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7月(第2回)定例記者会見(7月24日)

平成19年新潟県中越沖地震について


■知事コメント

 

 中越沖地震についてでありますが、死者11名を初めとして甚大な被害が発生いたしまして、お亡くなりになった方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された方々、あるいは避難生活を余儀なくされる方々に対しまして、心からお見舞いを申し上げる次第であります。また、被災地の災害からの一日も早い復興を願っているところであります。

 柏崎原子力発電所では、地震によりまして御承知のようにさまざまなトラブルが発生いたしましたが、原子力発電所の耐震安全性は県民の信頼を確保するために極めて重要な問題であります。そこで、7月19日に経済産業大臣に対しまして、私の方から文書で原子力発電所の耐震安全性の確保について要請をしたところであります。

 被災地に対する支援につきましては、県庁内に新潟県中越沖地震支援連絡会議を設置いたしまして、県としてできる支援の体制はできておりまして、要請があれば直ちに対応できる体制が整っておるわけでございますが、今のところ、そういう要請は特にありません。

 それから、被災地へは先日、要請がありました救援物資、中身は小児用の紙おむつでございますが、約1万枚を送りました。また、本日は新潟県に被災者援助の一助として災害見舞金50万円を送っております。これは、これまでの県の手続に沿って行っておるものでございます。

 

■質疑応答

 

○NHK

 先般の新潟県中越沖地震で原発が想定の2倍を超える揺れに見舞われてトラブルが続発したわけですが、まず島根原発における耐震安全性にも、これについて一定の疑義が生じないかどうか伺いたいんですが。

 

○溝口知事

 耐震安全性につきましては、昨年の9月に新しい基準ができまして、それに基づきまして国から各電力会社に指示がございまして、それに基づいて各電力会社は評価をしているところでございます。今般の中越沖地震がありまして、そういう新しい事態に対応いたしまして、耐震安全性の評価を適切に行うように、さらに現在の評価状況を、作業は進んでいるわけですが、確実に、しかし可能な限り早期に評価を完了できるよう、評価の実施計画を見直して、見直しについて検討を行い、1カ月を目途に検討結果を報告するように経産省から指示が出ているところでありまして、中国電力を含め各電力会社はそれに基づきまして、今、作業を行っているところであります。経産省におきまして、そういう検討結果を踏まえて適切な対応が今後行われていくというふうに考えております。

 

○NHK

 国のこともですが、島根県として中国電力に対してそのように、例えば評価を急いでくださいとか、あるいは新たな断層はないかどうか、再調査を求めたい、より詳しくしてほしいとか、直接県対中国電力においてはどんな......。

 

○溝口知事

 私どもとしては、今、保安管理を担当しております国の機関において、各電力会社に指示が行って、各電力会社はその指示に基づきまして作業を行っておりますから、そういう作業の結果、国の対応等をよく見まして、その上で対応していくのが適当だと考えております。ただ、その作業に際しまして、国に対しまして、先ほど冒頭申し上げましたが、経済産業大臣に対しまして耐震安全性についての対応をしっかり行われますよう要請をしているということであります。

 

○NHK

 もう一つ伺いたいんですが、東京電力から住民に対する説明がおくれたという認識を新潟県知事も持っておられますが、そういったトラブルに際しての広報体制について、中国電力に何か求めることはないんでしょうか。

 

○溝口知事

 私どもは、原子力安全性の対応につきましては、常々中国電力に対しまして申し入れておるところでありますが、今般の新潟地震に関連する対応につきましては、国から指示が出て作業中でございますし、私どもは、その作業に対しまして県としての強い関心、強い希望をお伝えをして、そういうものが今の実施計画、各電力会社が行っています評価に反映をされていくということを期待しているわけでございまして、私どもがそういう今行われています評価の作業、あるいは安全性確認の作業に対しましてどういう対応をするかというのは、やっぱりそういう結果を見まして考えていくのが適当だと。まだそういう過程にあるというふうな考え方であります。

 

