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県議会答弁:令和4年5月定例会(田中明美議員質問分)令和4年6月3日

(議員質問)

 ロシアのウクライナ侵攻についてや、日々戦争の報道を、各小中学校・高校では授業や学校生活の中で取り上げ、教員が直接話をする状況があるのか、全くそれらについての話はされていないのか、状況を伺う。

 学校の先生方には自分の教科が社会や道徳でなくても、この度の戦争について、子ども達と真正面に向き合って話をして、「戦争で平和や幸せは得られない」「人を傷つけて問題解決にはならない」など「平和について」ぜひ伝えて頂きたいと思うが、所感を伺う。

 

 

(教育長答弁)

 ロシアによるウクライナ侵攻と表現される一連の行動につきましては、映像等で伝えられる中で、子どもを含む民間人や兵士が亡くなっており、命を奪い合うという行為が現実に行われていることは、子どもたちも知るところであります。しかしながら、いま現在、すべてが伝えられているわけではなく、歴史的評価もなされていない現状では、背景を含めて、全体像を子どもたちが考察するのはなかなか難しいのではないかと考えております。

 ただ、人が人の命を奪う残虐性や非人道的な行為につきましては、子どもたちに伝えることができますし、議員ご指摘のとおり、「戦争で平和や幸せは得られない」、「人を傷つけて問題解決にはならない」ことを伝えていく必要があると考えております。今回のことについて、直接、授業等で取り上げている学校、そうでない学校、さまざまだと思いますが、各小中学校・高等学校において、発達の段階に応じて、どのようにこの問題を取り上げているか、いくつかご紹介いたします。

 まず、小学校低学年・中学年の児童については、友達を大切にすることや、異なる立場の意見を大事にすることを学ぶ場面で、今回のことに触れることがあります。高学年では戦争を許さないことや命の尊さについて考えています。

 中学校では、地理で領土や領海、領空について学習したり、歴史で、世界大戦前後の国際情勢及び我が国の動きや、大戦後の国際平和への努力などを学習する際に、今回のことについて話題にしています。

 高等学校においては、ロシアとウクライナに関する新聞記事を一つ取り上げ、考察してくる課題を春休み前に出し、4月の授業で歴史的背景を学んだあと、「この問題をどう考えるか」、「解決するためには何が必要か」をグループで協議する時間を設けたり、エネルギー問題と関連付けて経済制裁に歩調を合わせる一方で、日本が石油・天然ガス開発から撤退できない理由を考察する時間を設けた学校があります。

 また、地歴公民科の授業の中で食糧問題やEU、NATOなどについて学習する際に、関連付けて学ぶ機会があります。いま起こっている問題を生きた教材として、こうした学習に取り組みながら国際社会の中で、平和的に共栄共存を図っていく必要性や、平和の尊さ等について、考え、学び合う学習機会を改めて大切にしていきたいと考えております。

 また、今回の出来事に関わらず、児童生徒に対しては、すべての教育活動を通じて、「自分を大切にし、他の人も大切にする」という、意識の醸成を図っております。児童生徒の中にはロシアとウクライナ、それぞれの国にルーツがある子どもがいる可能性があることにも配慮しながら、命の大切さや思いやりの心などを学ぶ人権教育も一層進めていきたいと考えております。

 

 


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