県議会答弁:令和8年2月定例会(白石議員質問分)令和8年2月19日
(議員質問)
小学校時代に全ての子どもに読む力、書く力、計算する力をしっかり身に着けさせる大切さについて、所見を伺う。
(教育長答弁)
私は教育長に就任以来、一貫して「子どもたちの選択肢を拡げる」「子どもたちの将来の選択肢を大きく拡げる」と申し上げてまいりました。
そのためには、基礎的な学力を身に付けることが進路の選択や実社会での生活で困らずに生きていくことの源になると考えております。
基礎学力として私が重視するのは、議員と同じく、いわゆる「読み書きそろばん」であり、それぞれ次の理由からであります。
第一に、読む力、書く力は、すべての学びの土台となる力であります。子どもたちが自分の考え、思いを頭の中できちんと整理し、理解を深めた上で自分の言葉で伝える、あるいは尋ねるといった行為を、私はこれまで「自分の言葉化」と表現してまいりました。物事について、根拠をもって、筋道を立てて考えるためには、自分の考えを言葉で整理し、相手に伝えたり、相手の考えを理解したりする力が不可欠であります。こうした「自分の言葉化」は、学力だけでなく、人と関わり、協働していく力の基盤でもあります。
第二に、計算する力を含む算数の基礎は、その後の論理的な学習を支える基盤であります。算数・数学は積み上げの教科であり、小学校段階でのつまずきは、その後の学習内容の理解に大きく影響を与えます。例えば、かけ算やわり算の定着が不十分なまま進級すると、割合や方程式などの学習につまずくことが見られます。このため、基礎・基本を学ぶべき該当学年のうちに、確実に身に付けさせることが大切であります。
全ての子どもたちにこれらの力を確実に身に付けさせるためには、つまずきを早い段階で把握し、支援につなげることが重要であります。
県教育委員会では、小学校低学年段階からの基礎学力の育成を重視し、子どもたちの学びの状況を把握し、授業改善や個に応じた支援につなげる取組を進めるため、令和4年度より3か年で「しまねの学力育成プロジェクト事業」を実施しました。
また、今年度から「小学校理数教科指導力向上プロジェクト」を算数で実施し、来年度は理科をも加えて実施いたします。
こうした取組により、子どもたちが分からないまま、学習が進むことを防ぎ、「分かる喜び」を実感できる授業づくりにつなげていくことが大切であると考えております。
全ての子どもたちが「できた・わかった・やってみたい」と実感しながら、基礎学力をしっかり身に付け、自信を持って次の学びへ進むことができるよう、市町村教育委員会や学校と連携しながら、基礎学力の確実な定着に、引き続き、取り組んでまいります。
(議員質問)
「たつじんテスト」をどう活用し、どのように日常の教育に取り入れているのか伺う。
(教育長答弁)
このテストは、一般的な学力調査では測りきれない「言葉・語彙」「数・形・量」「考え方・推論」といった、全ての学習の土台となる力について、児童生徒一人ひとりの理解状況を把握するものであります。
例えば、両端に0と100が書かれた線の上で18のおよその位置に印をつけさせる問題があります。こうした問題への回答状況を見ることで、児童が数の相対的な大小をどの程度理解しているかを確認することができます。その結果を踏まえ、単に計算ができないことに留まらず、その背景にある概念の理解状況などを教員が把握し、指導に生かす手立てとして活用しております。
学校では、テスト実施後に結果を確認し、どの内容でつまずきが見られるのかを分析した上で、校内で共有し、「ほとんどのことが理解できていない子ども」、「言葉の理解は十分であるが計算が苦手な子ども」、「逆に、計算はできるが文章の意味が理解できていない子ども」といったようにつまずきの正体を確認して、一人ひとりの指導の工夫につなげております。
具体的には、分数の理解につまずきが見られる場合には、図や具体物、視覚的な教材を活用するなど、児童生徒の理解を助ける工夫を日常の授業の中に組み入れております。
また、小学校4年生や5年生で割合や分数につまずきが見られる児童について、誤った解答を手がかりにどの段階で理解が難しくなっているのかを分析した結果、2年生で学ぶかけ算の意味や数量をまとまりで捉える理解が十分でない場合があることも分かってきております。
こうした結果を踏まえ、低学年の段階で具体物を操作しながら数量のまとまりを丁寧に理解させるなど、あらかじめ、つまずきを生じにくくする指導の工夫につなげ、発達の段階を踏まえた授業づくりに生かしております。
このような各学校で検討された支援方法や授業改善の取組をWebシステムに蓄積し、全ての学校が閲覧できるようにしております。他校の取組を参考にしながら日常の授業改善に活用しております。
児童生徒一人ひとりが学習の中でつまずきを抱えたままにならないこと、また、つまずきが見られた場合には一人ひとりに応じた支援を行い、できるだけ早く、つまずきを解消することが重要であります。
私は、市町村教育長さん方との会合で、数回にわたって、たつじんテストの結果の共有や支援の取組事例の紹介を行っておりますし、先日の市長会の場においても、たつじんテストの概要を説明して、予算措置をお願いし、学校設置者としての責任として、児童生徒みんながたつじんテストを受けて、その成果を活用してはいかがでしょうかと提案しております。
たつじんテストを通じて、適切な指導や支援につなげることで、子どもたちが分かる喜びを実感し、自信をもって学べる環境づくりに、引き続き、市町村教育委員会と一緒になって取り組んでまいります。
(議員質問)
インクルーシブ教育を進めて行く覚悟と、そのためにどのような準備をし、先生たちに理解をしてもらうのか、他にも様々あるハードルをどうクリアしていく考えなのか伺う。
(教育長答弁)
インクルーシブ教育システムの推進のためには、まずは、特別なことをするのではなく、共生社会やインクルーシブ教育システムの考えに基づき、普段行っている授業づくりや学級経営に生かしていくことが重要であります。
県教育委員会が実施した調査では、昨年度、特別支援学級を設置している全ての小中学校において、通常の学級と特別支援学級との交流及び共同学習が実施されています。
また、今年度からは、「LD(学習障がい)のある子どもの多様な学び推進事業」を実施しており、通常の学級に在籍する多様な実態の子どもたちが、お互いを認め合える学習集団の中で、協働して学び合う授業づくりを推進し、障がいのある子どもと障がいのない子どもが共に学ぶことができるよう、取組を進めております。
特別支援学校では、近隣の学校などとの交流及び共同学習や地域と連携した取組を積極的に行っております。
さらに、島根かみあり全スポを契機に、障がい理解を深めていくため、障がいのある人とない人がスポーツを通じて自然な形で関わり合うことができるよう、サン・レイクや少年自然の家での体験に加え、今年度から5つある教育事務所に障がい者スポーツ用具を配備し、学校や地域の方々への貸出を始めました。
インクルーシブ教育を進めるに当たり、全教員を支えることができるような専門性の高い教員による相談体制も継続して充実させてきております。
日常の中で、子どもたち一人ひとりが互いの個性や多様性を認め合い、県のキーフレーズ「誰もが、誰かの、たからもの」、そして、「自分が、誰かのたからもの」、「誰もが、自分のたからもの」と思えるような教育を展開し、障がいの有無を気にすることなく、子どもたちが自然に関わることができるような教育を進めてまいります。
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