○毎日新聞

 今回の地震は、安全審査で想定外の活断層が起こした地震ということを言われてまして、活断層の見落としなんですよ、要は。活断層の見落としは、別に今回始まった話じゃなくて、実は一番最初に言われたのは島根なんですよ。去年の6月に研究者が安全審査に入ってない活断層があるんじゃないかという結果を出してましてね。知事のおっしゃることは、国の対応を待ってというのはよくわかるんですけど、活断層見落としというのは、実は今回明らかになったわけじゃないんですよ。もう前々からずっとわかってる、特に島根ではもう1年も前からわかってることで、そういう危険性はずっと前から言われてて、今回、実際に地震という形で現実になったということなんですね。それをもって、まだ国の対応を待つというのは、僕は遅いんじゃないかと思っているんですよ。知事御自身、まずこの活断層の見落としということについてどうお考えなのかを、まずお聞かせいただきたいなと。

 

○溝口知事

 いろんな指摘があるのはよく承知をしておりますが、昨年の9月にいろんな事態を踏まえまして新しい耐震性の基準ができまして、それに基づいて経産省は各電力会社に対しまして、今ある原子力発電の設備について評価をしなさいという指示を出して、その評価がずっと進んでいるわけですね。したがいまして、そういう専門家の人たちを含めまして評価が進んでおる、その最中に今回の新潟沖地震が起こったわけですね。それに対しましてさらに経産省の方は新潟県中越沖地震から得られる知見を耐震安全性の評価に適切に反映するように、今行っている評価の作業に反映するようにしなさいという指示を出し、それから各電力会社が行っている現在の評価状況を勘案して、確実に、しかし可能な限り早く評価が完了できるよう実施計画、今、評価の実施計画ですが、見直しを検討して、それを1カ月を目途に、その見直しの検討結果を経産省の方に報告しなさいということなんで、みんなまだ事態をどういうふうに把握し、どういうふうに評価したらいいかというのは、これからのことなんですね。したがいまして、具体的に対応するということが大事なわけでありまして、それはやはり科学的な調査でありますとか実態的な調査を踏まえて決めていかなきゃいかんわけですね。つまり今ある、今あるといいますか、昨年の9月に新たにできました耐震性基準で、そのままでいいのかどうか、いろんな調査の結果、決めていかなきゃいかんわけでありまして、それはやはり国の政策として、国の判断として決める必要があるわけでして、その作業を経産省の方は急いでやろうということですから、それを私どもも見守っていく必要がありますが、県の関心としては、島根原発が県内にあるわけですから、県民の皆さんの御心配も高いわけですから、ちゃんとやってくださいという申し入れを7月19日にしましたということなんですね。それが第一報の措置として必要なことだと判断したわけでありまして、それ以上の具体的な話になりますと、やはり監督をしています国の対応を見ながら考えていくのが適当であると。必要な時期になれば、時を置かず適切な対応をしていくという考えでありまして、そういう対応で臨みたいというのが私どもの考えであります。

 

○毎日新聞

 去年の9月に、もう20何年ぶりに改定されましたよね、耐震指針が。それから1年もたたないうちに、もう見直しをしようということをやってるんですよ。つまりそれぐらい今回の地震というのは全く想定外の想定外だったということで、1年前につくった指針自体がもう危ない状態というのは、これはやっぱり、知事は国は国はというふうにおっしゃいますが、その国の専門家の議論ですら実はしっかり定まってないんじゃないかということが結構今回明らかになったんじゃないかというふうに思うんですよ。そんなに全部判断を国に丸投げしていいのかという疑問をやっぱりすごく思うんですが。

 

○溝口知事

 いや、それは中国電力に対しましてはしっかり評価をしなさいということは当然のことでありまして、しかし、具体的にどういう対応をするかというのは、やはり経産省の保安院等におきまして学術的、客観的なデータ等に基づき、あるいは各界の意見も聞きながら決めていく必要があると思いますね。

 今おっしゃったように、予想しないような事態でありますから、その評価をした上で新しいものがさらに決められると、そういうプロセスにあるわけですから、そのプロセスがちゃんと行われることが大事だということであります。

 

