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3月(第2回)定例記者会見(3月30日)

質問事項

5.包括外部監査結果について

 

○中国新聞

 先週あった外部監査(結果報告)の話なんですが、知事が就任前の話なんであれなんですけど、山陰本線の募金委員会に県が22億円貸し付けて、8億5,000万円ぐらいがもう返ってこないかもしれないということについて、知事は認識されていたのかということと、それはどういうふうに処理されるのか、お聞きしたいんですけど。

 

○溝口知事

 包括(外部)監査の話は報告を受けていますが、山陰本線を高速化するということは、島根の産業の発展にとって非常に大事なことだという政策判断がまずありまして、そのためには当時の国鉄(※)が設備投資をして、山陰線を高架にするとか、あるいはカーブの急なところは緩やかにするとか、そういうことをしないと高速化できないという事情があったわけですね。(それ)で、国鉄(※)は経営の状況がよくないわけですから、もうかればやるでしょうが、すぐにもうからないということですとやらないわけですね。そうすると何もそういう高速化ということはできませんから、やはり地元なり県なり、あるいは市町村なりが一定の協力をしなきゃいかんということになったわけですね。それをやろうということなんです。普通の民間会社に対して(は)、例えば企業誘致をする場合に補助金を出しましょうというのは法的な制約がないんですよ。しかし、国に対しては法的な制約があるんですね。

 

 それで、国鉄(※)も国営企業ですから制約があったということで、県の支出じゃなくて民間の寄附なども集めてそういう事業をしようということですね。だから、政策目的自身は要するに必要だとみんな思って、議会も承認してやったわけですが、寄附がどこまで集まるかということについては、それはその当時としては十分な見通しが立たなかったでしょう。それで寄附が全部集まらないという状況になりまして、そうすると実は寄附が集まるまで工事をしないというわけにいきませんから、募金委員会というのをつくって、そこに県が貸し付けて、貸し付けた形をとったということですね。そこで募金委員会から国鉄(※)に寄附をするというような措置がとられたわけです。

 

(※)知事の発言中、「国鉄」について、昭和62年に国鉄改革法により「JR」となっていますが、平成16年に完全民営化されるまでは国鉄のときと同様に自治体からの寄付金規制は継続されていました。(広聴広報課)

 

 寄附につきましては、現状を見ると、その後も経済の状況はよくありませんし、それからいろんな企業の方(に)も寄附の要請はありますから、今、山陰高速化のための寄附をさらに求めても、現実にはそう大きな額にはならないだろうということなんですね。そういう観点から包括監査人の方はいろんな検討をされて、県が募金委員会に対して債権として計上している会計処理は適当でないという意見を出されたと、こういうことなんです。私も債権として計上しておくのはどうかなと思いますので、包括監査人の報告を受けまして、どういう処理が適当なのか考えていきたいというふうに思っています。

 

○中国新聞

 先週(の報告後)、もう今週になって、もう大分検討されたと思うんですが、欠損処理か何かというのは考えてないんですか。募金の方は集まりにくいと思うんですけども。

 

○溝口知事

 今困ってるわけじゃないんですね。(山陰本線高速化)募金委員会に貸してるのは県でありますから、結局県の事業をそういう形で、貸し付けという形で行っているわけです。だから県自身がどう判断して、どう処理をするのが会計処理上適切かどうかという問題だと思っておりますから、その具体的な方法について考えていきたいと思います。

 

○中国新聞

 でも、もう集まらないというのはわかってたわけですよね、もう8億5,000万(円)とか。今さらもうできたものを、集めてください、寄附と言っても、なかなか募金してもらえないと思うんですよ。

 

○溝口知事

 まだ、数字は覚えてませんが、今すぐ返済できないという状況になってるわけじゃないんですね、過去において多額の寄附も集まっておりますから。だから、それまで若干時間もありますから、適切な会計処理を考えたいと思います。

 

○中国新聞

 知事が就任されてから、部長会議などでそういう話は出てないんですよ、一回も。(このたびの)報告(内容について)は、その外部監査まで全然御存じなかったんでしょうか。

 

○溝口知事

 いや、その話は聞いています。

 

○中国新聞

 聞いてた上で、それは放置していたわけですか。

 

○溝口知事

 いや、放置というか、結局募金が集まるかどうかという問題ですから。

 

○中国新聞

 いや、それは寄附が集まらないというのは、何となくわかってたわけですよね。

 

○溝口知事

 それはほかの寄附の関係でも、いろんなことで同じですからね。状況はよく承知していますが、結局それは会計処理をどうするかという問題と、それから募金が集められるかどうかという問題なんですね。大きな、何をしたかということは、山陰線を高速化して、それでこの県経済を活性化するという政策目的で、そういう仕組みがつくられたということなんですね。それでつくった見通しどおりに募金が集まらないと。しかし、そういう可能性はあるにしても、募金が集まるまで工事をやらないということでは産業の活性化という観点からしますと適当でないんで、それは県が(山陰本線高速化)募金委員会というのをつくってそこに貸し付けて、工事を早くしましょうということで、私はその政策自体はよかったんだと思いますね。

 

○山陰中央新報

 そうすると、地方財政法の縛りがなければ、県が拠出してしかるべき事業だとお考えということですか。

 

○溝口知事

 今はそういうことがなくても、地(方)財(政)法とは関係なく貸付金という形で処理をしていますから、その貸付金を、返済をどうするかということについて決めれば解決がつく問題ですね。

 

○山陰中央新報

 それは結局税金というか、県民の税金で拠出したという形を最終的にはとらざるを得ないとは思うんですけど、募金という形ではなくて。

 

○溝口知事

 そうですね、募金という形で負担をするということじゃなくて、県の財源で手当てをするということになりますね。

 

○山陰中央新報

 そうすると、その受益と負担の関係で説明がつくのかどうかということについて、どうなんでしょう。

 

○溝口知事

 そこは全体的な観点から考える、要するにあの政策自身が必要だということで始まってるわけですから。

 

○中国新聞

 県民に対しては募金でやりますと言っているのに、最後の最後は、じゃあ県の税金を突っ込むということになると、県民に申しわけないと思われないでしょうか。

 

○溝口知事

 それは申しわけないことだと思いますね。そういう見通しどおりに寄附金が集まらないということについては、まことに申しわけないと。そういう努力は随分これまでもやってきてるわけですけどもね。しかし、現状を見ると、そういう形で寄附を集めるというのは、あんまり現実的でないだろうと。

 

○山陰中央新報

 そうしますと、その適切な会計処理というのは包括外部監査の指摘も受けたことですし、かなり早い時期にそういう対応をとらざるを得ないというお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 そこはちょっと状況をよく調べまして、いつとったら適当かということも含めまして検討していますが、今直ちに何かしないと困る状況があるわけじゃないです。

 

※()内は広聴広報課が書き足した部分です。

 


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