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報告第49号

(小玉生徒指導推進室長)

 報告第49号平成18年度生徒指導上の諸問題の現状についてご報告する。

 昨日、文部科学省から報道発表があり、昨日はテレビ及びラジオ、今日は新聞で報道されている。本県の状況については資料のとおりである。

 暴力行為の発生状況の件数は昨年度より16%余り増加しているが、小学校で学校内の発生件数が平成17年度40件に対し、平成18年度104件と大幅に増加している。

 形態別では小学校で対教師暴力36件と生徒間暴力41件の件数が平成17年度に比べ増加しているが、生徒児童の数人又は数人のグループの行為の繰り返しによる件数が多い状況である。小学校の発生学校数は8校となっており、発生件数は大きく増加しているが、学校数はそれほど増加していない状況であり、決して暴力行為が蔓延し、広がっている状況とは違うととらえている。特別支援を要する子どもや様々な家庭環境の子どもに対し、学校としてはチームでの対応、学校全体での対応ということで授業等についてティーム・ティーチングを行うなど、できるだけ子どもにきめ細やかな指導で対応するよう努力している。

 いじめの発生状況について、今回の新聞にも掲載されていたが、全国のいじめの件数が2万件から12万5千件ということで数字が6倍に上がっている。平成17年度までは、いじめの定義に継続性という言葉が入っていたが、平成18年度の調査から継続性という言葉はなくなっている。したがって、平成18年度から1回の子ども同士のいさかいやけんかにより、子ども自身がいじめを受けたと感じた時点でいじめとして認定することになる。子どものいじめについての状況の把握の徹底ということで、学校側でもアンケート調査や個別の面談等による聞き取り調査により、より実態に近い数字の把握に努力していたが、本県は141件から514件と3.6倍に増加した数字の報告を受けている。

 数字の増加に伴い実態がひどくなっているかというと、学校の現状は、今までと状況の変化は大きくはないと感じているが、我々が認識するいじめの状況と子どものとらえるいじめとの実情のずれがあることは間違いないので、今までやってきた研修等の充実や校内でのチーム対応をさらに徹底させたいと思っている。

 いじめの態様について、パソコンや携帯電話での誹謗中傷の件数が、まだ本県は18件の届け出となっているが、どんどん浸透している状況にあるのではないかと懸念している。

 高等学校の中途退学の状況調査について、中途退学者数は平成11年度の331人をピークにして年々減少しているが、中退率1.12%の退学者がいる現状について、よりきめ細かな対応や進路指導の視点からのサポートが必要であるととらえている。

(山根委員)

 いじめの認知はどのように行うのか。

(小玉生徒指導推進室長)

 本人がいじめられていたという意識を持てば、いじめとして認知することになる。今までは何度か繰り返されなければいじめとして認知されなかったが、1回でも本人がいじめと感じれば認知される。

(山根委員)

 軽微なものまでカウントするかどうかにより、学校ごと、都道府県ごとのいじめの件数は随分違ってくると思う。いじめの件数の数字だけが一人歩きして過剰に危機感をあおってしまうのではないかと危惧している。全国同じ基準なら比較するのも参考になるが、いじめの認知件数により一喜一憂するのは危険ではないかという気がしている。数字に過剰に反応してもいけないし、無視してもいけないという感想である。

(秦教育監)

 子どもの様子をしっかり見て、人権意識を持ってこれはいじめであると判断できることが教員にとって大事であるので、島根県ではそのための研修を随分やってきたと言えると思う。

(渋川委員)

 深刻ないじめもあるが、実はコミュニケーションが下手な子どもが増えていて、表面的には相手を傷つけまいという会話しかできないが、インターネットやブログなどでは言葉の暴力をするようになっていると思う。いじめに対してはディベートのような討論することを子どもに学ばせないといけないと思っている。

(石井委員)

 教員の研修について、特にいじめをする側の保護者に対してどういう対応をするかという研修をする必要があると思う。いじめる側の子どもの親をどのように研修させるか、話を進めるかということに実際に現場で一番苦労したので、その対応をどのようにしていくのかが重要であると思っている。

 不登校の子どもは、もちろん病気の子どももいると思うが、何らかの形のいじめがきっかけになっていると思って取り組む必要があると思っている。


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