• 背景色 
  • 文字サイズ 

3月(第2回)定例記者会見(3月16日)

質問事項

1.東北地方太平洋沖地震への対応について

 

○山陰中央新報

 震災についてなんですが、必要な物資を送るという部分が始まったんですが、今、未曾有の災害で避難を始める人がたくさん出てまして、近県から移られるということかもしれませんが、受け入れ体制については、今後何か県として検討される考えはあるんでしょうか。

 

○溝口知事

 県として、既に各部局において種々の検討をしております。御指摘のような避難をされる方を受け入れる施設、これは公営住宅でありますとか、それから県の宿舎でありますとか、利用可能なものの集計をしておりまして、必要があれば対応できる準備を整えつつあると。また、そういう関係は市町村でもされますし、それからさらに長期滞在を希望されたりされる方もきっとあるでしょうから、そういう面についても利用可能な施設等、空き家等もありますから、そういうものの調査も関係部局で既に始めております。準備を始めておると、こういうことであります。

 

○山陰中央新報

 どういう施設が受け入れ可能とかいうのを取りまとめた上で情報提供されるんですね。

 

○溝口知事

 それは、そういう状況になればしますけれども、今やっている最中です。

 

○山陰中央新報

 その目途がいつごろになると、公表でき次第というのはまだ......。

 

○溝口知事

 それはちょっと事務的に聞いてください。

 

○NHK

 原発の安全性を早急に見直す必要があるという御発言がありましたけれども、どういった内容で、どういう方向でというのは。

 

○溝口知事

 一つは、今回の事態は、これは報道でありますとか、あるいは中電等も現地に10名を超える人たちが支援等で出かけておりますから、そういうところでも情報の収集をしておりますけれども、そういうことから総合的に勘案しますと、一つはやはり安全性をはかるときに、やはり地震の大きさというのが一つの大きな要素ですね。それがやはり過去になかったような巨大なものであって、想定しているよりも大きかったということが一つの要因ですね。

 

 それからもう一つは、あのような大きな津波が起こって、それがもたらす影響ということがこれまでの国の安全基準なり対策の中に十分入っていない可能性が高いわけでありまして、そういう点をきちっと見直すということが必要なことです。それは今の緊急事態の中で、当然情報なんかも集まるでしょうし、そういうものを踏まえて抜本的な見直しをする必要があるということであります。

 

○NHK

 中電は同じ沸騰水型なわけですけれども、改めて中電に対して現時点での要請とかということは考えていらっしゃいますか。

 

○溝口知事

 中電とも、事務的にもいろんな情報収集をしておりますけれども、私からも社長等に対しまして電話でありますけれども、状況あるいは中電の得ている情報等も聴取しておりますし、それから中電として対応すべきことを私どもからも言っておりますけれども、中電自身も検討といいますか、やっております。

 

 例えば今回の津波の影響によりまして、津波が建物にかかるといったようなことで冷却水を送る系統に不具合が出て、それが動かなくなったということがございますから、そういうものに対する直ぐに可能な対応、例えば防水対策をするとか、あるいはさらに、例えばそういうモーター、電気系統の予備を増やすとか、電源車を手当てをするとか、そういう直ぐに可能なもの対応しているという報告を受けております。それは当座の話ですから、今後の話としては、原子力発電全体の安全性確保、そのあり方等々をきちっと整理をして、これは国がやらなければなりませんけれども、そういうものをしっかりやってもらうということであります。

 

○山陰中央テレビ

 やっぱり原発の安全性について抜本的な見直しが必要というお話がありましたが、福島第一原発の件についても、恐らく事故に至ったプロセス等は、時間を追えば明らかになってくるかと思うんですが、このあたり、今点検中で止まっています島根原発1号機に対して、地元として運転再開にゴーサインを出すのかという判断が間もなく来ますし、3号機の運転の燃料装荷も間もなく始まりますが、その辺の判断に対して影響を与える可能性はあるんでしょうか。

 

