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5月(第1回)定例記者会見(5月8日)

質問事項

2.国補正予算案について

 

○山陰中央新報

 冒頭で補正予算の話が出てました。国会審議もやっておられるんですが、民主党の方から14兆余りの規模であるとか、46種類でしたっけ、複数年度にわたる基金の問題なんかを取り上げて、ばらまきというような批判というのが出ているわけなんですけれども、島根県としては民主党がばらまきというところの国の施策に合わせる形で補正を組もうとしている。2月にも一体的に予算編成をしたという流れがあったりしてるんですけど、民主党のこのばらまきの批判というのを知事はどういうふうにお考えですか。

 

○溝口知事

 昨日の予算委員会の議論で民主党の議員がそういう質疑をしてやりとりがあったというのは私も報道等で承知をしてますけども、やはり今回の景気の後退というものが全世界的で、それから相当腰の入った対応が必要だと政府は判断をし、それに合った対応をやっぱり真剣にとっておられるということでしょう。

 

 それから、基金についてもやりとりがありましたね。それは中期的な展望を持ってやらなきゃいかんというように政府の方は答えておられるのもありましたけれども、私はあんまり不要のものはないと思いますよ。必要なものがあって、なかなか財源がないから実行できないといったようなものをこの機会に前倒してやろうとか、特別な政策であって、こういうときにやることが景気対策にも役立つし、それからそうした目的にも役立つというものをとっておられるわけです。

 

 中にはもっと議論の中では少子化対策などはさらに大きな措置をとるべきだというような議論もありましたから、そこは重点の置き方とか、そういうものの差異であって、それはそれぞれが全く同じということはないので、それを選択するのが政治の意思決定のプロセスですから、当然そういうやりとりがあるんだろうと思います。

 

 国の方も、地方などがいろいろ言ってきたことに対して対応しようというのも随分ありますね。医療でありますとか、あるいは障害者対策でありますとか、介護でありますとか、一つ一つ見ていけば、それは地方、それから地方に住む人々にとって大変役に立つありがたいものが多くありますね。

 

○山陰中央新報

 島根県のような人口規模、産業規模の県においては、複数年度にまたがる基金というのは、ある意味使い勝手がいいというか、非常に物によっては中・長期的に、中期的ぐらいな形で、今すぐにはちょっと打てないけれども、継続的に分野を絞ってやるには、中には非常に使いやすいものもあるのかなと思うんですが、そういった基金についてはどうお考えですか。

 

○溝口知事

 一般目的の財政調整基金は別として、特定目的で幾つかありますね。例えば用地買収のための基金でありますとか、あるいは文化芸術等の振興でありますとかいろいろありますし、政府の方も20年度の補正の段階で雇用対策とか、いろんなものに基金の方式でやってこられてますね。雇用なども3年ぐらい、やっぱり見通してやらなきゃいかんということがその背景にあるわけでしょうが、あるいは今回の21年度の補正予算の案の中にはたくさんありますね。それは一つのやり方でしょう。

 

○山陰中央新報

 特にソフト事業をやるときには、単年度ではなかなか実を結ばないという部分もあるのかなあと。そういうときにこの基金というのは結構使い勝手がよいのではないでしょうか。

 

○溝口知事

 そうですね。今の景気の落ち込みから回復まで、やっぱり一定期間を要するだろうという判断もその背景にあると思いますね。やはり国民は先行きに大きな不安を持っているわけですから、政府が相当な勢いでやるということを示すということ自体が必要だという面も、私はあるんだろうと思いますね。だから通常の補正予算と、それから通常の景気後退と随分違うと。世界全体が大不況になって、それが加速化しかねないという状況ですからね。

 

○NHK

 関連して伺いたいんですが、経済対策を行われた効果で、底打ち感とか反転というのはなかなか難しいのかもしれませんが、マイナスカーブが減速してきたとか、何か明るい指標成果がここにあると、そういう状況ってありますでしょうか。

 

○溝口知事

 今、世界全体を見ると、少しアメリカの影響もありますけども、金融機関に対する自己資本の注入額が予想よりも小さい額で済みそうだという、とりあえずのニュースが先行きに少し、楽観論といいますか、明るいニュースになって株価が上がるというようなことが起こっていますね。日本でも起こっておりますけれども。それから、そういう明るいニュースがある一方、引き続き売り上げが、いろんなものの、マイナスを続けてるとかいうことですから、まだ良いもの、悪いものがミックスされている状況ですが、悪いものばかりじゃないというのがここ二、三日の動きじゃないかと思いますね。

 

○NHK

 県内経済に関していえばどうなんでしょう、底打ち感が何か近づいてきたような、何かそういうことを感じられるようなことは。

 

