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教育長訓辞:令和3年度公立学校管理職辞令交付

 新型コロナウィルス感染症の感染防止の観点から、辞令交付式を中止いたしましたので、書面によりお届けします。

 

 市町村立小中学校および県立学校の管理職として、採用、昇任された皆様に心からお祝いを申し上げます。

 

 さて、人口の減少が日本全体の大きな課題となる中、島根県では「人口減少に打ち勝ち、笑顔で暮らせる島根」の実現を目指し、「島根創生計画」による取組を進めています。「島根創生」の実現には、島根が好きで、島根に暮らす未来を考え、島根で将来の自分の役割に思いを馳せる子どもを増やすことが大切です。このような人材の育成には、教育の果たす役割が非常に重要であり、教育に寄せられる期待はとても大きなものとなっています。

 一方、昨年来、世界中で感染が続いている新型コロナウイルス感染症は、私たちの暮らしや経済に大きな影響を及ぼしています。長期化するコロナ禍により、教育の世界においても、これまで当然のことと考えられていた認識や価値観を問い直すことが求められています。

 人工知能を始めとする急激な技術革新やグローバル化の一層の進展など、社会が急激に変化する中、学校を取り巻く環境も大きく変わりつつあります。児童・生徒の安心安全な学校生活の確保、学びを止めない環境づくり、教職員の働き方改革、地域社会との連携の強化なども含め、複雑化・多様化する学校経営の責任者としての皆様のマネジメントは、ますます重要になっております。

 このような状況の中、管理職としてこれから学校経営に取り組んでいかれる皆様に、三つのことをお話したいと思います。

 

 まず、「しまね教育魅力化ビジョン」、特にその「基本理念」についてです。

 基本理念は、「ふるさと島根を学びの原点に未来にはばたく心豊かな人づくり」としました。子どもたちが自身の育った地域との確かな絆を原点として主体的な学びを立ち上げようとする島根県の「教育の魅力化」の取組は、その教育上の意義や先進性を「ふるさと島根を学びの原点にもつ」という視点からとらえることが重要である、との考えから「原点」という言葉を選択しました。

 ふるさと島根での学びを自らの原点にもつ人は、県内に留まり島根の未来を創る人や、どこにいても島根を想う人、あるいは世界を島根に呼び込もうとする心豊かな人に育ちます。島根に育ち学んだ自信を胸に、自らの人生と未来を切り拓き、夢や希望を実現させたいという思いを、各学校の教育に関わるすべての人が共有し、これまで取り組んできた「ふるさと教育」「地域課題解決型学習」「キャリア教育」そして「教育の魅力化」の考え方、実践の方向性をよく理解、消化され、魅力ある学校づくりにご尽力いただきたいと思います。

 

 次に、教職員の働き方改革についてです。学校が抱える課題が複雑化・多様化する中、教職員の長時間勤務は看過できない状況であり、解決すべき喫緊の課題となっています。そこで、島根県教育委員会では、「教職員の働き方改革プラン」を策定し、重点的な取組を進めているところです。各学校においては、子どもたちと向き合う時間を確保し、きめ細かな指導と授業の質の向上を目指し、長時間勤務の是正とワーク・ライフ・バランスの適正化に努めていただきたいと思います。そのためには、管理職が働き方改革を進めるための舵取り役になって、目指す方向に教職員のベクトルをそろえること、そして教職員一人一人が自らの働き方を見直し、できることから一つ一つ着実に進めていくことが重要となります。

 教職員一人一人の活力が、子どもたちに魅力のある教育を提供する力の源泉になります。保護者や地域のご理解とご協力を得ながら、「生き生きと働きやすい職場づくり」に取り組んでいただきたいと考えています。また、同時に、心に悩みを抱える教職員に寄り添うとともに、教職員の悩みや問題を相談できる校内体制づくりにも努めていただきたいと思います。県教育委員会といたしましても、このような取組に対してできる限りの支援を行ってまいります。

 

 三点目として、管理職の皆様には、学校経営の中で、「成果の見える学校づくり」を意識していただきたいと思います。「成果」という言葉に違和感を持たれるかもしれませんが、一つには、「成果を出すこと」(たとえば、児童・生徒が夢や志の実現に近づき、達成感を得ること)、そして二つ目には、「そうした成果を教職員が皆で喜び、共有すること」。こうした思いであります。
児童・生徒が日々、成長していくように、学校経営においても日々、何らかの成長があるはずです。コロナ禍により、どうしても課題の対応や問題の解決などに意識が集中しがちになるものと思いますが、管理的な立場にある皆様が、よい面、よい成果にもしっかりと目を向け、その共有を図っていただき、チーム学校としての成果につなげていただきたいと思います。

 皆様には、管理職として、保護者や地域の方々と連携しながら、学校の管理・運営、人材育成などの円滑な学校運営をお願いすることになります。すべての教職員との意思疎通に努めていただき、組織力・総合力が発揮される学校、また教職員が悩みを相談し合えるような、風通しのよい、温かい学校となるよう努めていただくことを期待します。

 

 おわりに、遠隔の地に赴任される方もおられますが、どうかご自身の健康には十分留意され、児童・生徒や保護者、そして地域から信頼される学校づくりのために、大いに活躍されますよう祈念いたしまして、訓辞といたします。

 

 令和3年4月1日
 島根県教育委員会教育長
 新田英夫


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