○溝口知事

 それは、今の事態を踏まえて、よく検討してまいりたいと思います。今どういう影響があるかということは、確定的なことは言えませんが、状況を見て、国の原因究明とか、それに対する必要な対応とかというのが出てまいりますから、そういうものに照らしてどうであるかという検討はしなきゃいけません。今どうするかということは、その上で考えていく必要があるというふうに思っています。

 

○山陰中央テレビ

 3号機を、新たな知見が出て、仮にもうバックチェックで今ゴーサインが出ているものが、新たな知見が出れば、それは見直すことになると思うんですが、1号機については......。

 

○溝口知事

 それは当然そうですね。それは私は前から言っているところでありまして、これまでもいろんな知見が出たり、いろんな状況が出てまいりますから、そういうものを経て必要な改善をするなり必要な対応をしなきゃいかんわけでありまして、そういうプロセスの中で当然やっていくべきことだというふうに思います。

 

○NHK

 逆に言いますと、そういったプロセスに何か、原因究明なんかがはっきりしないまではゴーサインというのはなかなか出しづらいと。

 

○溝口知事

 そこら辺は今後、予断を持って今言う状況じゃないです。やはり客観的な分析をして、考えていかなければならないと思います。

 

○時事通信

 知事、県庁所在地に唯一ある原発で、10キロ、20キロで想定されてない事態が起きていて、ここでも起きる可能性があるとすれば、この県庁がその輪っかの中に入ってしまうということに関しては、どう考えられますか。

 

○溝口知事

 今回の事例なんかを見ますと、避難区域が県外にも及び得るわけですから、これも新しい事態ですね。そういうものに対してどう対応するかということは、やはり国全体の問題として考えていく必要があります。

 

○時事通信

 県庁がその半径の中に入ってしまうというのは、そういうことが、県庁を移転でもしない限り、そういうことが起こらないという前提のもとの防災計画になってしまうような気がするんですが。

 

○溝口知事

 それはいろんな考慮しなきゃいかんことがあるでしょうから、そういうものはきちっと、新しい知見をもとに検討していくということでしょう。今どうするという結論が出る問題じゃありません。

 

○時事通信

 その新しい知見をもとに、その大丈夫という枠組みの中におさめてつくってしまうような気がするんですね。

 

○溝口知事

 今具体的な状況が十分わかっているわけじゃありませんから、そういうものをよく踏まえて検討すべき、関係するものはすべて検討していくという考えです。

 

○新日本海新聞

 日本海新聞ですが、今の件に関連して、避難地域が県外にも及ぶというのは、これは具体的には鳥取県、弓浜半島側にも及ぶという意味だったんでしょうか。

 

○溝口知事

 30キロというようなことになると、入りませんか。

 

○新日本海新聞

 入ります。

 

○溝口知事

 だから、それは、そういう問題をどうするというのは、やっぱり国全体の問題です。

 

○新日本海新聞

 はい。それともう一つが、今の県庁ですとか、あるいはオフサイトセンターでの対応の問題なども出てくると思うんですが、まずはやはり住民の避難経路の確保などを検討することだったら、まずできるんではないかと思うんですが、そのあたりについてはいかがお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 そういう問題も当然検討の俎上に上がってまいりますけれども、それは、そういう中できっちりやっていきたいと思います。

 

○中国新聞

 今の件は、直ぐに検討を指示するということではなくて、いろいろ今後情報が出てくる、知見が整理するのを幾らか待つということですか。

 

○溝口知事

 いや、可能なものは、それはすべてやっていく必要があります。

 

○山陰中央テレビ

 総じて言うと、原子力防災計画の見直しの必要性は感じておられませんか。

 

○溝口知事

 防災計画といいますと。

 

○山陰中央テレビ

 今、毎年防災訓練されていますし、想定もあって、シミュレーションもされていると思うんですけれども、このあたり、例えば今、地震が起きたことで原発から放射性物質が漏れ出すという想定はないと思うんですけど。

 

○溝口知事

 それはいろんな可能性がありますから、いろんな対応は想定していかなきゃいかんと思いますが、県としてできることは当然やってまいります。

 