○溝口知事

 いや、県内、そういう実態面に及ぶものは、まだ若干かかるんじゃないですか。実態面に及ぶということになると、やはり末端で売り上げが増えないといかんですね。売り上げが増えて在庫が減って生産が増えて、それで今度、雇用が増えるということになってきますからね。さらにその先は設備投資が増えるということにならないと本格的にはならない。今、在庫とかの調整まで来てるんで、生産の調整まで来て、今度は消費とか、最終需要が増えないといけません。それにはまだ見通しが立っていないと思いますね。

 

○NHK

 知事も御専門でありますが、いつごろが底かということは、まだ見通せないと。

 

○溝口知事

 いや、私というか、しかし、少し早目の予想をする人なんかもちらほら出てるなというような感じはする程度ですけどもね。

 一つは金融システムが崩壊して、それが実体経済に強烈な影響を与えるという事態は避けられてきてますね。

 

○山陰中央新報

 一つ思うのは、さっきのばらまきの話じゃないんですけれども、額、量的な問題とか質的な問題とか、いろいろあると思うんですが、要は最終的に効果があらわれないときにバラマキと言われてしまうという部分であると思うんですよね。額の多寡ではなくて。要は効果が上がることが最終目的であってというところが基本なんだろうと。対策を打つこと自体が目的じゃなくて、結果を出すことが目的なんだろうとすると、これまでに打ってきたことの効果というのを何らかの形でやっぱり測定というか、チェックして、どこにどういう過不足があって、だから今度は6月なら6月はこういうことをやらなきゃいかんというのがわかりやすいというか、やり方なんだろうと思うんですが、その辺の物差しというか、どのように知事がお考えなのか。県だけのことでできるとは思いませんが。

 

○溝口知事

 日本全体を見ましても、効果は、消費材を買うとか人を雇うとか、雇った人が今度は消費をするとか、結局最終需要が増えるというマクロ的な話になってくるんですよ。そうすると生産が増えるとか、あるいは売り上げが増えるとか、そういうところに出るわけですが、その辺に出るのにはやっぱり時間がかかるでしょうね。それからいろんな要素がありますから、対策だけの効果かどうかというのは、それはマクロ的な指標でないとわかりませんね。

 

 それで、そういうマクロ的な指標になると、一般のGDPの統計だとかになると、これはもうちょっとかかるわけですよ。しかし、例えば歳出があって、一番わかりやすいのは公共事業などをやると、セメントを使いますね、鉄も使います。そうすると、それはやらない場合よりも、その分に対する支出が、売り上げを増やしてGDPを増やしているのは間違いない。だけど所得を増やすのには、全部所得が消費に回るかどうかわかりませんから、一部は少しお金が寝てるかもしれませんけども、しかし、いずれはなるということになると、少しラグを置いて効果が出るかどうかを見きわめる必要があります。だから需要に対する効果は、行った分だけは大体出ると考えていいんじゃないですか。

 

○山陰中央新報

 例えば公共事業をやるにしても、小口化したりして地元がとりやすいようにしてるというのはあると思うんですが、この何年間かのところで公共事業自体が減っていて、建設会社の何というか、言いかえれば従業員数でも何でもいいんですが、小さくなっているわけですよね。要は引き受ける仕事の量自体が体力としても減ってるときに、要するにダイエットしてやせ過ぎた人にいっぱい食えと言ってるような、今は状態だと。もう食えないということも起こり得るのかなと。その辺も含めてお考えをお聞きしたい。

 

○溝口知事

 いや、短期的にどっと増えるのがいいのか、やっぱりある程度なだらかに長く増えるのがいいのか、そういうことも判断しなきゃいかんでしょうね。しかし、まだ一部のところで能力の限界に来たというようなことは、あんまりないんじゃないかなと思いますよ。

 

○山陰中央新報

 そういう意味で、基金というのは使う価値があるのかなというのはちょっと思ったのですが。

 

○溝口知事

 そうですね、そういう面があると思いますね。

 それから、効果という意味でいえば、需要に対する効果と、今度はつくったものがそういう施設のようなものであれば、それがやっぱり利用されるという、供給サイドでどういう効果があるかというのは、また別の話ですね。それで、効果がないというのは、需要に対してはあるんだけども、そういう役立つものになるかというところが、要するにつくったものがよく利用されるかどうかというようなことでしょう。そこでムダ議論というのはそういうところにかなりあると思いますね。

 

○山陰中央新報

 お金が循環して初めて効果というものを測定できるということか。

 

○溝口知事

 多面的にとらえる必要があるということでしょう。

 


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