました。最初は事業を自身で考え、実行し責任を負うのは大変そうだなという印象でしたが、自分が掲げる目標実現のために様々なことに挑戦し続けられる姚さんのお話から、自分の可能性を試す機会がたくさんあり、成功した時には苦労以上の達成感を感じられるのが起業という働き方なのかもしれないと感じました。

 

取材風景1取材風景2


お問い合わせ先

中小企業課

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
・商業・サービス業支援係(起業・創業、大規模小売店舗立地法、地域商業等支援事業などに関すること)TEL:0852-22-5655
・金融係(県内中小企業に対する融資、貸金業法及び割賦販売法、信用保証協会などに関すること)TEL:0852-22-5883
・管理係(高度化資金などに関すること)TEL:0852-22-6203
・商工団体係(中小企業等協同組合法、事業継続力強化アドバイザー派遣事業などに関すること)TEL:0852-22-6554
・経営力強化支援室(事業承継総合支援事業、経営革新計画、中小企業・小規模企業振興基本計画などに関すること)TEL:0852-22-5288
FAX:0852-22-5781
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