○時事通信

 県庁を移すのもやめますという考えもありだと思っとられるんですか。

 

○溝口知事

 え。

 

○時事通信

 その範囲内に県庁があると、起きないという前提でつくってしまうのではないかと。

 

○溝口知事

 そこら辺は、地震の対応でありますとか、いろんなことが関連してまいりますから、そういう中で、やはりこれは原子力発電全体の問題ですから、国ともよく相談しながらやっていく必要があります。それから所在する県等もいろいろありますから、そういう中できちっとやっていく必要があるというふうに考えています。

 

○時事通信

 可能性は否定しないということでしょうか。

 

○溝口知事

 何の可能性ですか。

 

○時事通信

 その移転......。

 

○溝口知事

 いやいや、そのようなことを軽々に、それはわからない、そういうものについて今論議を軽々にできるもんじゃありませんでしょう。それはやっぱりきちっとした客観的なデータなり、いろんなことを考えながらやるべきことでしょう。

 

○読売新聞

 先ほどモニタリングポストを2カ所増やすというお話があったと思うんですが、どことどこに、どういうふうに計画されるんですか。

 

○溝口知事

 それは後で、この後、事務方の方から説明します。

 

○中国新聞

 国が今までやっぱり原発は安全だと言ってきたのが、今回は崩れたような格好になっているんですけども、国に対して具体的にこういう申し入れをするとか、そういう何か、こちらから何か要請していく......。

 

○溝口知事

 それは国自身も、新潟の地震があって耐震基準等を見直したわけです。そこでいろんな新しいチェックを入れたり、あるいは想定する地震の大きさとか、そういうものをしましたが、今回のような巨大な地震とか、あるいはそれによる大津波の発生、それによるいろんな電気系統の不具合の発生とかは十分、そのときの耐震安全性の基準だとか、そのための対応だとかが十分でなかったから起こっているわけですね。だから、そういうものをどこまで考えなきゃいかんかとか、そういうことをきちっとやらないといけません。そういう意味で、抜本的な見直しが必要だろうと。それで、国に対しては、もちろん国が承知していますから。中電にもそういうことを、電気事業界全体として、国とよく話もしなさいということも言っております。

 

○中国新聞

 県として具体的に要請するとかは......。

 

○溝口知事

 県もそれは、非公式にはいろんな経済産業省の方などとも意見交換をしております。それはいろんなルートでこれからやっていかなきゃいけません。ただ、国の方は当座の事態をどう収拾するかに全力を挙げていますから、その後の話になります。

 

○中国新聞

 それが落ちついてからという話ですかね。

 

○溝口知事

 落ちつくというか、もちろんやる人もいるでしょうが、当然やっていくということでしょう。

 

○共同通信

 1号機と3号機の判断を下す前に、中電や住民とかを交えた何か説明会というのを開かれるようなお考えというのはあるかどうかをお聞きします。

 

○溝口知事

 もちろん今までやっておりますように、住民の方々への説明をよくやっていきたいと思います。

 

○共同通信

 それは、今回の地震を受けて、改めて住民側からの中電に対する津波対策とかを......。

 

○溝口知事

 それは当然必要になると思います。今回の地震の対応でありますとか、それから地震の想定しない事態がどういう形で起こっているとか、そういうものはいろんなデータがこれから集まってくるでしょうし、それから政府の方もそういういろんな整理をされるわけでしょうから、そういう動向を見ながら説明をするというのは当然やっていかなきゃならないというふうに思います。

 

○共同通信

 そういうプロセスを経ないと判断は下さないという理解でよろしいですか。

 

○溝口知事

 それは今までもそうでしょう。

 

○山陰中央テレビ

 知事、今回の大地震で、島根県内の学校や病院などの耐震性を本当に早急に対応していかなければならないとお考えになっておられると思うんですけれども、具体的にはどうお考えですかね。

 

○溝口知事

 教育施設の耐震性の強化は、ここ一、二年ですか、経済対策の中で相当進めてきておりますから、まだどういうものが必要か、これはよくチェックをしてまいります。

 

