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報告第76号

○卜部文化財課長

 報告第76号記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財の選択についてご報告する。

 去る1月16日に、国の文化審議会から文化庁長官に、島根県の西田のヨズクハデ製作技術と、島根県、鳥取県にまたがる出雲・伯耆の荒神祭を記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財として選択するという答申があった。

 重要無形民俗文化財とどう違うのか等、いろいろわかりにくいと思う。記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財の選択とはどういうことかというと、いわゆる重要無形民俗文化財の指定になじまないもので、国民の生活の推移を理解する上で欠くことのできないもの、調査の成果が不足していて現時点では重要無形民俗文化財の指定には至らないが、今後の調査の進展や伝承状況の確認等によって指定の可能性が予想されるもの、こういったものを選択、記録する文化財と言われている。重要無形民俗文化財の指定になじまないものとはどういうものかというと、個々の家庭単位で行われている年中行事、婚礼、葬式などの儀礼のように、伝承が個人の裁量にゆだねられている比重が高いもの、また、焼き畑のように今日では経営的な面から生業として成り立たず、今後の存続が担保できないもの、また、公序良俗の観点から好ましくないものということが挙げられている。

 

 西田のヨズクハデについてであるが、大田市温泉津町の西田における稲ハデを作る技術である。稲を刈り取った稲束を乾燥させるためにハデを作るわけだが、そのハデの形が非常に特徴的で、フクロウが羽を休めたような状態の格好によく似ている。4の3ページに写真があるのでご覧いただきたい。四角錐のようにハデ木を組むわけだが、狭い面積でも効率的に乾燥させることができる。この技術は西田だけに伝わっているものであって他では例がなく、我が国の農耕にかかわる民俗技術を理解する上で貴重であると言われている。

 もう一つが、出雲・伯耆の荒神祭である。こちらは所在が島根県、鳥取県2県にわたるものである。島根県の出雲地方と鳥取県の伯耆地方の荒神すべてが対象に入っている。よって、お宮の境内にある荒神さんから家庭の荒神さんに至るまで、我々としては全体をつかみにくいところもあるが、記録作成に入っている。荒神さんというのは御存じのように、わら蛇と大量の幣束を作製して荒神に供える点に特徴がある。荒神にその年の収穫等を感謝する行事で、主に11月から12月にかけて行われる。出雲地方ではコウジンマツリ、伯耆地方ではタツマキサン、モウシアゲなどと呼ばれている。我が国の民間信仰、特に収穫感謝に関わる荒神信仰を考える上で貴重であるということで、このたび選択されている。4の3ページの下にあるのは松江市八雲町西岩坂の志多備神社の荒神さんの様子である。大きな木にわら蛇を巻いている。

 島根県で現在選択されている数が19件、今回答申を受けたのが2件であり、合わせて21件の選択を受けている。4の4ページに過去に選択を受けたもの19件を記載している。このうち国の指定になったものが5件ある。このように、指定の可能性があるものは順次、年月はかかるが指定されていくものと考えている。

 

○山根委員長

 記録作成は誰が行うのか。

 

○卜部文化財課長

 基本的には国、文化庁で行う。例えば4の4ページで19番目に挙げている隠岐西ノ島のシャーラブネについては昨年から記録作成を行っている。盆に精霊を送る様子を、文化庁が国立民俗博物館に委託し、ビデオ撮影しており、現在その音入れ作業をしているところである。単に映像を撮るだけではなく、記録を取りながらいろいろなことを調べ、それを映像に納め、記録を作っている。

 

○山根委員長

 そうして記録されたビデオ等は国が保存しているのか。

 

○卜部文化財課長

 島根県教育委員会文化財課古代文化センターで、国指定、県指定の無形民俗文化について撮影を行っている。一般の人に見ていただけるように編集したものも作っており、それは時々公開している。

 

○山根委員長

 それららはどこで見ることができるのか。

 

○卜部文化財課長

 イベントで上映したり、貸し出しを行ったりしている。

 


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