• 背景色 
  • 文字サイズ 

県内大学生による起業家情報の発信事業

 県内の起業に関心を持っている方等に向けて、県内起業家の魅力などを情報発信するため、島根大学法文学部の学生と島根県立大学総合政策学部久保田典男研究室の学生により、起業家や創業者を直接取材し記事作成を行う事業を実施しました。

 なお、この事業では、大学生が起業家や創業者への取材経験により、起業への想い、島根で起業する理由など、起業家マインドを学ぶ機会にもつながっています。また、記事作成にあたっては、ローカルジャーナリストの田中輝美様と本宮理恵様(株式会社MYTURN)に学生への指導、監修に携わっていただいたことも特徴となっています。

 起業家や創業者のお話を伺い、学生が何を感じたのか、是非ご覧ください。

 

取材先

 RiverbanksDesignOffice

 代表

 神吉絵

 

子育てとデザインから繋がる地域の輪

riverbansk代表

 

 15歳で単身渡米。ヒッチハイクで全国を旅。20歳でアーティストデビューを果たすなどのさまざまな経験をされ、現在はローカルデザイナーとして活躍する神吉絵さん。出身地である兵庫県や東京都での生活から一変、縁もゆかりもない島根県川本町への移住を決断。「地域のためのデザイン」を常に心がけ、パンフレットや商品のパッケージを製作しています。デザインで地域の魅力を人々に伝える神吉さんにお話を頂きました。

 

■どんな事業を行っておられますか

 事業は主にパンフレット、ポスターなどのグラフィックデザイン、またパッケージのデザインも含めたブランディングをしています。これまでには川本町の特産品である、えごまのパッケージをデザインして、道の駅で企画して販売、また地域の子どもたちが考えたデザインを生かしたパッケージを作成しました。経営理念として常に心がけていることは、地域に居て、地域のためのデザインをするということです。

 

■起業されたきっかけを教えてください

 地域おこし協力隊制度で、町がデザイナーを募集していたことです。川本町を選んだ理由は、暮らしの環境が子どもたちや妻に適していたから。川本町へ見学に来た際に、保育所を訪れました。その時にみた子どもたちの明るい表情や純粋であか抜けた様子に魅力を感じ、育児をする場として適していると思いました。また、隣町の大森町にはアパレル会社があり、パタンナーをしている妻の職場も見つけることができました。

 

■お仕事をする上で心掛けていることはありますか

 デザイナーの仕事って相手があるので、基本的にボールをキャッチボールすることなのですけど、基本的に自分のところだけでボールをもたないということとか。投げられてきたボールはすぐに返す。例えば依頼があって、納期が2週間あるからといって2週間まんま使って製作するのではなく、1日でも早く返す。そうすることで、相手側に練る時間ができる。だけどその状態では、僕はボールをもっていない。だから常にボールを投げるようにしないといけないというのは思っています。

 

■今後のビジョンや目標はありますか。

 仕事の質を高めたいということが一番です。地方に行ったから腕が鈍るとか、地方に居るからこれくらいでいいやとかではなくて、場所を選ばずにできる仕事だからこそ、スキルアップを目指していこうと思っています。自分が出来て初めて人に還元できる、質を高めてそれが自分の力になって、最終的に地域に還元できるような形になればいいなって。今後は自分の仕事の幅を広げるために、紙もののグラフィックにこだわらずに色々なデザインに挑戦したいと思っています。

 

■会社概要

・創業年・・・2016年

・会社名・・・Riverbanks Design Office

・代表取締役社長・・・神吉絵

・所在地・・・巴智郡川本町大字川下4420-8

・業務内容

 主に、町のPR素材であるパンフレットや商品のパッケージをデザインする。これまでには、川本町の移住パンフレットや観光ガイド、学校案内のデザインをした。また、道の駅で販売する川本町の名産品であるえごま油のパッケージのデザインもされた。ローカルデザイナーとして、地域のためのデザインを心掛け、地域に根差したものの制作に取り組んでいる。

・HP・・・https://www.riverbanks.biz/(外部サイト)

 

■取材後記

(島根県立大学)羽渕天音

 初めて神吉さんの紹介文を目にした時、神吉さんが現在のお仕事をされるまでの豊かな経験と、子育てに力を注ぐ姿勢に魅力を感じ、もっとお話を聞きたいと思いました。

 取材をさせて頂いて感じたことは、神吉さんの「柔軟さ」です。都市部から地方へ移住することは、お仕事のスタイルや周りの人との関係など、環境が大きく変化すると思います。特に地方での人との関わりは、都市部に比べて人口が少ない分、密になるので難しい。しかし神吉さんは移住してからこのようなことで困ったことはなく、暮らしの中で自然に地域の方との距離が縮まっていったそうです。それは神吉さんの柔軟さがあるからだろうなと思いました。私の中で「起業」は自分のやりたいことからみつけるものというイメージだったけれど、神吉さんとお話してからは、周りの人や環境からアイデアを発見し起業に生かすことが出来ると分かりました。神吉さんの何事に対しても前向きに取り組み対応していく柔軟さを今後の生活で身につけていこうと思います。

 

取材風景2取材風景1


お問い合わせ先

中小企業課

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
・商業・サービス業支援係(起業・創業、大規模小売店舗立地法、地域商業等支援事業などに関すること)TEL:0852-22-5655
・金融係(県内中小企業に対する融資、貸金業法及び割賦販売法、信用保証協会などに関すること)TEL:0852-22-5883
・管理係(高度化資金などに関すること)TEL:0852-22-6203
・商工団体係(中小企業等協同組合法、事業継続力強化アドバイザー派遣事業などに関すること)TEL:0852-22-6554
・経営力強化支援室(事業承継総合支援事業、経営革新計画、中小企業・小規模企業振興基本計画などに関すること)TEL:0852-22-5288
FAX:0852-22-5781
E-mail:keiei@pref.shimane.lg.jp