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珍部議員(民主県民)

 

(問)ゆとり教育の成果等について

1.ゆとり教育が島根県の教育にどのような影響を与えたと考えているのか感想を伺う。

2.ゆとり教育を見直し授業時間数を増やすことにより、島根県の教育にどのような効果があると考えているのか伺う。

3.島根県の教育再生のため、質の高い教員の数の確保や少人数学級の推進などの施策を今以上に実現するために教育予算の拡充が必要と考えるが、所見を伺う。

 

(答)教育長

1.まず、いわゆるゆとり教育がもたらした島根県の影響につきまして感想を交えてお答えいたします。

 ゆとり教育につきましては、移行措置を経た後、平成14年度から小中学校同時に本格実施されたものでありまして、その功罪が様々に論じられております。

 個人的な感想ということでありますが、先ほど指摘のありました学習意欲の低下、あるいは許容とかあるいは自立的に考える能力とかがちょっと低下してきているのではないかとということが近年言われております。それはゆとり教育だけが原因というわけではなく、様々な要因があろうかと思っておりますが、ひとつには少し知的な刺激を与える、そういうふうな教育、あるいは宿題や家庭学習などの、いわば教育の基礎基本にあたる部分が弱くなってきているのではないかというふうに思っております。

 学習意欲につきましては、知ることとか学ぶことが楽しいということを教えていかなければなりません。そのためには知的な刺激を与えるということ、あるいは体験とか、地域の人々とのコミュニケーションを通しての社会性を身につけるとか、四季のうつろいを感じる豊かな感性を育むとか、そういうことが必要じゃなかろうかなというふうに思っているところであります。

 こうしたことは、新学習指導要領でも重視されておりまして、今の若者達に少し欠けてきたと言われるこうしたことについて、強化していこうとなされていると理解しております。

 言い換えますと、今後は、評価すべき点については更に推進していく、学力の向上などの課題となっている部分については、改善するように積極的に取り組んでいく必要があろうと思っております。

 

2.次に、授業時間数を増やすことによって、島根県の教育にどのような効果があるかということであります。

 今度の新学習指導要領で示されております授業時間数を学年ごとに見ますと、小学校の1年、2年では年間に約70時間、3年から6年では35時間、中学校では1年から3年まで同じ、それぞれ35時間授業時間数を増やすということになっております。

 この時間数の増加は、学習にじっくりと取り組める時間を確保するという措置でありまして、繰り返しの学習とか、先ほど申しました基礎的・基本的な内容の定着を図っていくということ、あるいは、知識や技能を活用する、いわば自分で考える能力を高めるというふうな学習に力を入れるということに費やすとされております。

 一方、これに伴いまして総合的な学習の時間が、各学年35時間程度に削減されますが、本県で進めてきたふるさと教育につきましては、今後も継続して、教科などの学習や体験活動との関連を図りながら、豊かな心や社会性、自ら学び考える力などを育くむために継続してまいりたいと考えております。

 

(答)知事

3.教育は、次の時代を担う人材を育成するためのものでございまして、島根の将来のために可能な限り予算を配分していくべきものだと考えております。

 いま議会に提案しております21年度の当初予算についてみますと、教育委員会予算全体は、約4億円の増でございます。他方で、その中で、教職員の高齢の方が退職し、新しい人が採用されてきますと、新陳代謝といいますか、給与の違いがありますから、人件費、給与も減る要因がございます。そういうこともありまして、給与費が20億を超えるぐらい減っております。しかし全体としては、4億円ぐらい増えているわけでございまして、一つは、今回の経済対策の中でも行うわけでありますが、教育施設の耐震化でありますとか、バリアフリー化などの建設事業が、約20億円程度増えております。それから、その他の物件費等でございますが、それが、5億円ぐらい増えているということでございまして、そういう、諸々差し引きしまして、全体で4億円ぐらい増えているということでございます。

 その中では、今年度は、子どもたちの読書活動を促進するということで、学校、小中学校に学校司書さんを配置をするといったことで、1億5千万ぐらい新たに計上しております。また、小学校の低学年での、きめ細かな指導を行うための30人学級編制、あるいは、スクールサポーターの配置、それから、特別な児童に対する支援への対応、それから、中学校に進学したときに意識のギャップが生ずるといった対策等々のために、いろいろな対策は従来どおり確保し、その上で、新学習指導要領への対応のための非常勤講師の配置などを行っておるところでございます。

 今後も、できるだけ教育予算の確保に努めて参りたいと思っているところであります。

 


(問)小規模校の教員配置について

1.小規模校への教員配置について、基本的な考え方を伺う。

2.現場の状況に応じた必要な人員配置を行うことができるような柔軟な対応が必要と考えるが、所見を伺う。

 

(答)教育長

1.2.次に、小規模校への教員の配置の考え方についてであります。

 私は、一昨年になりますが、鰐淵小学校猪目分校を訪問したことがございます。児童数当時4名の学校でありました。当日は鵜鷺小学校の児童との合同学習が行われておりました。いつもの約3倍に当たります13名の子どもたちが、元気よく校庭でテニスボールでの三角ベースボールを行っておりました。狭い校庭でありましたけども、その生徒達の楽しそうな活動が印象に残っております。

 本県には、このような児童数が15人未満の小学校が、分校を含めますと今年度の場合、19校ございます。そのうちで更に10人未満で見ますと、9校あります。こうした学校についても、配置する教員数は、国のいわゆる標準法により算定した学級数に基づいて定めることを原則にしております。それに加えまして、教頭や養護教諭の配置については、向こう数年間の学級数の推移を考慮しながら、必要な場合には配置するということにしております。

 また、県全体の教員数も、総数は標準法に基づいた算定で行うことになりますが、この標準法に基づきます算定人数と実際の各学校への配置数とは、若干弾力性があります。こうした弾力性を使いまして、小学校の複式学級での教育を円滑に進めるために、今年の場合16人を加配しております。それから、中学校でも同じく複式学級の解消のために、10人を加配するという措置を講じております。

 ちなみに、鵜鷺小学校につきましては、学級数が3学級で推移するという見込がありますので、全体の教員数は変わりませんが、教頭については、配置の方向で今検討しております。

 


(問)出雲市の学校事務支援センターについて

1.現時点で、出雲市とどのような協議がされ、県は具体的に何をどう支援していくのか伺う。

 

(答)教育長

1.次に、出雲市において計画されております事務支援センターについてであります。

 この支援センターについては、従前から協力できることについては協力していこうと申し上げております。具体的に県の電算システムの利用などの技術的な相談はいくつか受けているようであります。

 今後も具体的な相談がありますれば、いくらでも相談に乗りたいと思っておりますし、可能なことに積極的に協力してまいりたいと思っております。

 こうした出雲市の取組について、現在事務の共同実施ということで、一人事務職員を加配をしております。場合に応じましては、来年度以降についても、この加配の趣旨の範囲内で活用することも可能ではないかと思っております。

 現行の学校運営を改善するということでのこの出雲市の取組が、画期的な取組になるかどうかということについて注目しております。


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