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浅野議員(自民)

(問)竹島問題について

1.北方領土については、このたび新たに「不法に占拠と」不法の文字を加筆したことにロシアは意見を表明したのみで抗議行為には出ていないことと、日本の教科書の尖閣諸島に関する記述に対する台湾、中華人民共和国の対応と対比して感想を伺う。

(答)知事

1.今般、学習指導要領の解説の内容が変更されたことに伴いまして、各国それぞれの反応がございます。

 北方領土につきまして、ロシア側は、ご指摘のように困惑と遺憾の意を表明いたしましたけれど、特段な抗議行動は行っておりません。

 尖閣諸島につきましては、台湾、中国は、特に抗議活動は、行っていないわけでございます。

 一方、韓国におきましては、政府の対応は、李大統領自ら、この問題に断固とした対応をとるよう政府に指示したところであります。国を挙げての激しい行動になったわけであります。そういう意味におきまして、韓国と他の国の反応の仕方は、随分違うわけでございます。韓国の反応は非常に厳しい、それから国民を挙げての運動になっているわけでございます。そういう意味で、竹島問題は難しいわけでございます。

 領土問題は、やはり最終的には外交交渉によって決着せざるを得ないわけでございます。外交交渉の場に両国が出て話し合わないと進まないわけでございますが、現状を見ますと、韓国にはそういう状況がないわけでございます。

 そういう状況でありますからこそ、日本国内におきまして、国民の島根県以外の方々、国民全体がこの問題について理解を深めるということは大事でございまして、特に、青少年がこの問題に正しい理解を持つということは大事なことでございます。そういう意味におきまして、文科省も今回のような措置をとったわけでございますから、こうした国民への啓発運動を我々としても一生懸命やっていきたいというふうに考えているところであります。


(問)福祉医療について

1.老人との同居家庭を増加させるためには、学校教育の場でもっと子ども達に教えなければならないが、教員がそれを怠っていると見えるが、所見を伺う。

(答)教育委員長

1.お年寄りとの同居に関するご質問にお答えします。

私は、県内における独り暮らしのお年寄りの増加は、産業構造や生活様式の変化なども含め、様々な要因によるものであり、学校教育だけの問題ではなかろうと思っています。

しかしながら、ひと昔前の、家庭と学校と地域が一体となり、愛情を込めて子ども達を育てていた時代には、年長者や親を敬うことが自然と身につき、お年寄りとの同居も普通に行われていた気がします。

そうしたことから言うと、子ども達に、お年寄りを敬い、家族を大切にする心、ふるさとを愛する心がしっかりと根付くよう教えることは、とても大事なことだと思います。

今年3月に改訂したしまね教育ビジョン21の中でも、心の教育やふるさと教育を推進していこうと強く打ち出しております。

子ども達には、地域の様々な方々との交流や体験学習などを積み重ねることで、ふるさとへの愛着や誇りを育んでもらうとともに、お年寄りを敬い、家族を大切にする心など、豊かな人間性を身に付けてもらいたいと考えています。


(問)県立学校の再編について

1.県立学校の再編について、地元の意見や要望をできるだけ尊重していくと答弁されたが、この考え方は、結果的に現状を維持すると受け止めているが、所見を伺う。

2.島前高校について、小規模校なりにスリム化してでも本校は残すべきと思うが、小規模校の存続と充実について所見を伺う。

(答)教育長

1県立高校の再編成についてお答えします。

 今年度中に策定予定の再編成計画の大要は検討委員会の答申どおりとしたいと考えております。

 統廃合基準は従来どおりとし、たとえば、分校や1学年1学級の本校に関して申しますと、現行の40人学級を前提にして、3学年で63人を下回り、増加する見通しが立たないと見込まれる場合には、統廃合を検討することとしております。

 一方、高校は教育の場としてはもとより、地域コミュニティや文化的拠点としての役割も果たしております。

 こうした点を総合的に判断する必要がありますが、今日の社会経済情勢や地域をいかに守るかという政策の中にあって、今直ちに5年後、10年後の各学校の姿を地元合意の上で明らかにし、提示することは困難であると考え、基準の策定にとどめ、具体化については各地域の合意形成を図りながら存廃について検討していく考えであります。

 離島や中山間地域の高校については、地域を維持しながら高校も維持していく、それが最も望ましい方向だと考えております。現実は少子高齢化の中にあって、望ましい教育水準を維持するに足る生徒数の確保が困難となるような小規模校が併存する、適切な表現ではありませんが、どっちつかずの状況も予測されます。

 まずは、地元の熱意と努力による存続の道を追求していくこと、それがかなわないときには、地元の合意形成による統廃合も考えていくことだと考えております。

2.島前高校のような小規模校の実態についてお答えします。

 隠岐島前高校におきましては、教頭も一般の教員の持ち時間の半数の授業を担当しております。また、事務職員につきましては、管理職手当のない事務長と担当者の2人体制であり、現在、必要最少限の人員配置で、効率的な学校運営に努めているところです。

 このような中で、教員の確保については、国からの少人数指導等による教員の加配を得て行い、教育の質の維持・向上に努めております。

 しかしながら、こうした措置には限界もあります。人材の配置には物理などの担当科目と授業時数の関係もありますので、今後とも地元と連携協力するとともに、国に対して教職員定数の見直しなどを引き続き働きかけるなど努力してまいります。


