• 背景色 
  • 文字サイズ 

小沢議員(自民)

(問)教育改革について

1.教育現場と政治、あるいは左翼イデオロギーとの癒着関係を通して日教組が政治支配を強めていることに関し見解を伺う。

2.戦前のものはすべて悪いという固定観念を払拭し、もう一度「教育勅語」を復活させてみたらと思うが、見解を伺う。

3.鳥取県での全国学力テストの開示に対する日教組の行為について、教育委員長の所見を伺う。

4.本県事業の「心の教育の推進」の項目において、「豊かな情操と道徳心」、「伝統と文化の尊重」、「我が国と郷土を愛する」を踏まえた表現に書き改めるべきと思うが見解を伺う。

5.道徳教育の推進について、具体的に形となるものを作成する旨を事業内容に明記すべきではないか伺う。また、具体的な普及、展開の方向性について見解を伺う。

6.自然や文化を愛し、生命を大切にする心の育成について、「豊かな情操」、「宗教に関する一般的な教養」を養う旨を事業内容に明記すべきではないか伺う。また、具体的な普及、展開の方法について見解を伺う。

7.本県における全小・中学校での道徳教育推進教師の設置状況を伺う。

8.道徳教育の全体計画の作成について、各高等学校に対する周知徹底の実情について伺う。

9.伝統文化教育の充実について、どのような形で教員の意識改革、内容の周知徹底を図っているのか伺う。

 

(答)知事

1.公教育の現場におきまして教育の政治的中立を確保することは非常に重要なことでございます。

 教育基本法第十四条第二項で、法律に定める学校は、公立の小中学校でございますが、これら学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他の政治的活動をしてはならないと明確に定められております。

 したがいまして、公教育の場で特定の政治思想を押しつけたり、あるいは攻撃することは許されないと考えております。

 

(答)教育委員長

2.教育勅語は、明治23年に発表され、昭和23年に衆参両院の議決によって廃止されるまで、日本の教育の根幹をなすものとして重視されてきました。

私は昭和22年の入学ですので、聞いたのか聞いてないのか全く覚えておりませんが、天皇陛下のお言葉という形で出されました勅語は、戦争中、戦争激化に伴って、軍国主義の教典として利用されることもあったように思います。

 このような歴史的な経緯がありますので、教育勅語としてそのまま復活して教育に取り入れることは相応しくないと考えます。

 しかし、教育勅語に盛り込まれております十二徳という徳目の中には、父母への孝行、兄弟愛、勉学に励むことや法律、規則を守ることの大切さなど、普遍・不易の徳目も多くあるわけであります。

 犯罪が多発して、社会病理ともいうべき現象が蔓延する現在の状況においてこそ、こうした道徳性を今の子どもたちにしっかりと身につけさせるべきであると考えております。

 また、道徳教育は、学校教育だけで行うものでなく、家庭教育によるところが大きいことから、学校、家庭、地域社会が一体になって取り組んでいくことが重要であると考えます。

 

3.鳥取県教職員組合の調査につきましては、議員のご意見のような意図でアンケートが行われたかどうかは判断できませんが、全国学力・学習状況調査については、抽出ではなく悉皆で行うことで、児童生徒一人一人の学力を把握したり、学校での指導方法の改善に生かすことができており、一定の成果を上げていると思っております。

 また、全国学力調査は一部の教科の結果であり、すべての学力をみるものではありませんので、この結果でもって過度な競争意識をあおったり、序列化を招いたりすることは、厳に慎むべきであると私は考えています。

 

(答)教育長

4.心の教育の推進の中に、伝統の文化の尊重とか我が国の郷土を愛するというようなことを「教育行政の概要」の中に明確に書いたらどうかというご指摘でございます。

 ご意見がありました事柄については、心の教育を推進する上で、私は全く異議がございません。昨年改訂いたしました「しまね教育ビジョン21」の中にも、こうした観点で「心の教育の推進」というのを一つ項目を立てまして、その中で道徳の推進とか、自然や文化を愛し、生命を大切にする心の育成というものを柱を立てまして記述いたしました。

 「教育行政の概要」は、「しまね教育ビジョン21」と、若干異なっておりまして、各年度の事業の、主として予算事業を説明するために作っておりまして、その予算事業の具体的な取組を述べるというスタイルにしておりますので、いわゆる能書きの部分は「島根教育ビジョン21」ほどには書いておりません。

 ご指摘の点については、異論があるわけではありませんので、来年度の概要においては、もう少し能書きの部分を追加したいと考えております。

 

