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三島議員(無)

(問)子ども読書活動推進事業について

1.学校図書館への人配置事業について、これまでの事業の推移についての感想を伺う。

2.管理職の意識改革への取組について伺う。

3.今年度新しく配置された学校司書等への研修について、今年度の取組状況と今後の見通しについて伺う。

4.司書教諭の生徒指導や教務主任と同等のステータスが認められることも含め、意識改革の取組、研修などの考え方を伺う。また、その文化が定着していない司書教諭に対し,支援体制が不可欠だと思うが、その拡充についての所見を伺う。

5.団体貸し出しのための調べ学習用図書の拡充整備という方向で、ぜひ来年も継続していただきたいが、その考え方を伺う。

6.パワーアップ事業について、推進校とともに、その成果と得られた成果の普及について伺う。また、枠の拡大、学校規模に応じた配分、金額見直しによる対象増、使途の柔軟化も検討課題と思うが所見を伺う。

7.司書配置の拡充、司書教諭の発令、負担軽減への動きの現状と今後の見通し、図書購入費への取組の考え方など、来年度に向けた市町村の動きについて伺う。

 

(答)教育長

1.学校図書館の事業が今年度予算から始まりまして、途中の状況を私も聞くことがありました。ちょうど東京でシンポジウムがありまして、その前に学校司書の方、それから司書教諭の方に集まってもらいまして、今どういう状況になっているかというような話を聞いたわけですが、そうすると皆さんの意見が、学校司書が配置されることによって、子もたちが図書館に多く来るようになった。読書量が増えたと。

 それから学校の先生達も、子どもたちにそちらに関心を持ってもらうために、自分たちで本箱の位置とか、あるいは廃校になった学校から本箱を持ってくるとか、あるいは大工さんに手伝ってもらうとかで、改造を日曜日に校長以下教職員が集まって、あるいはボランティアの人たちも手伝われてやっているとのことであります。

 また、教育委員会がその先例的な実例をほかの学校にも知ってもらおうということでDVDを作りまして、四校くらいそういう活動について作ったのを見ました。

 いろんなところで子どもたちが喜んでいる、それから学校の図書館が変わったというのが出ておりますけども、非常に事業が進んでいるなと感じました。さらにこれが充実するよう努力していきたいと考えています。

 

2.この学校図書館の充実に関しましては、年度当初の管理職の連絡会議が、五つの教育事務所毎に開いておりますが、今年は十回ありました。私は出かけまして、直接その校長・教頭に話しましたが、その中で、図書館を活用した教育というのは言語活動の充実のためにも重要であること、また、感性や情緒の部分にも大きな影響を与えるということで、このことについては、文部科学省の方が新しい学習指導要領の中でも推進することに定まったものと、私共が取り組むということが挙を一にしたものであることを強調をいたしまして、改めてそれぞれの学校における校長教頭のリーダーシップに期待するということを申し上げたところであります。

 最近、校長からは、先程知事から話がありましたように、正直言ってこれだけ人を配置することによって、各学校の学校図書館が変わるとは思わなかったと、自らもっと早くこういうことに気がつけばよかったという感想が寄せられておりました。

 随分そういう意味では、学校における校長教頭をはじめ、教員のみなさんの意識が変わってきていると承知しております。

 

3.今年度では、学校司書へは三回、それからボランティア三回、計六回の研修を行っております。

 その中では、学校図書館のレイアウトとか、環境の整備あるいは、図書の修理とか装備などの、実践に役立つ事例の研修が受けられるということであるとか、あるいは、これからやるべき、自分らはこういうことがやるべきことだなという問題意識が明確になって非常にやる気が出たというふうな感想を寄せてもらっております。

 来年度はさらに回数を増やしまして、学校司書については現在五回を計画しておりますし、また、ボランティアについては、受講がしやすいようにということで、市町村で開催されますそういうボランティアの研修ということで、単位をもう少しきめ細かくやって参りたいというふうに思っております。

 

4.司書教諭の数については、現時点で必ずしも十分ではないというふうに思っております。例えば、放送大学を受講することによりまして、この資格がとれる場合には、その授業料などについて全額を助成するというふうな措置によっての、数の保証に努めております。

 一番望ましいのは司書教諭ができるだけ授業時間が軽減されて、司書教諭の業務のほうに専念できるということだろうというふうに思っておりますが、これには定数の問題もからんでおりますので、必ずしもすぐに進めるというわけにはなかなかまいらないという実情です。

 そのような中ではありますが、現在、司書教諭の発令者のいます小学校では6割、中学校では3割で何らかの形では司書教諭の負担の軽減が図られているというふうに情報を集約しております。今後更に、現場の管理職の工夫によりまして、こうした負担軽減が図られることを望んでおります。

 研修につきましては、現在、学校図書館の活用講座として、希望する教員を対象にした研修を行っておりますが、来年度からは県内全ての小中学校の司書教諭等を対象として、校内の体制づくりでありますとか、図書館を活用した学習の具体的な進め方などについての研修を実施したいというふうに思っております。

 そうした中では、先ほど冒頭に知事のほうから紹介がありました、図書館を改造するということを収めましたDVDも活用しながら行ってまいりたいというふうに思っております。

 

5.今年度は、千二百万の購入費で、学校図書館で調べ学習の図書を中心といたしまして、貸出用の整備を図ったところであり、そういうことによりまして、従来一校当たりには一回五十冊までの限度の貸出でやっておりましたが、それを三百冊まで増やすというふうなことも可能になったところであります。

