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仕事始め式教育長挨拶

 明けましておめでとうございます。

 皆様にはどんな新年を迎えられたことでしょうか。

 

 暗い世相の中ではありますが、きっと家族の皆さんと新年の無病息災を祈られたことと思います。また、皆さんの家族の中には受験の方もおられると思います。こうした来るべき新しい転機の好結果、成就をお祈りします。失業、ホームレスをはじめとする経済困窮者には政府により一刻も早く、憲法が保障する社会的生活が回復されることを祈りたいと思います。

 

 さて、新年を寿ぐ(言祝ぐ)ことの本来の意義は、「迎春」に象徴されるように「春」すなわち植物、特に農耕、食糧となる植物の復活を願い、そして寿ぐ(言祝ぐ)ところにあります。言霊思想でいえば「祈り、願い、それを言葉にすることで現実が実現するところを願うこと」であります。そこから派生して、新年の諸事の祈願、神社仏閣へのお参りとなりました。

 

 さて、私は教育長就任4年目となります。就任以来、様々な言葉で皆さんに語ってきました。

 曰く、「知、徳、体の教育の基礎に豊かな心を置きたい。豊かな心とは美しいもの、神秘なものに感動する心。スポーツや芸術に感動する心。卑怯を恥じる心。弱いものをいたわる心。他人の気持を思いやる心。」

 「感性を磨けば人生が楽しくなる。知性を高めれば人生が豊かになる。」

 曰く、「今日の社会問題や教育課題は複合的に入り組んでいる。その解決のためには、的を射た対策とともに、問題、課題が複合的なるが故に総合的、根源的(ラジカルな)対策が必要。そしてそのためにはスピードとパワーだ。」

 曰く、「教育課題の解決のためには現場の管理統制を強めることでなく、現場を励まし、現場で最大限の力が発揮できるよう考えていきたい」

 曰く、「情報の受信力を高めよう。生徒達に対する教師として自らの感性と知性を磨こう。」などなどであります。

 

 私は、昨年還暦であり、2度の入院を経験しました。いわば、一旦人生をリセットした訳であります。大げさにいえば蘇生しました。こうした年を経て、今思っていることは、リセットした、蘇生したこれからの生き方をより自分の考えに忠実にしていこう、考えたことをよりシャープに発言し、行動していこうということであります。私は昭和23年生まれの団塊の世代のド真中であります。私達の世代は人数が多いが故に、そして戦後復興期のもののない時代から高度成長期を厳しい生存競争で生きてきました。定年を迎えて高齢者といわれる世代に仲間入りする訳でありますが、かつて社会のあり様を形成した世代です。もう一度社会のあり様に積極的にコミットメントしたいという思いがあります。

 

 こうした諸々の点を含め、本年は今まで語ってきたキャッチコピーのより一層の周知徹底を図りたい。そのために、今までより相当強いラディカリズムで事に当たりたいと思います。

 時には激しい言葉を使うかもしれません。皆様に受け入れられず孤立するかもしれない。しかし、前述したように、情況を切り開いていくためには、強力なスピードとパワーが必要であり、この3年の経験から考えると、その力はより一層強くあらねばならないと思うものであります。

 

 「明るく、伸び伸びとした活力ある組織」とも申してきました。すべからく問答無用のファシズムで事に当たるつもりは毛頭ありません。自由に提案できる建設的な文化を育て、大いに議論しましょう。発案、提案、討議に当たっては役職は関係ありません。皆が有資格者です。そして基礎、基本、原点に留意しながら、全職員が一丸となって今年も島根の教育を進めていきましょう。

 

 私達が地域振興の理念として掲げてきた言導に「前傾姿勢」があります。これは常に重心を前にかけて一歩前に足を踏み出す積極姿勢を求めるものであり、結果的に倒れることがあっても、後ろに倒れるのではなく前に倒れろ。前に倒れるものには救いの手をさし伸べようというものであります。新めてこのスタンスをとりあげたいと思います。

 

今年もどうかよろしくお願いいたします。


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