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教育長訓辞:平成31年度県立学校長辞令交付式

 ただいま、県立学校の校長として、20名の方に辞令を交付したところですが、12名の方は初めて校長に就任されました。心からお祝い申し上げます。
さて、人口減少問題が日本全体の課題となる中、島根県においても地域の将来を担う人材の育成は重要な課題となっており、教育に寄せられる期待はとても大きなものとなっています。
このような状況の中、校長としてこれから学校経営に取り組んでいかれる皆様に、2つのことをお話ししたいと思います。
まず、「教育の魅力化」についてです。

 島根県教育委員会が進めている「教育の魅力化」の取組は、新しい学習指導要領とも深い関連があります。この点について、新しい学習指導要領においては、子どもたちがこれからの時代を生き抜いていくため、大きく2点が示されました。

 一つには、「主体的・対話的で深い学び」の実現を図ることです。そして、その学びによって育成する資質・能力は、「知識・技能」、「思考力・判断力・表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱で整理されています。

 二つめは、「社会に開かれた教育課程」を掲げ、よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創るという目標を、学校と社会が共有しながら連携・協働して実現していくことを目指している点です。
島根県ではこれまでも地域と連携・協働しながら「教育の魅力化」に取り組んできました。本県が目指す「教育の魅力化」とは、学校と地域社会がその目標を共有し、協働を図りながら、島根の教育をよりよいものに高めていくことだと考えます。そうすることで、島根の子どもたち一人一人に、自らの人生と地域や社会の未来を切り拓くために必要となる「生きる力」を育みます。新学習指導要領が目指す学びの姿は、この「教育の魅力化」と方向性を同じくするものだと考えます。

 離島・中山間地域の学校だけでなく、市部を含めたすべての学校が、この考え方を地域社会と共有するとともに、皆様には、豊かな自然、歴史・伝統、文化といった地域それぞれの魅力や教育資源を生かしながら魅力ある学校づくりにご尽力いただきたいと思います。

 次に、教職員の働き方改革についてお話しします。学校が抱える課題が複雑化・多様化する中、教職員の長時間勤務は看過できない状況であり、解決すべき喫緊の課題となっています。そこで、島根県教育委員会では、「教職員の働き方改革プラン」を策定し、今年度からこのプランの実現を目指します。各学校においては、子どもたちと向き合う時間を確保し、きめ細かな指導と授業の質の向上を目指し、長時間勤務の是正とワーク・ライフ・バランスの適正化に努めていただきたいと思います。そのためには、管理職が働き方改革を進めるための舵取り役になって、目指す方向に教職員のベクトルをそろえること、そして教職員一人一人が自らの働き方を見直し、できることから一つ一つ着実に進めていくことが重要となります。

 教職員一人一人の活力が、子どもたちに魅力のある教育を提供する力の源泉になります。疲弊した教職員からよい教育は生まれません。「働き方改革」は、難しい課題であるけれども、取り組む意義は極めて大きいものです。

 保護者や地域のご理解とご協力を得ながら、「生き生きと働きやすい職場づくり」に取り組んでいただきたいと考えています。また、同時に、心に悩みを抱える教職員に寄り添うとともに、教職員の悩みや問題を相談できる校内体制づくりにも努めていただきたいと思います。

 全ての教職員一人一人が明るく活気にあふれ、教育者としての自覚を高め、決しておごることなく、高い志と高潔な行動により児童生徒・保護者・地域住民の方と向き合っていただきたいと強く願うものであります。

 皆様には、学校の責任と権限を担う校長として、保護者や地域の方々と連携しながら、学校の管理・運営、人材育成などの円滑な学校運営を託すことになります。教頭や事務長をはじめ、すべての教職員との意思疎通に努めていただき、組織力・総合力が発揮される学校、また教職員が悩みを相談し合えるような温かい学校となるよう努めてください。

 おわりに、遠隔の地に赴任される方もおられますが、どうかご自身の健康には十分留意され、生徒や保護者、そして地域から信頼される学校づくりのために、大いに活躍されますよう祈念いたしまして、訓辞といたします。

 

平成31年4月1日
島根県教育委員会教育長

新田英夫


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