 一方で、紹介がありましたように、この補正予算では、市町村が、十の市町村でありましたが、総額で言いますと約五千万の図書購入費を措置をいたしておりまして、当初予算では前年度比では八百万の増の九千四百万でありましたけれども、合わせますと約一億五千万相当の整備費に現状ではなっておるところであります。

 引き続き、市町村長、あるいは教育長に対しまして、図書標準の達成に向けた取り組みの要請を行っておるところであります。市町村も財政状況が非常に厳しいわけでありますが、基本的には図書の整備費というのは市町村に財政措置がされておるというものでありますので、まずもって、市町村においてのそうした取り組みの努力に期待したいというふうに思っております。

 

6.この事業については、基本的には手作業で学校図書館の整備を図ろうというものでありまして、1校あたり50万円の、主として原材料費を整備費として交付しながら、教員あるいは学校司書等が協力しながら整備していくという事業であります。

今年度の15校について、現在半数程度が整備を終えておりますが、行ったところからは、図書館が広くなったことで、クラスの人数分の椅子が入って、図書館で授業をすることができるようになったとか、レイアウトとか本棚の配置変えを行うことによって、非常に居心地のいい学校図書館になったことで、生徒たちが喜んで入ってくる図書館ができたというふうになっております。

 また、子どもたちは寝ころんで本を読むことが結構好きなところがありますので、図書館の中にも畳を敷いた場所をつくって、そこをやや閉鎖的な空間にすることによって、子どもたちがちょっと隅のほうで本を読むというようなことも結構好きな部分がありますから、そういうふうなことにも対応していると、私もDVDを見ながら感じたところであります。こうしたDVDについては、先ほども申し上げましたように、今後の研修で使いますし、また、新しく整備をする学校においての参考にもしてまいりたいと思います。

 使い道についての弾力化でありますとか、あるいは学校の数の問題については、できるだけ柔軟に対応してまいりたいと思っております。

 また、先ほど申し上げ落としましたが、他県の町の例では、保護者から図書の寄贈を受けるというような活動を活発にやっている例もありますので、そうした保護者も巻き込んだような取組に広がってほしいなというふうにも思っております。特に、中学校の場合でありますと、必ずしも子どもの図書に限らず、大人と同じ本が随分読める本があると思っておりますので、そういう取組にも広がってほしいなというふうに思っております。

 

7.まず、来年度の学校司書等の配置であります。市町村への意向の調査を行っておりますが、それによりますと、今年度のボランティアから、学校司書の配置に変更する学校が30校ということで、数字を把握しております。そういたしますと、来年度はボランティアと学校司書の比率が逆転をすると。約170校の学校においての学校司書の配置となる予定であります。

 司書教諭については、本年度、154校で発令をいたしておりまして、昨年度に比較しますと58校の増加であります。

 こうした司書教諭の負担軽減については、先ほど申しましたように、小学校の6割、中学校では3割で、着実に軽減の措置が図られておりますが、さらに、教務主任でありますとかあるいは生徒指導の主任と同じような認識の中で、各学校の中で認識が高まり、さらに仕事がしやすいような、そういうふうな環境の整備が図られることを期待をしております。

 図書購入について、あるいは学校司書の配置については、先ほど申し上げましたが、市町村長あるいは教育長の話を聞く中で、確実に学校だけではなくて市町村長あるいは教育長の意識にしても変わっておるというふうに考えております。新しい選挙によりまして改選されました首長の皆さんにも、そういう新しい政策の中にも掲げておられる例も一つ二つではなく聞いておるところであります。こうした取組によりまして、さらに進むことを期待しております。

 


(問)子どものメディア対策について

1.「安心安全インターネット講座」について、どういう角度で取り組むのか、また、そのボリュームについて考え方を伺う。

2.教育的観点から教えることの出来るインストラクターの養成について、現状と今後の取り組みについて伺う。また、理解が十分あるのかと思える学校への支援はどのような形で進めるのか伺う。

 

(答)教育長

1.メディアの濃厚接触による弊害については、皮肉なことにメディアでいろいろ報道されておりまして、私も憂いているところであります。

 この「安全安心インターネット講座」については、来年度から教育委員会で行うということになりましたけれども、来年度は、中・高合わせて、現時点では40校程度の学校で、生徒と教職員を対象にして、出前講座という形での開設を予定しているところであります。

 40校というのがどこからきているかということで、職員の方に確認しましたところ、若干の講師料とか旅費がかかるとのことでしたので、更に希望があるようであれば、この40校については、どれくらいかの程度は別にして、増やしていくことについても検討してまいりたいと思います。

 

2.インストラクターあるいは学校でメディアの問題について詳しく教育できる専門的な教員というのは、ほとんどいないと言いますか、少ない状況にあると思っています。いきおい外部の専門家の講師にお願いしてやっております。

 学校での教育は、なかなか全てのことについて教員が自己完結でやるというわけにはまいらないというのが現実だと思っております。

 様々な形で社会人の講師、あるいは地域のみなさんに教育に関わってもらっているということであります。

 このメディアの問題についても、同じように教員での専門的エキスパートを養成するということはなかなか困難でありますので、外部のそうした専門家のみなさんの力を借りていくことが、言わば費用対効果から考えましても、効果的でなかろうかと思っておるところであります。

 学校は、そうした外部の専門家からの指導を学校の中でやるということについての位置づけなり、やり方、あるいはタイムリーで効果的な方法についてしっかり認識をしながら、そうした専門家のみなさんの力を借りていくことが必要だと思っています。校長、教頭には、そうしたマネージメントについて、しっかり勉強してほしいと思っております。

 


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