県議会答弁:令和8年2月定例会(須山議員質問分)令和8年3月2日

(議員質問)

 高等学校等教育改革促進事業の概要について伺う。また、この事業で国からどの程度の事業費が配分されると見込まれているのか、また、今後のスケジュールについて伺う。

(教育長答弁)

 この事業は、昨年5月、経済財政諮問会議での大臣提出資料にある2040年の産業構造・就業構造推計を受けて、一つには地域の経済社会を支えるエッセンシャルワーカーの不足が懸念されること、二つにはいわゆる理数系人材の不足が懸念されること、三つには少子高齢化などによる地方の過疎化が一層深刻になることに対して地理的アクセスを踏まえた多様な学びの確保が重要であることという3つの課題に対応するため、各都道府県に基金を設置し、高校教育改革先導校、いわゆるパイロット校を1県当たり3校、創出するものであります。

 国の予算額は2900億円余りですので、単純な割り戻しを行いますと1校当たり20億円余りとなり、3校全体で60億円程度を上限として、各都道府県に基金造成のための補助があると文部科学省から説明を受けております。

 先月13日、この事業に関する国の「高校教育改革に関する基本方針」いわゆるグランドデザインが示され、その後、この事業に関するご質問のあった19日の代表質問が終了した後に公募概要が示され、あわせてその説明がございました。国への申請は、2月下旬、3月下旬、5月中旬と3回のうちいずれかで申請することとなります。本県では、5月の最終申請に向けて具体的にどの様な申請としていくのかを検討しているところでございます。

(議員質問)

 「アドバンスト・エッセンシャルワーカー等育成支援」に該当する高校とはどのような高校で、県内に何校あるのか伺う。また、同様に「理数系人材育成支援」、「多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保」についても伺う。

(教育長答弁)

 「アドバンスト・エッセンシャルワーカー等育成支援」の類型は、将来の就業構造や職種間のミスマッチで示されている現場人材の不足に対応するものですので、専門高校13校における取組が合うのではないかと思っております。

 「理数系人材育成支援」の類型は、事務職の余剰、専門職の不足から、大学卒業者の文系人材の余剰、理数系人材の不足に対応するものですので、文理融合のカリキュラムに取り組むことが出来る、普通科高校22校における取組が合うのではないかと思っております。

 「多様な学習ニーズに応じた教育機会の確保」については、少子化が加速する地域における高校教育の維持や学びのアクセスの確保などに対応するものですので、遠隔授業の配信、不登校生徒や日本語指導が必要な生徒など教育上の配慮が必要な生徒への学びの支援が出来る体制を整えられる高校が合うのではないかと思います。

 現時点で、どの高校にするのかは私自身全く決めておりませんが、今申し上げた方向で検討を進めております。

(議員質問)

 具体的な対象経費が不明確であること、3年間の事業期間終了後の継続性、モデル校以外への横展開に向けた予算が示されていないといった同事業の諸問題について、国はどのような所見を持っているか伺う。

(教育長答弁)

 文部科学省からは、グランドデザインを踏まえ、高校教育改革の内容と一体不可分な施設整備や教育改革の取組に資する委託費、外部人材、非常勤職員等の人件費などに係る経費を対象とするが、教育改革に結びつかない施設整備や正規の教職員の人件費、交付決定前の着手分などの経費は対象とならないという説明を受けております。

 この事業終了後については、基金の執行状況等を踏まえ、交付金等の新たな財政支援の仕組みを9年度予算の編成過程で検討するとの説明も受けておりますので、この交付金等の活用ができるかどうか国の動向を注視してまいります。

 いわゆるパイロット校以外の高校への横展開に関する経費にはこの事業を充てることはできませんが、最先端の設備等を導入し、他の高校だけでなく、中学などにも、土曜・日曜、長期休業中などに開放することや、授業や講習などを行う際、広く声をかけて参加を促し、その様子を配信するなどパイロット校での取組の波及に努めてまいります。

(議員質問)

 同事業により「遠隔授業を活用した学び」を目指し、小規模になってもなるべく地域に高校を存置させる意図も伝わってくるが、所見を伺う。

(教育長答弁)

