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県内大学生による起業家情報の発信事業

 県内の起業に関心を持っている方等に向けて、県内起業家の魅力などを情報発信するため、島根大学法文学部の学生と島根県立大学総合政策学部久保田典男研究室の学生により、起業家や創業者を直接取材し記事作成を行う事業を実施しました。

 なお、この事業では、大学生が起業家や創業者への取材経験により、起業への想い、島根で起業する理由など、起業家マインドを学ぶ機会にもつながっています。また、記事作成にあたっては、ローカルジャーナリストの田中輝美様と本宮理恵様(株式会社MYTURN)に学生への指導、監修に携わっていただいたことも特徴となっています。

 起業家や創業者のお話を伺い、学生が何を感じたのか、是非ご覧ください。

 

取材先

 合同会社昊昌林協

 代表

 岩本孝昭

 

林業で地域の安全を守る

取材風景

 

 私は島根県邑南町にある合同会社昊昌林協に取材を行いました。まず「昊昌」の文字を見て皆さんは読めるでしょうか。正解は「こうしょう」と読みます。これは昊昌林協の代表である岩本さんのお子さんの漢字の頭文字を取って会社の名前を決めたそうです。ところで林業という言葉を聞くと、危険や怖いイメージが今貴方の心の中で想像したのではないでしょうか?岩本さんは安全を第一とし自然と木材に対して感謝する心を大切にして日々活動されています。

 

■なぜ島根県邑南町で起業をしようと思ったのですか。

 それは小さい会社でもできる事をしていきたいから起業を決心したんですよ。邑南町はせまいコミュニティの中で広い自然環境があるため個人で依頼してもなかなか手が回らない現状です。また大企業に勤めてしまうと売り上げに囚われてしまい、自分のやりたいことが狭まってくることに不安を感じました。そうした問題点を考慮し邑南町で起業しようと考えました。また起業自体多くの仲間がサポートしてくれたので、人との出会いに感謝しています。

 

■起業した時、不安だったことはなんですか。

 主に二つありますね。一つ目が人材不足で一年以内に辞める人がかなり多いことなんだよね。対策として、その人の作業量にあった仕事を与える育成プログラムを行っています。現代の若者は分からない質問をしないから結果的に面白くなくなって辞職してしまう。それを防ぐためにその人に合った仕事量にあったことを任せているんだ。二つ目はやっぱり費用が掛かることですかね。伐採した木を運ぶための機械が一台なんと数千万円するんですよ。だからいかにコスパを上手に利用していくかが、カギになります。

 

■会社の経営理念はなんですか。

 うちの経営理念は、安全第一と自然を大切に扱うというこだわりがありますね。安全という箇所については、日々の勤務をケガが発生することない事を念頭に行っています。また木を伐採する時、むやみに切るのではなく予め、どの角度からチェンソーの刃を入れていくかなど想定しています。そうすることで、無駄な木を伐採する必要も無いし環境も守っていけるんだ。こうした積み重ねが事故やケガが起きない大きな理由だと思うよ。

 

■岩本さんにとって林業とはなんですか。

 それは人生の楽しみなんだよね。木を切る時どうしたら効率よく作業ができるかを頭の中で考えたり、安全第一のために仲間と連携し日ごろから林業に対して本気で取り組んでいる。真夏の暑い中自分の体重の数倍する木材を運搬するので疲労でネガティブな気持ちもなるが、地域の住民の方から励ましの言葉をもらってポジティブな気持ちにしている。今後はさらに住民の方から信頼を得て林業を盛り上げていきたいと思っている。

 

■会社概要

・創業年・・・2017年

・会社名・・・合同会社昊昌林協

・代表・・・岩本孝昭

・所在地・・・邑南町市木575番地1

・業務内容

 主に近隣の森林組合の会社などから仕事を頂き作業を行っている。その間に住民の方から木の伐採について相談をうけて、伐採時期の調整などをしています。また、緊急性がある危険な木材や今にも倒れそうな木材はこちらを優先し対応している。また依頼が無くても岩本さんは、木の倒壊の危険性を感じたら住民の方に許可をもらい木を伐採することで周囲の安全を守っている。伐採した木材は市場に持ち運んでいき収益につなげていく。

 

■取材後記

(島根県立大学)岡崎修久

 私は幼少期から自然に囲まれた環境で育ちました。木材から出る匂いは心を落ち着かせてくれる効果があるし、昔から林業に対して興味があったため昊昌林協を選びました。ですが林業の関係者ってチェンソーを持って木を切る仕事で、岩本さんに会うまで林業って怖いイメージが頭の中でありました。しかし、岩本さんに会い取材やプライベートについて話してみると口調が穏やかで頭の中で言葉が整理しやすく爽やかな方でした。それもあってか取材時間はあっという間に一時間半を超え私が帰る準備をしていると、なんと岩本さんが実際に木を切る現場に連れて行ってくれました。現場に入ると、防護服を着て片手にチェーンソーを持つ岩本さんに言葉で表現できないような緊迫感を感じました。現場での作業が終わり車で近くのバス停に送ってくれる時、人生相談について語ったりと有意義な時間を過ごしました。私も将来岩本さんみたいになれるように頑張っていきたいです。

 


お問い合わせ先

中小企業課

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
・商業・サービス業支援係(起業・創業、大規模小売店舗立地法、地域商業等支援事業などに関すること)TEL:0852-22-5655
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・管理係(高度化資金などに関すること)TEL:0852-22-6203
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