○山陰中央テレビ

 まだそのチェックの段階ということですね。

 

○溝口知事

 いや、これまでも、もう耐震性の必要なものから順次、前倒しでやってきておりますから。そういう計画がありまして、そのチェックは済んでいるわけですけども、緊要度の高いところから予算の手当てを踏まえながらやってきております。

 ただ、私が申し上げたのは、リーマンショック以降の経済対策で、耐震性の強化のための予算が、国からの補助金等が増えましたから、それを活用してかなり前倒しでやってきているということであります。さらにどういうものが必要かというのは、さらによくチェックをしていきたいということです。我々としては早くやっていきたいと。

 

○山陰中央新報

 今、地震がいつおさまるかわからない状況で、昨日も富士宮で震度6強の地震が発生して、知事のお考えの中で、中期的から長期的な話になろうかと思いますが、今、その抜本的対策を考えるまでに、原発を一度止めて、それを考えるべきだというお考え、全国的にどの程度止めて、どの程度やるかというのはありますが、一旦止めてやるというお考えは。お考えというか、訴えていくという考えはないですか。

 

○溝口知事

 そういう点につきましても、国などと意見交換をしておりますけれども、やはり国全体として、それはどう対応するかということにもかかわりますし、それからそれぞれの地域の東西であれも違いますけども、電力の確保という課題もありますし、そういうものを総合的にやはり国の方で考える必要があるということは非公式にですけれども、いろんな機会に伝えてはおります。

 

○山陰中央新報

 今の考えを整理すると、国としてそういう全体を止めて考えるということを検討されたらどうですかと国には言っていると。

 

○溝口知事

 そんな具体的なところを今申し上げているわけじゃありませんが、当然国の方も首都圏を中心にして非常に電力の不足があるわけでして、それを確保するという課題もありますね。それから......。

 

○山陰中央新報

 知事自身はどう考えておられるかというのは。例えば知事が国の担当者だったらどうするか、そうではないんで......。

 

○溝口知事

 仮定の問題について、そういう問題に軽々にお答えするのは適当でないですね。

 

○中国新聞

 今の話の関連ですけども、今現に動いている2号機を止めてもらうというのも一つの選択肢としてありだとお考えですか。

 

○溝口知事

 いや、それは全体の中で考える必要がありますね。

 

○山陰中央新報

 全体の中で考えるという意味がよくわかりません。

 

○溝口知事

 それは、一つはやはり日本全体の経済に与える影響だとか、現時点でどういうようなことであるのかとかありますから、やっぱりそういうものをよく考えて、総合的に対応しないといけない問題でありまして、そういうことをきちっと国が考えてもらいたいということを伝えているということです。

 

○山陰中央新報

 国が全体を見て検討すべき事項だと。

 

○溝口知事

 全体として、当然国民の方々は原子力の発電に対して非常な不安を感じておられるわけですから、そういうものと現在の電力不足といったような状況、それから今後の原子力発電のあり方等々をやっぱり総合的に考えてやらなきゃいかん課題でしょう。そういうものをよく考えた上で、そういうことを考えるのはやはり国ですから、国に対してはそういうことをよく考えてやってもらいたいということは言っております。

 それから、中国電力に対しましても、電力業界全体としても、国とそういうものについて相談しなきゃいかん課題でありますから、中電に対しましても電力業界全体としてどうするのかとか、あるいはそれで国ともよく相談をする必要があるというようなことは伝えております。

 

○中国新聞

 逆に言いますと、電力不足、経済への悪影響という要因がなければ、行うべきだと。

 

○溝口知事

 いや、それから、それは今後、それは今だけの話じゃなくて、短期的な話だけじゃなくて、将来を見渡したときに、日本の経済にエネルギーをどういう形で供給していくかということと関連しているわけです。それが今どうでしょう、電力全体の中で3割ぐらいでしょうか、原発に依存していると思いますけれども、世界の全体を見ると、じゃあ石油の確保は可能なのかとか、代替的な手段が何があるかとか、そういう問題も併せてあわせ検討しないといかん大きな課題です。