 議員がお取り上げになったとおり、3つ目の類型の取組の具体例の一つに遠隔授業の推進が示されております。

 県教育委員会では、生徒数が少ないために配置される教員数が限られ、生徒の学習ニーズや習熟度に合わせた質の高い教育を行うことができないといった課題に対応するため、今年度から、専門教員による遠隔授業を国の委託事業を活用して実施しておりますが、この国の委託事業が3つ目の類型の取組の一つに発展したものと考えております。

 県立高校の配置に関する考え方につきましては、昨年9月議会の議員からの代表質問にお答えしましたとおり、東西に長く、中山間地域・離島を抱える本県では、それぞれの地域において定住促進のため、普通科高校をできる限り通学できる範囲内に配置する必要があるとの基本的な考え方に変わりはございませんが、更なる少子化によりクラスの人数が少なくなることで、生徒同士の話し合いやグループによる協働的な学びが制限されるといったことが懸念されます。

 こうした課題に対して、遠隔授業の技術を活用いたしまして、例えば、一つの授業を複数校に同時に配信するなどして、授業単位では受講している人数を一定程度確保することで、生徒同士の切磋琢磨できる環境を整えることなども考えられます。

 このような取組により中山間地域・離島における高校の存続の一助となるよう、質の高い学びについて研究してまいります。

(議員質問)

 群馬県の「不登校」を「ユニパス」に名称変更する取組の経緯について伺う。

(教育長答弁)

 群馬県にお伺いしたところ、不登校の「不」という響きには、否定的なニュアンスが伴い、受け取る側に、ネガティブな印象を与える場合があるため、子どもたち一人ひとりの背景を理解し、多様性を認めるような前向きな言葉を使い、新しい名称を群馬県から発信しようというお考えから、議論を重ねてきたと伺っております。

 この「ユニパス」という言葉は、不登校という言葉に違和感を覚えた高校生からの提案によるとのことでございました。

(議員質問)

 「学校に通えない状態」をそれぞれの状況や学び方を尊重し、前向きに理解する社会へと変えていくことについて、県としての所見を伺う。

(教育長答弁)

 学校での不登校の対応におきましては、子どもが教室に入りづらい、休みがちになるなど、不登校の兆候が見られた際に、担任など教員だけではなく、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの専門家と連携し、それぞれの状況を多角的に把握していくことが大切であります。状況によっては、学びを押し付けないことも支援の一つではありますが、学びに向かえる子どもたちには、状況に応じた教室以外での学びの場がございます。学校内では空き教室などを利用した校内教育支援センター、学校外では市町村教育委員会が設置する教育支援センター、民間機関としましてはフリースクールなどがあり、それぞれが教室以外の学びの選択肢として活用されております。

 不登校は、すべての子どもたちに起こりうるものでございます。子ども自身が学校に行けないことで自責の念に苦しんだり、保護者の方が自分の子どもが不登校であることに負い目を感じたりすることがあってはなりません。しかしながら、不登校の子どもたちが増加していることなどが話題になると苦しい思いをすることがあると保護者の方をはじめ、関係の方々から伺っております。

 県教育委員会としましては、引き続き、市町村教育委員会の取組に財政支援を行うほか、いわゆる教育機会確保法の理念のもと、不登校というだけで問題行動であると捉えられるようなことがないよう、学びの選択肢をはじめ、様々な支援について情報発信に努めてまいります。

(議員質問)

 メタバース空間を活用したオンラインによるフリースクールに対しても県教委として積極的に支援を行う必要があると考えるが所見を伺う。

(教育長答弁)

 議員がお取り上げになった民間機関による不登校支援の取組については、運営の詳細までは把握しておりませんが、今後、オンラインフリースクールを立ち上げる予定であるとは聞いております。詳細がわかりませんので一般論でございますが、オンラインということであれば、石見地域など、現在、フリースクール等連絡協議会への参加施設が少ない地域の子どもたちにとっても学びの機会の確保につながることが期待されます。

 この施設に限らず、県内を拠点とするオンラインフリースクールについても、出席認定や学習評価など、学校と連携する意思を確認し、本協議会への参加を呼びかけ、連携を進めていきたいと考えております。

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