• 背景色 
  • 文字サイズ 

池田議員(自民)

(問)真の子育て支援・教育の充実について

1.小学校から職業教育や自分の将来について考えさせる機会を与えたりする取組が必要と考えるが所見を伺う。

2.他県の専攻科の状況を踏まえて、本県での専攻科の必要性についてどのように考えているか伺う。

3.島根の子ども達が、自己の目標を持ち、生きる力を身につけることができるような教育を、小中学校から進めていく必要があると思うが、所見を伺う。

 

(答)教育長

1.まず、小学校から職業について考える教育についてであります。

 私どもの世代は、子どもの頃から親の働く菅田や近所の職人の働く姿を見たり、学校がひけたら農作業の手伝いをして汗をかくなど、ごく自然に働くことを体験したり、あるいは、学んだりしたものであります。

 今日の極度に分業化した社会では、子どもたちはこうした大人たちの働く姿を見ることも少なくなり、農山漁村にあっても手伝いをすることがずいぶん少なくなってしまったというふうに考えております。

 議員のご提案にありましたように、私も小学校から職業について学んだり、自分の将来について考える機会を持つということは必要であると考えておりまして、そのためにも今では少なくなった様々な生活行動の擬似体験をさせるということが必要だと考えております。

 そうした考え方から、現在、県内の小・中学校では、ふるさと教育やキャリア教育の中で、職場見学や職場の体験活動、地域の企業の方を招いての講演会、地域の特産品であります作物を地域の人と一緒に栽培する、あるいは福祉施設において看護の体験を実施するというふうなことを行っております。今後もこのような人との関わりとか、実体験を通しまして、働くことの意義や意味を学ばせていきたいというふうに考えます。

 翻って、将来の夢や希望を持つということも同じ程度に重要だというふうに考えています。中学校の段階では、「こんな生き方をしたい」とか、「自分はこういう得意なことを生かしたい」というふうな夢や希望をもつということも重要なことだと思っております。例えば、野球選手になりたいとか、科学者になりたいとか、世界で活躍したいとか、宇宙飛行士になりたいとか、そうした様々な夢をもつということも、また貴重なことだというふうに思います。

 こうした夢についても、いろいろな実体験をする中で、いわばそれを昇華するような形で、こうした夢を膨らませていくということが大事なことだというふうに思っております。

 

2.次に本県での高校の専攻科についてでありますが、専門高校の卒業後に、さらに技術を高めたり、あるいは、資格取得を目的とする専攻科は、平成二十年度の時点で、全国には一四二校あります。

 そのうちの約半数、七十六校が看護の分野になっております。

 本県の場合には、浜田水産高校と隠岐の水産高校に設置しておりまして、航海士や機関士の免許の取得に必要な遠洋航海の実習等の乗船履歴の取得、あるいは、筆記試験において免除に関わる教科の学習を行っておるところであります。

 全国ではこうした看護系とか、水産系以外にも、工業系とか、あるいは、農業系、商業系などの専攻科を設けている事例もありますが、いずれも地域の産業との密接な関連があり、専攻科の修了後の就職の受け皿が用意できているというような事例だというように承知しております。

 本県においても、専門高校からの卒業者の約半分が進学しているというような状況を見ますと、専攻科のニーズも想定はされますが、これについては、高等技術校、あるいは専修学校との任務分担の問題でありますとか、あるいは、専攻科を設置した場合に、そこで養成した人材が、地域の産業界でどのように活用されるかというような点についての検討が、あわせて必要だというように考えております。

 今のところ具体的な検討にいたる段ではないと考えております。

 

(答)知事

3.島根の子どもたちが自己の目標を持ち、子どもたちに生きる力を身に付けることができるような教育を小中学校から進めていく必要がある。そういうことについてどうかというご質問でございますが、私も全く同意見でございます。