 

 もちろん原子力の安全対策もきちっとやっていかなきゃいけませんし、いろんな要素がありますから、今急にこうだということだけじゃなくて、そういうものも見渡しながらやらなきゃいかん課題だと。それは政府も当然承知をしておりますし、我々の方からも、私も政府の中の人たちに知っている人もいますから、そういう意見交換などもしておりますけれども。

 ただ、担当している組織は政府の中では経済産業省ですね、そこは今の対応でもう大変ですから、そこはそういう事情もあります。

 

○新日本海新聞

 将来的なことを考えた場合、原発への依存度がこれまで高くなってきたわけですけれども、原発自体を立地した自治体という立場から見て、今後、原発頼みという体制、これについてはどのようにお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 それはさっき申し上げましたけれどもね、日本全体のエネルギーの確保をどうしていくかとか、あるいはそういう世界全体のエネルギーの資源ですね、それがどういうふうになるのか、そういう大きな枠組みの中で考えていかなきゃいかんということが一つあります。それから、原子力発電自体について、どうやって安全性を確保するかという問題があります。

 

 それがどこまでできるかという問題もあります。今回のように想定をしない事態が起こって、ああしたことが起こっているわけです。それによって巨大な、例えば電力の供給が止まるといったことが、もちろん放射能による人体的な被害等の問題もありますし、それから経済自体にも大混乱が起こりますわね。今、ああいうことが起こっていますから経済の原発所在地でないところでも、むしろ経済的な混乱が非常に大きくなっておるわけです。そうすると、そういうリスクの多い原子力発電にどの程度依存していいのかというような問題もあるわけです、エネルギー確保だけじゃなくて。

 

○時事通信

 日本全体とか国全体のことを考えて抜本的見直しをするとなると相当な期間がかかると思うんですけど、その抜本的見直しの......。

 

○溝口知事

 当座の対応として、今回の知見を踏まえて安全性確保のためのいろんな対策が可能なわけです。一番大きな影響があったのは、大津波による冷水のための電気系統が不具合になったということですよね。だから、そういうものに対してどう対応するかというのも当然やらなきゃいけません。中電においても、そういう面でできることについては既にもう着手をし、やってきているということでありますし。

 

○新日本海新聞

 1号機については、高経年化の問題もあるかと思うんですけれども、そのあたりのゴーサインの判断も含めて、どのように考えられますでしょうか。

 

○溝口知事

 だから、今回の経験なども踏まえ、それは同じ型でありますから、今回、そういうものによる事情があるのかどうかというようなこともよくチェックをしないといけません。そういうものが影響しているのかどうかについて、それはやはり専門家の知見を求めてやらないといけません。

 

○朝日新聞

 先ほどの冷却水の対応は今進めているところだと思うんですが、今回の事故の教訓というのは、想定外のことが常にやっぱり起こり得ると、つまり事故は起こり得るんだという想定が必要だということだと思うんですけど......。

 

○溝口知事

 その可能性をどこまで見るかという問題ですね。

 

○朝日新聞

 そのときに、エネルギー政策なんかは国の考えることとして、それから都道府県としては、やっぱり住民の安全を守る基礎自治体として避難計画とかも、今日、明日にでもやっぱり起こり得るという想定で見直さなきゃいけないところはあると思うんですが、そのための具体的な指示とか目途というのはどうなっていますか。その20キロ圏内、30キロ圏内の避難計画、ルート、手段、そのときの県庁の例えば拠点をどこに置くかという想定は、今日にでも必要だと思うんですけども、そのあたりの具体的な対策というのは、県としての対応としては、目途としてはどうなっているんですか。

 

○溝口知事

 そこは私も、そういう地震の対応等にもよりますし、それはやはり専門家の方々の意見などもよく求めて対応を検討していきたいというふうに思います。

 