(問)養護学校分教室の設置について

1.養護学校の分教室設置について経過と内容と、雲南地域、六日市周辺等の将来展望があれば所見を伺う。

(答)教育長

1.次に、安来分教室、邇摩分教室の設置についてご説明いたします。

 松江養護学校の在籍者数は、平成19年の120名が、来年度は150名前後に、出雲養護学校の在籍者数は、平成19年の115名が、来年度は140名前後になると予測され、その後も増加することが見込まれております。

 このため、両校の既存の教育施設では対応が困難になると考えられますので、(1)地域ごとの児童・生徒数の見込み(2)社会参加と自立に向けた望ましい教育のあり方(3)そのための施設や教員配置はどうあるべきか、などについて検討してまいりました。

 その結果、安来高校と邇摩高校への分教室の設置がもっとも望ましいとの結論に達しました。

 施設としては、既存の高校の校舎の一部を改修し、さらに必要な施設は新築いたします。体育施設や音楽室等の特別教室は各高校の施設を共用します。

 これらによって、同世代の高校生との交流が促進できることから、高校、特別支援学校のいずれの生徒にとってもお互いに理解を深める機会が増え、教育上様々なメリットがあると考えております。

 各分教室とも、単一障害の生徒を対象に、各学年1クラス8名を定員とし、初年度から3学年とも受け入れる予定です。なお、お尋ねの「雲南地域、六日市周辺等の将来展望」につきましては、現時点では、検討いたしておりません。


(問)統一学力テスト結果の活用策について

1)教育委員会は、県内の学校の学級並びに教科ごとの成績を、どの立場の方々に、どのように発表あるいは通知したか伺う。

2)統一テストのねらいは、学校ごとのカリキュラムの取り方の改善と先生の生徒・児童への教え方の改善に役立てることと思うが、具体的にどう生かしたのか伺う。

3)今までのような一般的研修ではテスト活用効果は薄いと思うが、全国学力調査で成績が良かった秋田県と対比して、もっと徹底して指導すべきと思うが、期待できる具体策を伺う。

(答)教育長

1.県の学力調査については、各市町村の教育委員会へは、所管する学校、学校ごとの学年、それからその学級ごとの結果を送付いたしております。

 また、学校には、それぞれの学校の学年、学級、児童生徒個人の結果を送付しておりまして、生徒一人一人には、自分の優れている点や努力すべき点などの結果が分かるように行っております。

 そしてまた、いずれについても、県の平均と比較いたしまして、学校や学級の状況が分析できるようにいたしております。

 全国の学力調査についても、文部科学省から市町村の教育委員会へ直接送付されておりますけれども、県の調査と同様な分析ができるようになっております。

2.こうした調査に基づきまして、本県においては、特に、家庭での学習の時間が絶対的に不足していることが明らかになっております。また、思考力・表現力が十分でないということもございまして、これらの喫緊の課題を、重点的に改善していく必要があろうかと思っております。従いまして、各学校では、この調査結果を学校・学級、それから、学級の関係で担任・生徒個人の単位で分析し、学校や学級の課題・生徒一人一人に応じた対策を立て、学習指導を行っております。

 こうした指導にあたりましては、家庭の学習時間を増やすことと基礎学力の向上の両面をねらいまして、昨年度から学習プリント配信システムを導入いたしております。

 教師の学習指導の在り方については、子どもたちの学ぶ意欲を高め、学び合いを通して、思考力や表現力を育むということで本県の弱さに対応する必要性がございます。そのため、学力向上プロジェクトとして、今年度について申しますと、全ての小学校を対象にした、算数学力向上セミナーを実施いたしました。

 中学校においても、平成18年度から、中堅の教員を集めまして、授業力の向上セミナーを開催し、教員の一人一人が、専門性や教科の指導力を高めるよう研修の強化・充実に努めております。

 こうした3年間の取組によりまして、学校現場での問題意識、あるいは市町村教育委員会の取組は、相当程度高まってきたと思っております。調査の継続についても強い要望もあります。

 学力向上については、小学校と中学校、中学校と高等学校が一体となり取り組むということも必要であると考えております。このため、学習状況の連続性を重視した取組、言い換えますと小学校、中学校、高校の連携ということについても積極的に進めるということを校長に要請しておりますし、また、市町村教育委員会も積極的に進めようと、ただ今しております。

3.秋田県の実態につきましては、昨年度、職員を調査に行かせました。また、さまざまな報道を分析いたしますと、秋田県の学力が向上した要因がいくつかあげられております。

(1)少人数指導などきめ細かな支援が充実している

 (2)児童生徒に意見交換をさせ、考えを深める指導を積極的に取り入れている

 (3)家庭での学習時間が十分に確保されている

 (4)教員や学校に対する保護者や地域の信頼感が厚い

 (5)学校、教育委員会、大学間の授業研究などに関する連携がしっかりしている

というふうなことがあげられております。

 本県においても、先程申しましたような調査を平成18年度からお願いいたしまして、県単独の調査と向上対策を行っているところであります。

 少し繰り返しになりますが、申しますと、

 (1)家庭での学習時間を増やす取組

 (2)学習意欲を高める取組

 (3)放課後や夏休みなどに学習の補充を行う取組

 (4)筋道を立ててものごとを考える力を高める取組

などを行っておりまして、徐々にではありますがこうした取組の成果が現れているというふうに考えております。

 今後も、秋田県の例も参考にしながら、学校、教育委員会、大学の授業研究などの連携もさらに密にいたしまして、これまで本県が取り組んできた学力向上対策をさらに強化し、積極的に取り組んでいきたいと考えています。


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