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石橋議員(民主県民)

 

(問)教育問題について

1.新年度から本県が取り組もうとしている新しい教育方針・内容について伺う。

2.どのように学習意欲向上対策に取り組もうとしているのか伺う。

3.小学校での外国語活動の授業について、中学校の英語授業との違い、授業時間など外国語活動の内容を伺う。

 

(答)教育長

1.まず、新しい教育方針・内容についてお答えします。

 新学習指導要領においては、教育内容に関する主な改善事項として、「言語活動の充実」「理数教育の充実」「伝統や文化に関する教育の充実」「道徳の充実」などが示されました。

 本県では、これまで「感性を基盤とした確かな学力・豊かな心・健やかな体をバランスよく育む」、いわゆる知徳体のバランスのとれた人格形成ということを目指してまいりました。新学習指導要領のもとにあっても、これまでのこうした方針を継承しつつ、より島根のよさを生かした取組を進めてまいりたいと考えております。

 その一つがふるさと教育の継承であります。各学校において、地域の人々や地域資源とのふれあいを通して、他人を優しく思いやる心や、美しいもの気高いものに感動する心などを養うための学習活動、こうした活動を引き続き積極的に取組を進めてまいりたいと思います。

 また、豊かな心と言語の力を育む読書活動の推進を図ってまいります。特に、来年度から実施する「子ども読書活動推進事業」では、子どもたちが読書を通して、知性と感性を磨き、思考力や表現力を養うことができるよう、総合的な取組を進めてまいります。

 このほか、学校、家庭、地域の連携を図り、学習習慣や生活習慣の改善に向けた取組を進めたり、幼・保、小、中、高等学校それぞれの連携を一層深める取組を進めていきたいと考えております。

 今回の改訂での授業時間数の増加は、詰め込み教育を行うという趣旨ではなく、子どもたちが学習にじっくりと取り組める時間を確保するための措置としてなされたものであります。各学校においては、子どもたちがつまずきやすい内容の確実な習得を図るための繰り返しの学習、あるいは知識・技能を活用する観察とか実験、レポート作成、あるいは論述というふうなことを行うなど、学習指導が一層充実することを期待しております。

 

2.次に、学習意欲向上対策についてであります。

 私は、これまで「もう一度、基礎・基本、原理原則を見つめ直したところの教育の展開を図っていこう」ということを提唱しております。その基盤となるのが意欲であります。「知ること、学ぶことは楽しい」ということを是非一人一人の子どもたちに味あわせ、「もっと知りたい、もっと学びたい」と思う、意欲をもった子どもを育てていきたいと考えております。

 そのための取組として、子どもの興味・関心を高める理科の実験や観察を充実させるために、理科の専門家や支援員を学校に派遣したり、少人数指導やクラスサポートなどにより、個に応じた学習意欲を高める指導を行ったりする指導体制の充実を図るよう努めております。

 また、子どもたちが驚いたり感動したり考えを深めたりする取組を進めることとしては、

 ○実生活と結びつけて考えることができるような学習

 ○先人や地域の人の業績や生き方に学ぶ学習

 ○体験活動を通して学ぶことや働くことの意義を考えたりする学習

など、指導の内容や方法を工夫して、子どもを引きつける授業づくりの取組に努めております。

 来年度は、これらの取組に加えまして、新しく、子どもたちに理科の面白さを教える「理科フォーラム」や、算数・数学に楽しく取り組める「算数・数学オリンピック」など開催いたしまして、子どもの学習意欲の向上を更に図っていきたいと考えております。

 

3.次に、小学校の外国語活動についてであります。

 今回の学習指導要領の改訂によりまして導入される小学校の外国語活動でありますが、中学校の外国語教育で行う、英語で話したり書いたりできるようになる、いわば語学とは異なりまして、英語を使った楽しいゲームを行ったり、外国の言語、言葉や文化について学んだりしながら、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成する活動というふうにされております。

 この外国語活動は、完全実施になります平成23年度では、5年生、6年生が、それぞれ年間35時間の授業を実施することになっております。

 導入にあたっては、英語を使って授業を行うことに不安を感じる教員が多いと言いますか、かなりだと思っております。そうしたことから、昨年度より全ての小学校を対象に教員の研修も実施しております。

 これまで総合的な学習の時間でも、ある程度こうした英語活動を行っておりますので、そうした経験を生かしながら、円滑な導入が図られるよう取り組んでまいりたいと思っております。

 

(再質問)

 安来市立十神小学校の外国語活動の授業を見て、私は大変いい授業だと感じたが、このことについて教育長の感想を伺う。

 

(答)教育長

 最近、教育関係では、問題報道がなされることがほとんどでありまして、めったに褒めていただくことがありませんで、十神小学校の例で褒めていただきまして、大変うれしく思ったところであります。ぜひ、こうしたいい情報については、どんどん県民の皆様方に知らせていただきたいなと正直に思ったところであります。

 おととしになりますが、共同研究大会が雲南市の三刀屋でありまして、そちらの方にまいりましたときに、低学年が磁石にどういうものがひっつくか、あるいはどういうものがひっつかないかということを、いろいろな物を持ち寄ってやっておりました。例えば、氷を間に挟んだときに、磁石がどの程度力が働くかというようなこともやっておりました。高学年は、電気磁石、コイルをどういうふうな巻き方をどれくらいしたら磁力が高まるかというふうなことをやっておりました。非常に楽しくやっておりましたし、また、教師の皆さんがうまく子どもたちに考えさせたり、あるいは自分で作業させたりしているのを見まして、楽しそうな授業だなということで記憶に残っております。

 私は、2回ほど高等学校で授業を今まで行いました。そのテーマは、2回とも「知ることの楽しさ」ということをテーマにいたしまして、例えば語学の問題でありますとか、あるいは数学の完全数というものでありますとか、諺でありますとか、そんなことをやりました。「知らないことを知ることは楽しいぞ」ということを教えることを行ったところであります。そういうことも、知る楽しさということが意欲につながるものじゃないかというふうに思っております。

 先ほど申しました積極的なコミュニケーションを図るというのは、外国人とのコミュニケーションだけでなく、学級の中で英語のそうしたゲームなどによって、クラスの中でのコミュニケーションということもねらいの一つになっておるというふうに聞いているところであります。

 


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