○山陰中央新報

 ちょっと総括的な話になるんですけど、島根県も鳥インフルエンザ、あと雪害もありました。他県でしたが原発の事故もあって、総合的に危機管理、防災ということに対して県民の関心が今までになく高まっていると思いますので、選挙どころじゃないという話もありますが、知事選で当然大きな争点になってくると思います。改めてそういったことはやっぱり県政の最優先課題に上がっているという御認識は今あるのかどうか、その辺のことについて、総括的な話を。

 

○溝口知事

 重要な課題です。

 

○山陰中央新報

 今の危機管理の、消防防災も含めて、もう来年度の体制というのは既に固まっていると思うんですが、やっぱり再検討というか、人員の増強も含めて再検討、今回の教訓を踏まえてということになるんですが、県としてできる対応としては、その辺の人員の体制、あるいはその辺の強化というのも視野にあるということですか。

 

○溝口知事

 重要なことは、例えば鳥インフルエンザとかもそうですけれども、その部署だけでは対応できませんから、県庁内の各部を動員をすると、そういうことについてはいろんな経験もありますから、かなり進んでいると思います。

 例えばそれから雪害のような事態ですと、これは例えば県の整備事務所の管轄を超えて機材を移すとか、そういうようなことをしなきゃいかんわけです。そういう面では、やはり人の対応、それから国、県、市の連携、そういうものをさらに強化しなきゃいけません。いずれにしても、大きな問題になりますと市町村だけではいけませんし、県だけでもいけませんし、近隣県との協力とか、それからやはり国の機関との連携、そういうものをさらに強化していくということをやらなければいけないというふうに思います。

 

○朝日新聞

 避難経路、ちょっとまた重複して済みません、仮になんですけども、やっぱり今日、明日何かあったときというのは、例えばこの松江10キロ圏内に住んでいる、20キロ圏内に住んでいる県民というのは、どうすればいいというふうにお考えになっていますか。具体的に例えば県民の方がどうしたらいいですかとなったとき。

 

○溝口知事

 それは、県としていかなる事態が起きましても、さっき申し上げたような体制のもとに対応してまいります。そのためのいろんな必要な手当てもやっていきたいというふうに思います。

 

○朝日新聞

 それを今検討しているという......。

 

○溝口知事

 そういう意味では、いろんなことがありますから、可能なもの、時間を要するもの、いろいろありますから、そういう対応については検討は常にしておるということです。

 

○山陰中央テレビ

 知事のお話を伺ってきた島根原発1号機ですけど、高経年化の話もありましたが、要は今、福島第一原発でああいうことがあって、要は昭和40年代につくられた沸騰水型の原子炉において、国の安全基準は今、絶対ではないということが明らかになった中で、新たな知見が出て、新たなガイドラインが出て、原因が究明される前に運転再開にゴーサインを出すということに、ちょっと道理が通らんような気がするんですが。

 

○溝口知事

 いや、サインを出すかどうかというのは、まだこれからの話です。

 

○山陰中央テレビ

 国が原因を究明して、新たな基準を出すか出さんかわかりませんが、それを待った上で、それに照らし合わせてゴーサインを出すというのはわかるんですが、その前にゴーサインを何を根拠に出されるのかなと。

 

○溝口知事

 いやいや、そこら辺は何も申し上げていないわけです。今の状況をよく見て考えなきゃいかんことだと。

 

○山陰中央テレビ

 ということは、やっぱり国の新たな基準が出るのを待ってから判断すると......。

 

○溝口知事

 いや、そこまでは言ってないわけですね。どういう状況なのか、よく見て、当然考えなきゃいかんと、こういうことです。

 

○時事通信

 よく考えるのは、こういう災害が起き得る可能性もあると考えて、やるということですね。

 

○溝口知事

 いずれにしましても、国自身もありますが、やはり専門家の方々の意見、いろいろありますし、そういうことをよく聴取をしたりしなきゃいかんだろうと思います。

 

