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報告第33号

(鴨木生涯学習課長)

報告第33号第二次「島根県子ども読書活動推進計画」について、平成21年度から5カ年計画の策定作業に着手したのでご報告する。

 資料6の1ページ1番の経緯であるが、平成13年に根拠となる法律ができている。「子どもの読書活動の推進に関する法律」である。この法律により、国、県、市町村それぞれに子どもの読書を推進するための具体的な施策などを定める計画を策定することになっている。

 2番の第二次計画策定に向けた作業の状況であるが、(1)に書いているように、子ども読書活動推進会議を設置している。これは要綱設置の事実上の有識者会議であり、いわゆる附属機関には当たらない。

 これまでの5年間の第一次計画では、概ね順調に推移してきたが、特に次のような点が課題になっている。1点は、市町村の計画策定率が全国平均と比べると著しく低いということである。現在、21団体中3団体でしか策定されていない。さらに、学校図書館の蔵書、「図書標準」の達成率、これも島根県内では低位にとどまっている。達成率は概ね20%程度である。さらに保護者やボランティアの協力体制づくり、これは大変重要であり、小学校では非常に進んでいるが、中学校では今ひとつである。このような課題も踏まえ、21年度から5カ年の第二次計画を策定したいと考えているが、特にこの計画については溝口知事から指示をいただいている。子ども読書をもっと進めたいということで、次の5カ年計画については具体性のある計画にすべきである、あるいは実現を担保する力を持つ計画であるべきである、さらには市町村計画の策定率が低いわけであるので、市町村に積極的な取組を促すような計画とすべきであるという指示である。

 そういったことから、6の1ページの一番下、(4)の方針であるが、「子ども読書県しまね」を標榜し、読書活動を県民運動として推進するという基本理念に立った計画にしてはどうかと検討している。さらに、県の基本計画の中に、特に県から市町村に対する支援措置、具体的には財政支援であるとか人材養成などであるが、それを明らかにすることにより、市町村が積極的に計画策定に向かっていくよう促すことのできるものにしたいと考えている。

 次のページであるが、当面このような要綱設置の有識者会議で原案の策定を進めたいと考えている。

 その委員のメンバーを6の3ページに記している。6月2日から2年間の任期で委嘱しているが、12名の関係の方々にお集まりいただき、原案の議論を始めようとしているところである。

 6の4ページに策定スケジュールの概略案をつけている。縦に5月、6月、7月と時系列で、来年の3月に向けたスケジュールを書いており、表頭、横の方にご覧いただくと、まずは先ほど申し上げた要綱設置の推進会議で原案をたたいてもらう。そこに対して職員によるワーキンググループでの議論を反映していく。なお、この子ども読書活動推進会議は、第1回目を先般、7月25日に開催し、今後具体的な作業に入るということで関係の方々に概要などを説明したところである。今後、ワーキンググループと推進会議で原案をたたいていき、一番右端である、教育委員会に折々報告をさせてもらい、最終的には教育委員会の議決をもってこの計画を策定する予定である。

(七五三委員)

 町村の図書備品費の予算計上額が地方交付税の算定数値よりも非常に低い、町村長が学校へ本来予算化すべき地方交付税を一般行政経費に使うというようなことが話題になったことがあるが、島根県の場合はどういう状態であったか。

(鴨木生涯学習課長)

 19年度の市町村の図書購入費の予算措置状況は、交付税措置の概ね半分程度、47%である。よって、交付税措置に対して市町村の歳出予算が十分でないという点はあるが、前年と比較すると予算計上額を伸ばしている市町村も出てきている。そういう意欲を持った市町村の後押しをしながら、先ほど申し上げたように市町村が子ども読書に積極的に取り組むことができるような、それを誘導できるような計画、具体的な支援措置が明らかにできるような第二次計画にしたいと考えている。

(七五三委員)

 読書活動推進会議が何らかの形で市町村に対して、交付税の額をある程度担保するよう働きかけないと、本を読めと言っても、本を導入することの問題をどう解決するかという問題があると思う。

(鴨木生涯学習課長)

 子ども読書を進める際、施策、主体は多岐にわたる。特に今回の第二次計画の中でスポットライトを当てるのは、学校図書館の機能をいかに充実すべきかということであり、これについてある程度の方向性を見出していこうという考え方で議論を進めている。

 学校図書館の機能の中には、蔵書の問題もある。そして、それに加えて人員配置の問題がある。12学級以上の小・中学校には司書教諭が既に配置されているが、司書教諭が学校図書館に常時いるわけではなく、当然通常の授業もしながら司書教諭としての業務を重ねて行っている実態があるので、その司書教諭にどういった部分を担ってもらい、足らざる点があるとするならば、市町村の施策を誘導しながら学校図書館に何らかの人員配置をしていく、それを促進できるような施策はないのかというようなことを考えていきたい。

 一方、蔵書については、これは普通交付税の中にきちんと財源措置がなされているので、まずはやはりその財源措置を市町村に十分に活用していただく、自ら蔵書整備に対して積極的に乗り出していただく、そこを促していくことが大事ではないかと考えている。

(七五三委員)

 おっしゃるとおりだと思うが、もう一点考えておかなければならないのは、学校の管理職に意図を理解してもらうことである。学校経営は学校の管理職が経営方針を決定するので、管理職の先生方にも読書活動推進について意図を理解してもらう努力をしないと、市町村長が予算を増やしても実際に学校ではそれが生かされないという問題も起きかねない。両輪を合わせてやっていくことが大切だと思う。

(渋川委員)

 個人的な意見だが、蔵書が増えても、子どもたちが本を好きにならなければ読書の習慣づけはできないと思う。小さい子だけでなく、字が読める子にも読み聞かせはよいと聞いたことがある。ボランティアを活用して、小学校の低学年でも読み聞かせをすると、興味を持って読書の習慣づけが進むと思うのでそういったことも考えていただきたい。

 


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