○毎日新聞

 中国電力が今、活断層の再調査をしていまして、最初は4月にやる、報告すると言ってたんですよ。それが今、7月になってもまだ出てこない状況で、一番最初は7月に活断層の長さをきっちり決めますと言ってるんですね。それがどんどんどんどん後ろにずるずるずるずる延びていく状況なんですが、中国電力に対して調査結果を、じゃあいつ正式に決まるのかとか、そこら辺として、何か県として早く求めていくとか、そういうあれはありますでしょうか。とにかくずっと活断層を調査して調査して先延ばし先延ばしになってるんで、県民も、じゃあいつになったらあの活断層の長さは確定するのかというのが全然わからない状況で、その中でこういう地震が起きてるわけなんですが、中電に対して改めて、例えば今どういう状況なのかとか、その活断層の長さ、じゃあいつ決まるのかとか、そういうところは何か働きかけていくような予定というのはあるんでしょうか。

 

○溝口知事

 必要に応じて、当然対応をとってまいりますが、今は新基準に基づく耐震性の評価を行っておりますから、それで、その評価を急げと、経産省からも指示が出ているわけですから、その評価調査の結果、いろんなことが、今おっしゃったような問題も当然問題になるでしょう、そういうものに対して具体的にどうするかというのは急いでやらなきゃいけませんね。経産省もそれ急ぎなさいと言っているわけですから、その上で急いだ調査結果に基づいて必要な対応が図られようとしているわけですから、それを促進するように我々も求めていくということであります。

 

○NHK

 済みません、ちょっと間に入るようで申しわけないんですが、そうしますと、最低限、中国電力も今回の新潟県の地震を教訓に再評価、国から指示されたことを早くやってくれと、正確にやってくださいと、それは望むということでよろしいでしょうか。

 

○溝口知事

 中国電力に対してですか。

 

○記者

 中国電力に対してです。

 

○溝口知事

 ええ、それはそのとおりですね。

 

○毎日新聞

 仮定の話で申しわけないんですが、少なくとも3号機については、今、活断層の長さは最大10キロというふうに安全審査が通っているんですが、仮に今回の調査結果でその10キロという結果が覆ったときに、県としてどのような対応をとられますか。要は活断層が10キロということで安全審査が、しておるんです。ところが去年の6月に10キロより長いんじゃないかという結果が出ていますよね。今、中国電力はそれ調査してるんですけど、仮にですよ、その今回の中国電力の調査結果で10キロより長いということがわかったら、県としてどういう対応をとりますか。

 

○溝口知事

 それは、耐震性の基準は国によって定められますから、その評価も各電力会社がやりますが、そういうものが適切かどうかという、やはり客観的な議論がありますでしょうから、当然しなきゃいかんわけでありまして、そういう調査、検討の内容を見まして、県として必要な対応をしていくということでありますね。その基本は、やはり県民の皆様の原子力発電に対する信頼が損なわれるようなものであってはならないわけでありまして、そういうものをよく見ながら必要な対応をしていくということでありますね。

 

○毎日新聞

 例えば安全審査のやり直しとかですね、するんでしょうか。

 

○溝口知事

 だから、いろんな状況を見て、必要な対応をとっていくということでありますね。

 

○日本経済新聞

 地震と原発の問題について、今回の刈羽原発で消防体制ですとか、あるいは消防設備の耐震性ですね、これについての不備は明らかになっているかと思うんですけれども、この点については島根原発について問題はないというふうにお考えでしょうか。

 

○溝口知事

 例えば消防車が設置されているとか、いろんな問題が指摘されたわけでして、そういう問題につきまして、やはり7月の20日に経済産業大臣から各電力会社に対しましていろんな問題、その中には消防に対する専用通信回線が確保されているかとか、あるいは化学消防車の配置等は行われているとか、あるいは火災が発生したときに十分な人員配置、人員が24時間中できているとか、いろんなことが問題になったわけでして、そういう問題について具体的な改善計画を26日までに報告しなさいということになっていますから、これにつきましても中国電力、きちっと対応してもらいたいわけでありまして、経産省の方でよくその提出される計画を見られて、必要に応じ適切な指導等、対応を経産省がされるよう望んでいると。そういうことを含めまして、19日の段階で私どもとしては経産省に対しまして適切な対応をとるようにお願いをしたということです。

 

○日本経済新聞

 県としてもその辺の報告を見ながら監視を強めていきたいという、そういう理解でよろしいですか。

 

○溝口知事

 当然そういう結果、経産省との間でやりとりがあるでしょうし、最終的な改善の案も出てくるでしょうから、そういうのが出ましたら、私どもも中国電力から事情を聴取し、チェックといいますか、よく内容を見ていきたいというふうに思っています。


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