○中国新聞

 ちょっと素朴な聞き方になりますけれども、10キロ圏内は避難指示が出ている状況でも、県庁ないしはオフサイトセンターは防災拠点として、そういう避難とかがおくれた人を指揮をとか、そういうアナウンスする場所として10キロ圏内が避難指示のエリアになってても、ここが防災拠点であるのは変わらないんですか。

 

○溝口知事

 いやいや、そんなことは申し上げておりませんで、それは仮定の問題として、そういう事態になれば当然考えなきゃいけませんし、それは仮定の問題としても、どういうことが可能かという検討はしていかなきゃいかんと思います。それは当然そういうことだと思いますけど。それはすべてそうですね。

 

○山陰中央新報

 だから、機能をどこに持ってくるかということ......。

 

○溝口知事

 それから、いずれにしましても、原子力発電の安全性のちゃんとした見直しをした上で、いろんなこともさらに進めなきゃいかんと思います。

 

○山陰中央新報

 機能をどこに置くかということも想定する事態としては検討しておかなくてはならないとか......。

 

○溝口知事

 仮定の問題としてはそういうことですね。

 

○共同通信

 しつこくて恐縮なんですけども、昨日は隣県の、特に山口では上関の原発の要請が、一時中断されて、電力業界全体が、直ぐにしろという動きがあるような気がするんですが、それで県側も、行政の方もそうですけども、そういう観点においても、1号機、3号機の判断というのは、かなり時間をかけたりとか、先ほどおっしゃっているような耐震安全性の見直しがある程度固まるまで、なかなかできないような気がするんですが。

 

○溝口知事

 いずれにしましても、今どうするということを決めているわけじゃありませんし、いろんな新しい情報もありますし、知見も出てまいりますから、そういうものを踏まえて、よく検討していきたいと、こういうことであります。

 

○共同通信

 知事は、中国電力がどれくらいの津波が来ると想定されているか、お聞きになっていますか。

 

○溝口知事

 耐震安全性の中にありますけれども、それは今のような大きなものじゃありません。それは耐震安全性の中に津波の影響というのは太平洋側の今の福島原発においても十分に見ていないということがありますから、そういう問題は今回の状況を見て判断をしなきゃいかんと。それは、一つは対策にも影響しているわけです。あのように冷却水の電気系統が不具合になるということは想定していないわけですから、そういう対策をきちっと講ずるということが必要なわけです。

 

 それは、あるいは予備の電力供給をどうするかとか、あるいは予備のそういうモーターを準備をしておくとか、そういうことがあり得るわけです。それがあれば、またどういうふうに変わったのかというようなこともあるわけです。そこら辺はやはり状況を、さらに原因を究明したり、その上で対応可能な対策とか、どういうものがあるかというのをやはり客観的に分析しなきゃいけません。あるいはそういう対応をしてもだめなようなものなのかどうか。やっぱりそういう事実関係をきちっと踏まえてやらないと、この問題というのは進まないと思います。それをやっていく必要があると思います。

 

○共同通信

 中国電力によると、島根原発の津波の被害、想定としては6メートル前後と聞いておるんです。それと今回東北を襲った地震というのは20とか言われています。明らかに数字として違うと。

 

○溝口知事

 津波が来ても、例えばコンクリートできちっとしていれば、テレビで出ていますけれども、津波が来てもコンクリートの建物は残っているわけですね。そういうもので対応できるのかどうかという問題もあるわけです。だから、そういうところをきちっとしないと、対応ができるものかできないものかということじゃないでしょうか。

 それから、ああいう冷却、海水をくみ上げて水をさらに冷やすわけですわね。そういうものがいわゆる建屋の本体の外にあったわけでしょう。だから、そういうものが中にあったらどうなるのかとか、あるいは高いところに据えつけてあれば津波の影響を受けなかったかもしれませんし、そういうようないろんな対応があり得るんだろうと思うんですけれども、素人考えでも。だから、そういうものをちゃんと検討しないといけないんじゃないですか。今、私はそういうふうに感じますけれども。

 

○中国新聞

 確認ですけども、そういう直ぐにではないにしても、国に対してそういう見直しを要請していくという方針ですか。

 