5.道徳教育についての具体的な進め方をどうするかということであります。

 新しい指導要領が出ましたのを受けまして、昨年度は、幼稚園・小学校・中学校の島根県での教育のあり方について、教育課程審議会からの答申を得まして、また、その答申をもとにリーフレットを作りました。その答申なりあるいはリーフレットの中でも道徳教育の推進ということを掲げております。

 例えば、中学校で申しますと、「社会人として身に付けるべき基本である道徳性、自他の生命を尊重し、規範意識をもち、思いやりのある行動ができること」などを育んでいくということで、これは道徳の時間だけでなくて、例えば、国語でありますとか体育とか様々な教科を通じて、実践していく必要があると整理をしております。小学校の場合では、他を思いやる心とか、卑怯を恥じる心などを強調しておりますし、幼稚園の場合には、規範意識を体験を通じて高めていくということで、よい行動とかしてはいけない行動ということに気づくなどの芽生えを生じさせるというふうなことを掲げております。

 実務的にはこうした考えをもとに、指導主事とかあるいは教育センターが具体的に教材を作りましたり、あるいは資料を作って進めてまいることにしております。こうした考えで進めてほしいと思っております。

 

6.自然や文化を愛し、生命を大切にする心の育成ということについて、宗教的な考えも含めてどう進めるかということでございました。

 教育について知育、徳育、体育という言葉で語られることが多いわけでありますが、私はさらに、その基礎の部分では心の教育が必要だということを考えております。この心の豊かさを育む教育というのは、意見にございました自然とか生命の神秘、あるいは美しさに感動する心、あるいはふるさとの歴史とか伝統文化、我が国の歴史について思いをいたすというふうな心でありますし、徳育の場合で申しますと、私どもが生命を得ているのは他の生命をいただいているというふうなことについても、教えていくことだと思います。

 そして、またもうひとつは、高校を卒業いたしますとそのまま社会に出る人間と、大学に進学する人間がおるわけでありますが、いずれにいたしましても、小中高を通じまして、社会人として必要な基礎的な力をつけていくということが必要だと思います。具体的には、例えばきちっとしたコミュニケーションがとれる、あるいは挨拶ができる、相手の立場になってものが考えられる、というふうなことが求められると思います。

 先ほど申しました教育課程審議会の答申、あるいはリーフレットの中でも、こうした点を強調いたしております。

 

7.こうしたことを進めます学校の現場での「道徳教育推進教師」の設置状況についてのお尋ねでございますが、県内全ての小・中学校で適任者を指名しております。

 特にこの推進教師は、校長、教頭とともに各学校での道徳の教育を進めるわけでありますが、先ほども申しましたように、道徳は道徳の時間だけで進めるというふうなものではなくて、学校の行事でありますとか、あるいはホームルームの時間でありますとか、国語の時間、体育の時間ということも含めて総合的に進める必要があるという点、もうひとつは、とかく、なんかこう道徳という言葉から難しく考えがちな部分がありますが、子どもたちが興味をもって関心を深め、人権の問題も含めて、学習していくという取組をお願いをいたしておるところでございます。

 

8.高校につきましては、義務教育と同じような考え方で進めております。

 指導要領の改訂に伴います今後の教育につきましては、本年度同じ形で教育課程審議会で検討していただいております。基本的な考え方は先ほどの義務教育と同じような形で、推進が図られるように考えていきたいと思います。

 

9.教育、伝統文化の充実について進めるにあたっての教員の意識改革、あるいは内容の周知徹底をどう図るかということでございます。

 教員自らが自分で感性を磨き、或いは知性を高めるということがまず必要だと思います。そうした件では、先ほどの免許の更新研修の話もございましたが、与えられた、あるいは他力本願でなくて、自らが求めることによって資質を高めていくという努力をしてほしいというふうに思います。

 そうした中で、小中学校の例で申しますと、総合学習の時間、或いはふるさと学習の中で地域から学ぶ、あるいは地域の皆さんとのコミュニケーションを通じて学ぶということを行っております。伝統芸能とか行事、あるいは、民謡とかいうこともございます。国語においては、短歌や俳句のリズムを学ぶと、教えるということもあろうかと思います。音楽や図画を通じてのこともあろうと思います。

 こうしたことを、生徒たちに教育を行うと同時に、自らも高めながら行っていくということが必要だというふうに思います。そうした意味で、先ほど申し上げました教育課程の審議会の答申書、それからリーフレットについては、全部の教職員に配りまして、必ず全部読んでほしいということを、年度当初の校長と教頭の事務所ごとの説明会でもお願い、要請をしたというところでございます。

 

 


お問い合わせ先

島根県教育委員会

〒690-8502 島根県松江市殿町1番地(県庁分庁舎)
島根県教育庁総務課
TEL 0852-22-5403
FAX 0852-22-5400
kyousou@pref.shimane.lg.jp