島根の代表的な漁業種類についての説明です。
島根の漁場マップはこちらをご覧下さい。
夜間の集魚灯に集まってくる、イワシ、アジ、サバなどの魚の群を、網で巻いて漁獲します。網の形からきんちゃく網とも呼ばれており、網をたぐる網船、魚の群を探し集魚灯で集める灯船、漁獲した魚を港まで運ぶ運搬船で船団をつくり操業しています。島根県の漁業の中でこの漁法による漁獲が最も多く、全体の80%以上を占めています。
海底の魚を網でひいて漁獲します。大きく分けて小型底びき網と沖合底びき網の2種類があります。底びき網漁業では主にカレイ、ヒラメ、タイ、ニギス、イカなどを漁獲しています。
小型底びき網は1隻で操業し、菱形の形に投網して網を曳き、かけまわしと呼ばれます。9〜14トンの漁船で主に浜田〜隠岐の水深80〜200mの海域で操業します。
沖合底びき網は2隻で網をひくため2そうびきとも呼ばれます。60〜90トンの船で操業し2そうで片側約1200mの長さのロープで網をひきます。沖合底びき網の漁場は九州〜隠岐島周辺の海域です。
海岸近くの魚の通り道に網を垣根のように設置し、回遊魚を待ち受けて漁獲します。回遊してくる魚は通り道に網があると、その網に沿って沖の方へ泳いでゆき、身網の中に入って出られなくなります。イワシ、アジ、タイ、ブリ、イカなど沿岸を回遊してくる色々な魚がとれます。
50〜135トンの漁船を使用し、餌を入れたかごをロープに一定間隔で付け、海底に沈めて中に入るカニ類を漁獲します。漁場は隠岐島周辺およびその北方海域で、ズワイガニは水深200〜300m、ベニズワイガニは水深1,000〜1,500mで操業されます。漁期はズワイガニかご漁が11月下旬〜2月、ベニズワイガニかごが9〜6月となっています。ベニズワイガニは全国でも1位の生産量があります。
同じような操業形態で、水深180〜250mのエッチュウバイ(巻き貝)を漁獲するばいかご漁業もあります。ばいかごは主に小型底びき網の兼業として底びき網の休漁期の6〜9月に操業されます。
魚が回遊する道に、目に見えないような細い糸で編んだ網を仕掛け、魚を網の目に刺したりからませたりして漁獲します。県内の沿岸ではほとんどの地域で操業されており、ブリ、トビウオ、アマダイ、キス、ヒラメなどを獲っています。
一本釣り漁業は5トン前後の小型の漁船を使ってタイ、ヒラメ、ブリ、メバルなどを釣る漁法です。沿岸の瀬(海底に隆起した岩礁)や人工魚礁で操業されます。1本釣りでは釣り針は1本から50本ぐらいです。
はえなわ(延縄)漁業は釣り漁業の1種で、幹縄に多数の枝縄を付け、この先端に釣り針をつけた漁具を横に長くのばして設置し、魚を漁獲します。
はえなわ漁業では、釣り針の数は全部で500本にもなります。はえなわ漁業では、タイ、アマダイ、フグ、カサゴ類などが漁獲されます。
イカ釣りは夜間に集魚灯をたき、その光に集まってくるスルメイカやケンサキイカ、ヤリイカなどイカ類を釣り上げる漁法です。県内各地の沿岸域で数トン〜19トンの漁船を使用して操業され、沿岸の中核的な漁業となっています。
シイラ漬け漁は、シイラなどの回遊魚が海上の浮遊物に集まる習性を利用した漁法です。竹を集めて作った「漬け(づけ)」と呼ばれる人工の浮遊物に標識を付けて海に浮かべ、その漬けに集まってきたシイラ・ハマチ・ヒラマサ等の回遊魚を網で囲んで漁獲します。
シイラ漬けは小型底びき網が休業する夏期に、操業されます。
海岸近くの浅いところで、アワビ、サザエ、ウニ、ワカメ、モズク等を獲ります。
島根県では、船の上からのぞき眼鏡で獲物を探し、やすのような漁具で獲る「かなぎ漁」が主ですが、地域によっては素潜りでアワビ・サザエ・ウニなどをとる素潜り漁も行われています。
海に行って網や釣りで魚を漁獲するのと違い、稚貝や稚魚などを網生け簀(いけす)やかごに入れて、餌をやり大きく育てます。
養殖には波の静かな海域が必要なため、県内では主に隠岐島や島根半島などの内湾がある地域で行われています。県内では古くから行われているものとしてワカメ養殖があります。また、新たに、イワガキ養殖が盛んに行われています。
島根県の宍道湖は、日本有数のヤマトシジミの産地です。宍道湖では「じょれん」と呼ばれる長い熊手のような漁具を船の上から引いて湖底のシジミを漁獲します。
宍道湖のシジミ漁業においては資源保護のため、じょれんの網目の大きさや1日の漁獲量、休漁日、禁漁区などの様々な取り決めを定めて操業しています。
水産技術センター
島根県水産技術センター(代表) 〒697-0051 浜田市瀬戸ヶ島町 25-1 TEL.0855-22-1720 FAX.0855-23-2079 E-Mail: suigi@pref.shimane.lg.jp