○溝口知事

 ええ、それは当然します。中電などは、今回の経験を踏まえて防水の対策を強化しようとか、あるいは電気系統のモーターの不具合に備えて予備をどうやって置いておくとか、あるいは電源をどういうふうに、さらに予備の電源を確保するとか、あるいは場合によると津波以上の高いところにそういうものを置くとか、いろんなできる対応は既にやり始めているという報告を受けております。

 

○中国新聞

 島根原発でということですか。

 

○溝口知事

 ええ。私もそういうものをしっかり、できるものはやっていかなきゃいかんということは伝えてあります。

 

○山陰中央新報

 すると、現状では今実際に来た被害に対して、中電の対応が複数、やっぱり改善点があったということは、100%ではないなというふうに知事は思われますか。

 

○溝口知事

 いや、そこら辺は専門的に見ないといけません。

 

○山陰中央新報

 それと、先ほどから専門家と言っておられるのは、そういった安全性に対する耐震性とか、そういった専門家と、あと避難というか、避難をどうするかということに対する、そういったところも専門家の意見を聞きたいというふうな。

 

○溝口知事

 それはそうですね。それから、そういうものをやっぱり総合的に考えなきゃいけません。だから、いろんな難しい問題は、専門的にはこういう事態が生ずると、こういう事態になるということはあるでしょうが、どこまで例えばそういうリスクを見るのかと、可能性を見るのかというのは、やっぱり一つの判断が要るでしょうね。それは、そういう判断はやはり国全体の、例えばエネルギー供給をどういうふうに考えたらいいかとか、どの程度のコスト、そういうコストがかかるぐらいなら、ほかの代替手段でもやむを得ないということにもなるでしょうし、あるいは代替手段の可能性がどの程度あるのかというようなことも考えないといけませんね。だから、問題は非常に大きな問題につながっておりますからね。

 

○共同通信

 知事は、テレビであの原発の事故とか爆発とかをご覧になってたと思うんですけども、そういうのを見て、どういう思いで見詰めていらっしゃるのか、率直に。

 

○溝口知事

 私はずっと、時間があれば見ておりますけど。

 

○共同通信

 どういうお気持ちで、それは。

 

○溝口知事

 やはりそういうものに対する対応というのが不十分であるなと、あったなという感じでは見ますね。政府自身の対応も、情報の発信の遅れとか、あるいは事業会社と保安院との間の距離、そしてそれから政府の中枢で指揮する人たちの対応とか、いろんな問題があるような気がします。そういうものをやはりきちっとしっかりしたものにしなきゃいかんということですね。

 

○中国新聞

 今、情報発信というお話があったんですが、例えばどれだけの放射線量がどの地点で出ているんだという数値をとっても、なかなか国民、周辺住民に伝わっていない状況があると思うんですが、もし仮に島根でああいうことが起きた場合、リアルタイム、あるいはできるだけ早く県民、市民にそういった数値であるとか、その数値に基づいてどう行動をとるべきであるかというのが行政サイド、県から発信できる状況が今ちゃんと確立できているというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。

 

○溝口知事

 それは仮定の、どういう事態を想定するかによりますし、当然全力を挙げてみんな対応するということですね。

 

○山陰中央新報

 この問題で、例えば西川知事とか原発立地県の知事とは、何かお話になったり、対応を話し合われたというか、よその知事とは何か連絡をとられたという、そういうことはないですか。

 

○溝口知事

 知事とはこれからですね。

 

○山陰中央新報

 これから。佐藤知事の姿が一回もテレビとかに出ないんで、知事がどうしているんだろうって、ちょっと気にはなるんですが、その辺の知事としての対応のあり方みたいなのは、これからよその知事さんとは協議されていきたいということでいいんですか。

 

○溝口知事よろしいでしょう。

 


お問い合わせ先

広聴広報課

島根県政策企画局広聴広報課
〒690-8501
島根県松江市殿町1番地   
【電話】0852-22-5771
【FAX】0852-22-6025
【Eメール】kouhou@pref.shimane.lg.jp