県議会答弁:令和7年9月定例会(大屋議員質問分)令和7年9月26日

(議員質問)

 特別支援学校における教職員の日々の指導や努力について、教育長の所感を伺う。

(教育長答弁)

  特別支援学校の教職員は、一人ひとりの状態や、発達の段階の異なる障がいのある子どもの自立と社会参加という卒業後の姿を見据えて、きめ細かな指導と支援を行っております。

このため、外部の福祉支援施設などの関係機関や企業との連携を深めることにも尽力しています。

 このような取組の成果として、高等部卒業時には障がいの程度が重く、病院や施設での生活をしなければならない生徒が一定程度いる中で、4割近くの生徒が企業へ就職し、5割近くの生徒が福祉サービスを利用した就労につながるなど、子ども一人ひとりの希望に応じた自立と社会参加につなげております。

私は、こうした努力を重ね、成果を出している教職員を誇りに思うとともに、その労苦をねぎらいたいと思っております。

(議員質問)

 島根かみあり全スポに向けて、選手育成も急務と思うが、大会の選手候補となり得る生徒が在籍する特別支援学校のスポーツへの取組の現状を伺う。

(教育長答弁)

 特別支援学校においては、体育の授業や部活動を通して、それぞれの障がいの状態に合わせて、スポーツに取り組んでおります。

 全スポの正式競技で言えば、例えば、知的障がい特別支援学校ではサッカーやバスケットなどに、視覚障がい特別支援学校では転がるボールの音を頼りに行う卓球であるサウンドテーブルテニスに、肢体不自由や病弱特別支援学校ではボッチャなどの障がい者スポーツに取り組んでおります。

 また、特別支援学校全12校で、9月に特別支援学校スポーツ大会を開催し、部活動に参加していない生徒も含めてサッカー、フットサル、バスケット、卓球、ボッチャの5競技で試合を行っております。

(議員質問)

 特別支援学校に在籍する障がいのある子どもたちが、スポーツに取り組む環境として十分だと考えるのか、所見を伺う。

(教育長答弁)

 5年後に控えます島根かみあり全スポをきっかけとして、障がいのある人とない人がスポーツを通して自然な形で関わり合うことや、障がいのある人がごく自然に社会に参加していくことを促し、障がいに対する理解を深め、共生社会の形成に向けていきたいと考えております。

 その点においては、まだまだ十分とは言えず、特別支援学校のスポーツ環境や設備を充実させていくことと、障がいのない人が障がい者スポーツに触れる機会を拡充していくことが重要と考えております。

 そのため、今議会において、障がい者スポーツ用具の整備に関する予算案を提出させていただいております。

(議員質問)

 整備するスポーツ用具をどのように活用しようと考えるのか、所見を伺う。

(教育長答弁)

 まず、特別支援学校の幼児児童生徒がスポーツに関わることがもっと増えるように、特別支援学校に、ボッチャやサウンドテーブルテニスの用具を充実させるとともに、バウンドすると音が鳴るボールを使ったテニスや、鈴の入ったバスケットボール大のボールでゴールを狙うゴールボールなどのスポーツ用具を配備いたします。

 また、各教育事務所にフライングディスクやボッチャなどのスポーツ用具を配備し、そこから小中学校での授業や公民館での活動、企業研修等で利用していただくために貸出しを行い、広く県民の皆さんに体験してもらうことを考えております。その活用の中で、障がい理解が広がっていくことを期待しております。

(議員質問)

 特別支援学校のスポーツ大会などを通じ、ボランティアの育成を今後どのように進めていくのか、所見を伺う。

(教育長答弁)

 先ほど申し上げました特別支援学校スポーツ大会において、昨年度は教育委員会の職員が26人、今年度は知事部局の職員も含めて26人が大会運営のボランティアとして参加しました。

 実際に競技も体験してもらい、競技をしている生徒を間近で見て、様子を知るということは、とても大切なことであります。今後も継続してあらゆる方面からの参加を促してまいります。

 また、特別支援学校と地域とが連携・協働した普段からの取組を推進する中で、地域の方々にも障がいや障がい者への理解を促し、スポーツなどを通した交流も増やしていきたいと考えております。

 知事部局では、この秋に実施される約150人が参加する新規採用職員研修において、ボッチャ、サウンドテーブルテニス、フライングディスクの体験を取り入れることとなりました。

 既に、宿泊体験施設であるサンレイクや少年自然の家には、車いすバスケットなどの障がい者スポーツ用具を揃えており、学校活動や部活動合宿、企業研修の際に体験をしていただいております。

 こうした経験をされた方々が、島根かみあり全スポでのボランティアのみならず、役員・審判員などの一翼を担っていただけることを期待しております。

(議員質問)

 障がいのある方に対する、大会終了後も含めた持続的なスポーツ活動について、所見を伺う。

(教育長答弁)

 教育行政を超える大きなテーマの御質問でありますが、これまでの私の答弁の関連としてお答えさせていただきます。

 先ほども触れたとおり、障がいのある人とない人がスポーツを通じて自然に関わり合うことが重要であります。そのためには、まず、障がいのない人が障がい者スポーツに触れることを促していきたいと考えております。

 障がい者スポーツは、年齢や性別、経験を問わず、比較的誰もが参加しやすくなっています。特に、高齢者など体力や一部機能の衰えが生じてきた方々にとっても、その状態に適したルールとなっていることから、引き続き、健やかに社会参加される一助になると考えております。

 このように障がい者スポーツを通して、障がいのある人とない人が一緒に活動する機会を増やしていくこと、ひいては、スポーツ以外の場面でも障がいのあるなしを気にすることなく、地域での様々な活動の輪が自然と広がっていくことを期待しております。

 島根かみあり全スポはひとつのきっかけに過ぎず、大会が終わった後もこのような社会の流れが続いていくことを目指して、特別支援教育やその他の学校教育、社会教育といったあらゆる教育の場面を通じて、本番だけでなく、そこに至る過程を大切にしていきたいと思います。

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