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報告第67号

 

(小林高校教育課長)

 報告第67号県立学校における県費外会計調査結果についてご報告する。

 この調査を実施する経緯は、平成20年5月に島根中央高校事務長によるPTA会費等の不正支出が発覚し、県教育委員会で全ての県立学校において県費外会計の処理状況を点検していたところ、その点検の中で新たに浜田水産高校で同様の事件が発覚した。これを受けて、それまでの学校徴収金取扱要綱を全面改訂したところである。

 ところが、平成21年9月に大田高校で教員が同窓会関係の会計について不正支出を行っていたことが発覚し、再び全ての県立学校の調査を行った。今年度も全ての県立学校の調査を行っており、その結果をご報告するものである。

 調査の概要については、資料4の1に記載しているとおりである。今年度開校した宍道高校を含めて55校全てを回った。調査期間は8月5日から11月18日であり、高校教育課と特別支援教育室の職員が2人1組で各学校に出向き、帳簿の点検、処理状況の聞き取り等も含めて調査を実施したところである。

 不正支出の有無について、当然と言えば当然の結果だが、全ての県立学校で不正な支出はないということを確認した。学校によって会計の数が異なり、会計の規模等によって時間がかかるものもあったが、全てにおいて不正はないという結果を得たところである。

 調査の状況については、4の1の3に記載している。県費外会計というのは、学級費、教材費等の学校徴収金会計とPTA関連や同窓会会計等の団体会計の2つがあり、これらについて調査を行ったということである。

 点検項目は、4の2に丸1から丸6まで記載しており、これらについての不正はなかった。ただし、丸7に記載しているように、会計が細分化されており、似たような会計がたくさんある学校があり、保護者に非常に分かりにくくなっている状況もあった。また、記念事業が終わった後の会計を、学校が引き続き管理しているということもあり、これについては、同窓会やPTAが管理主体となって管理するように指導した例もある。

 4の3に調査の総括を記載している。調査を行った感想として、やはり学校長が率先して問題に対処している学校は、会計の管理が非常によくできている。特に校長、教頭、事務長の管理職が手分けをして随時やっていく必要があると思っており、転勤時期である年度の変わり目などで担当者が変わった際の引き継ぎについても注意する必要があると思っている。

 また、学級会計等は教員が担当している場合も多いが、今後は高校教育課でマニュアル的なものを作成し、基本的な会計についての研修も進める必要があるかと考えている。

 なお、来年度以降について、全校を回るということはかなりの負担があるため、毎年3分の1ずつ、3年に1回調査を行い、特に改善指導した学校については翌年度も調査するという形にしていこうと考えている。

(渋川委員)

 4の2の4丸7の改善の余地があるところの最終的なチェックはどういう形でおこなうのか。例えば、改善報告などを求めるのか。

(小林高校教育課長)

 これについては、4の3の6(1)丸2に記載しているが、改善指導したところについては、校長による2学期末の点検調査が終了する1月末に再度確認することとし、報告を求めたいと考えている。

(渋川委員)

 改善されていなかった場合は、どうするのか。

(小林高校教育課長)

 それは絶対に認めない。今回、改善指導した学校については、来年度も必ず回ろうと思っているので、徹底的に指導したいと思っている。

(渋川委員)

 是非徹底して、あいまいに終わらないようにしていただきたい。それから、どの会計もきちんと年度で締めて報告がしてあるのか。例えば、記念事業などはそのまま温存されてしまっているものだと思うが、どうか。

(小林高校教育課長)

 基本的に全ての会計で要綱に沿って学期毎に点検を行い、最終的には年度末に監査を行って、保護者にも監査報告することになっている。

(土田委員)

 保護者から見ると、子どもの授業料が一番大きい負担になっていたと思うが、今年度から授業料が無償化となった。これまでは、授業料と一緒にいろいろな会費を納めていたが、授業料を納めなくても授業が受けさせてもらえるということになり、会費等を納めない保護者が出てくるのではないかと思う。授業料と徴収がバラバラになってくると、会計の管理が難しくなり、不正が起こる可能性があるので、マニュアル等を作って指導していく必要があると思うが、どのように考えているのか。

(小林高校教育課長)

 ご指摘の件は、全国的に懸念されているところであり、従来は授業料と一緒に諸会費も口座引き落としされていたが、会費だけとなり、滞納が続くような実態もあるようである。例えば、PTA会費は基本的にはPTA自体が所管するものであるが、県立学校の事務長会ではいつも議題となるところであり、未納を解決する方法について情報交換している。これについては、今後研究していかなければならないと思っている。

(土田委員)

 不足部分が本当に滞納であればよいが、会計を担当する者が一時的に流用しているようなことがあってはいけないので、どういう形でチェックするとよいか全国の状況なども研究しながら検討されるとよいと思う。

(山本委員)

 PTA関連等の団体会計の監事は保護者などがなっているのか。

(小林高校教育課長)

 まず、校内監事というものがあり、全ての県費外会計について基本的に校内で監査を行い、それからPTAによる監査を受け、PTA総会で報告するような形にしている。

(山本委員)

 これまでで不正が多かったのは学校徴収金会計かそれとも団体会計か。

(小林高校教育課長)

 団体会計である。

(金築次長)

 会計はたくさんあるが、金額としては一括してまとめて徴収する。これまでは例えば、授業料1万円と学校徴収金、PTA会費等の各会計分1万円、合計2万円を一括して徴収し、その1万円を学校の事務室で按分して管理していた。この段階では現金は動かないので、不正行為は招かない仕組みになっているはずであるが、今度は会計毎に支出していく段階で心配な要素が出てくる。

(小林高校教育課長)

 これまでは、通帳と印鑑を1人の教員が持っており、引き出したいときに引き出せたということである。これを通帳と印鑑の管理者を分担し、1人では出せない仕組みに変えたところである。

(北島委員長)

 不正が起きないようにすることが最も重要である。今のように一生懸命取り組んでいるときは不正は起こりにくいと思うので、2、3年経って油断が生じかねないときに、またしっかり調査するというような方法もあると思う。今後も関係機関で十分に情報交換しながら進めていただきたい。

 

 


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