 私は企業立地などのために、大阪など、近畿圏の企業などを訪ねることがございますが、そういう方々がおっしゃることの一つは、島根の人たちは、非常に粘り強く働く人が多い、そういう人が企業は必要なんだと。しかし、大都市ではそういう人たちはなかなか採れません。大企業の方が、すぐ雇用していきますから。ということで、非常に高い技術を持った中小企業、中堅企業の方々が、雇用を求めて島根に立地するということがあるわけでございます。この傾向は、今後も続くだろうと思うわけでございます。そういう意味におきまして、子どもたちが真面目に、感性豊かに育っていくということが大事なわけでございます。

 これにつきましては、学校教育だけでなく、地域社会、あるいは家庭の教育、あるいは家庭の環境といったようなものが大変大事なわけでございまして、私どもとしては、学校教育と共に、そうした環境整備等も進めながら、自立した子どもたち、真面目に物事に取り組んでいく子どもたちを育てるように、最善の努力をしていきたいと考えているところであります。

 

(問)地域活性化について

1.地域力醸成プログラムのこれまでの成果に対する所見と、今後どのように活用していくべきと考えているか伺う。

2.今後は参加していない公民館の担当者に参加を促す取組を進め、地域活性化にもっと役立ててもらいたいと考えるが所見を伺う。

 

(答)教育長

1.次に、公民館の「実証!地域力醸成プログラム」についてであります。

 議員の方からは大変評価いただきましてありがとうございました。

 現在、県内には二百九十二館の公民館等があります。この事業テーマを設けて取組を行いますモデル公民館には、現在、三十七件、七十四館が選定をされまして事業に取り組んでおります。

 事業のテーマは、「安心・安全なまちづくり」でありますとか、「高齢者の生きがいづくり」とか、「柿渋の再現による地域づくり」といった多様なものがあります。中には、複数の公民館で共同して取り組みます、隠岐の島町の「クヌギの森を生かした異世代交流」でありますとか、益田市の国道191号線交流協議会が「国道沿線の地域間交流による地域おこし」などのテーマで取り組んでいるものもありました。いずれもそれぞれの特色を活かした地域づくりの取組を行っているというふうに思っております。

 先月の十一月十六日にこうした取組の成果報告会を県庁の講堂で開催いたしました。地域振興部や健康福祉部にも呼びかけまして、講堂が満席となる多くの担当者に参加を得ました。

 地域の様々な課題の解決に向けた公民館の、私は「千手観音」のような取組と申しておりますが、そうした取組の考え方や進め方について、参加いただいた教育委員やモデル公民館の審査委員の皆さん、そしてまた各部の職員の皆さんから、異口同音に賞賛の声をいただきました。

 また、この日の報告ではありませんが、活動の状況が新聞やテレビ等で紹介されることによりまして、公民館のやる気がさらにかき立てられて、公民館に光があたってきているということを関係者が実感しております。

 この取組については、当初意図したとおり、社会の要請に応える取組として、地域のコミュニティの活力を高める活動、あるいは地域力醸成を高める取組ということでモデル公民館はもとより各公民館においても活発に展開されております。今後も引き続きこの事業を継続していきたいというふうに考えております。

 

2.発表会に参加していない公民館の担当者への働きかけについてでありますが、こうした発表会やあるいはモデル公民館選考会については、関係者や発表以外の公民館からも参加を得られるように働きかけあるいは広報を行っておりますが、時間とかあるいは地理的な制約から参加には限界があるのが現実であります。

 しかし、こうした場だけでなく、県の公民館連絡協議会が県の東西二ヶ所で毎年研修会を開催しております。こうした研修会や、地域ブロックがありまして、そうした地域ブロックの活動を通じまして、モデル公民館はもとよりすべての公民館がうちも負けておれんというふうな活動の気運を盛り上げているというふうに思っております。

 こうした活動については、県の広報あるいは教育委員会が発行しております社会教育の広報誌、市町村の広報事業によっても紹介されています。今後もこうした紹介も合わせてまして、公民館の社会の要請に応える活動が活発に展開されますよう支援して参りたいというふうに考えております。

 


お問い合わせ先

島根県教育委員会

〒690-8502 島根県松江市殿町1番地(県庁分庁舎)
島根県教育庁総務課
TEL 0852-22-5403
FAX 0852-22-5400
kyousou@pref.shimane.lg.jp