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県内大学生による起業家情報の発信事業

 県内の起業に関心を持っている方等に向けて、県内起業家の魅力などを情報発信するため、島根大学法文学部の学生と島根県立大学総合政策学部久保田典男研究室の学生により、起業家や創業者を直接取材し記事作成を行う事業を実施しました。

 なお、この事業では、大学生が起業家や創業者への取材経験により、起業への想い、島根で起業する理由など、起業家マインドを学ぶ機会にもつながっています。また、記事作成にあたっては、ローカルジャーナリストの田中輝美様と本宮理恵様(株式会社MYTURN)に学生への指導、監修に携わっていただいたことも特徴となっています。

 起業家や創業者のお話を伺い、学生が何を感じたのか、是非ご覧ください。

 

取材先

 株式会社イプシロンソフトウェア

 代表取締役社長

 渡部晋司

 

山陰発!デジタルゲームで世界を沸かせたい

イプシロンソフトウェア代表取締役社長

 

 インターネットを通じて山陰から全国、そして世界へと、ゲームを始めとした人々が楽しめるコンテンツの提供を行っている株式会社イプシロンソフトウェア。

 「ゲームを通じて楽しみや達成感をワールドワイドに提供していきたい」そんな思いを胸に経営を行うのが、業界大手企業での勤務を経たUターン起業者、渡部晋司氏である。同氏への取材を通じ、Uターン起業についての心構えや今日に至るまでの略歴について聞いた。

 

■起業を意識したきっかけ、また今の業界を選んだ理由を教えてください。

 子どもの頃からゲームが好きで、エンドロールに自分の名前が載るようになりたいと思っていました。高校生になり自分のマシンを手に入れてから、本格的にコンピュータの勉強を始めました。いざゲームを作るとなった時に、会社ごと作るという道も選択肢としてあるかなと思って。昔から商売っ気が強かったんですよね。やりたいように自分のアイデアだけでゲームが作れたら、売り上げは自分たちだけのものだと思い、東京で準備を進め、起業しました。

 

起業の拠点として島根を選ばれたのはなぜですか?また、島根で企業経営をしていてメリットに感じたことがあれば教えてください。

 拠点は、東京か出身地である島根しか考えていませんでした。大きな決め手になったのは、島根県で実施されている創業支援制度でした。家賃補助から人事・労務関係の相談に至るまで様々なサポートが充実していました。IT系の仕事は、場所を選ばない仕事です。今の世の中、インターネットですぐ話すことができ、テレビ会議もやってますしね。島根にいて一番いいことは、毎月かかる固定費が安く抑えられることですね。

 

起業されるうえでの苦労や大変だったこと、それを踏まえて、これから起業を目指したい方へのメッセージをお願いします。

 起業や独立することは、失敗したときのセーフティネットがない世界に一歩踏み出すことであり、やっぱり怖いです。この事業の内容に反するかもしれませんが、結構つらいです。だからこそ、つらさを受け入れられるだけのやりたいことがあれば、起業は一つの選択肢としてありかなと思います。私もつらさを感じるときがありますが、それ以上に、今では楽しさや幸せが強いです。はじめはどうなるかと思いましたが、ようやく形になってきて、凄く面白いなって思います。

 

企業・および渡部様の今後の展望について教えてください。

 ゲームを作るには多くの資金が必要で、現在、ゲーム以外にも、業務用アプリケーションの開発やメンテナンス事業など様々な仕事を行い、二作目のゲーム開発の準備をしています。

 そして、会社のベースを固めて、いずれは業務のメインを自社開発にしていきたいです。そうして初めて、本当の意味でゲーム会社といえると思っています。また、最終的な目標としては、海外イベントである「E3」の場で、歓声を浴びながら自社開発のゲームを発表できたらと思っています。

 

■会社概要

・創業年・・・2016年

・会社名・・・株式会社イプシロンソフトウェア(Epsilon Software Inc.

・代表取締役社長・・・渡部晋司

・所在地・・・松江市白潟本町13番地4大樹生命松江ビル2

・業務内容

 幅広い世代でゲームが親しまれるようになった現代において、「コンピュータでもっと楽しい毎日を!」をコンセプトに、ゲームやWebアプリケーションなどのソフトウェアを中心に自社開発および受託での開発を行う。2016年には自社開発製品第1作となる[Pizzaverse]をリリースし、東南アジアやロシアを中心に現在、世界で約16万ダウンロードされている。

・HP・・・https://www.epsilon-software.co.jp/(外部サイト)

 

■取材後記

(島根大学)北森洸希

 取材に入る前、社風についてお話をいただいた。同社は、元々技術職である社長の意向により、評価において年齢や学歴、性別を問わない実力至上主義な会社であるという。「フェアであるが厳しい世界である」と渡部氏自身も考えており、同氏も現場仕事に携わりながら、チェックや指導を通じて社員の技術向上に努めているという。

 また、社長が社員と同じ目線に立ち、意見を積極的に取り入れることを意識した会社づくりが多く見受けられた。そこから、同社は業務を通じて社員が技術職として成長できる場なのだと感じた。

 当記事のタイトルを「世界を沸かせたい」としたのは、渡部氏から感じた、自分たちのゲームで世界中の人を盛り上げたいという思いを伝えられればと思ったからである。渡部氏のように、つらさや大変さを乗り越えられるだけの希望があるとき、その実現のために挑戦することの大切さこそが、当取材で私が得た起業家マインドである。私は教員と一般企業就職という進路希望を持っている。これからインターンシップや実習などで忙しく、大変なことも多いと思うが、なりたい自分への希望を持って努力していきたいと考えている。

 

取材風景1取材風景2


お問い合わせ先

中小企業課

〒690-8501 島根県松江市殿町1番地
・商業・サービス業支援係(起業・創業、大規模小売店舗立地法、地域商業等支援事業などに関すること)TEL:0852-22-5655
・金融係(県内中小企業に対する融資、貸金業法及び割賦販売法、信用保証協会などに関すること)TEL:0852-22-5883
・管理係(高度化資金などに関すること)TEL:0852-22-6203
・商工団体係(中小企業等協同組合法、事業継続力強化アドバイザー派遣事業などに関すること)TEL:0852-22-6554
・経営力強化支援室(事業承継総合支援事業、経営革新計画、中小企業・小規模企業振興基本計画などに関すること)TEL:0852-22-5288
FAX:0852-22-5781
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