島根県では、公民館エリアを基本単位として、買い物や交通など住民生活に必要な機能の確保に取り組む「小さな拠点づくり」を進めています。

　中山間地域の人口は、今後、減少が続いていくと推計されていますが、人口規模が小さくなるにつれて、日常生活に必要な機能・サービスが失われつつあります。

　「小さな拠点づくり」をより具体的な姿として示すことで他地区へ波及させるため、市町村の提案募集によりモデルとなる地区を定め、生活機能の確保に向けた取組を重点的に支援します。

県内の中山間地域では、人口の流出や高齢化の進行により、地域づくりの担い手不足が深刻化し、買い物、金融、医療介護などの日常生活に必要な機能・サービスの確保が困難になる集落が増えています。（下図参照）

◆中山間地域の人口動向

　◆高齢者比率・若年者比率の動向

　◆集落の状況（平成26年と平成30年の比較）

　こうしたことから、県では、県内各地で公民館エリアを基本単位として、住民同士の話し合いを通じて、地域運営の仕組みづくりに取り組む「小さな拠点づくり」への取組を進めてきました。

　(参考)小さな拠点づくりとは(外部サイト)

　その結果、中山間地域の全236の公民館エリアのうち、半数以上で、地域の計画を作成し、住民主体で日用品販売や高齢者の移動支援、見守り活動など活動が始まりました。

　一方、平成30年度に実施した調査によると、公民館エリアの人口規模が小さくなるにしたがって、日常生活に必要な機能やサービスの維持・確保が厳しい傾向にあります。(下表参照)

　◆公民館エリアの機能・サービスの現存状況

　こうした状況を踏まえ、公民館エリアを基本単位とした取組を進めつつ、複数の地区で連携して生活機能の確保に向けた取組を進める地区を、「モデル地区」に選定し、重点的に支援していきます。

　モデル地区の取組については、しまねの郷づくり応援サイト(外部サイト)をご覧ください。

• 安来市(比田・東比田地区)

　◆人口(高齢化率)

　比田地区…685人(52.0％)

　東比田地区…281人(60.5％)

　計…966人

　※人口情報は2022年４月末時点の住民基本台帳に基づく

　◆主要推進組織

　比田地区小さな拠点づくり推進協議会

• 江津市(長谷・市山・川戸・谷住郷・川越地区)の取組

　◆人口(高齢化率)

　長谷地区…247人(51.4％)

　市山地区…691人(40.5％)

　川戸地区…508人(44.1％)

　谷住郷地区…395人(48.4％)

　川越地区…478人(55.6％)

　計…2,319人

　※人口情報は2022年４月末時点の住民基本台帳に基づく

　◆主要推進組織

　さくらえ地区小さな拠点推進協議会

• 邑南町(阿須那・口羽地区)の取組

　◆人口(高齢化率)

　阿須那地区…619人(59.1％)

　口羽地区…656人(57.2％)

　計…1,275人

　※人口情報は2022年４月末時点の住民基本台帳に基づく

　◆主要推進組織

　はすみ会議

• 大田市(久利・大屋地区)の取組

　◆人口(高齢化率)

　久利地区…1,309人(38.9％)

　大屋地区…285人(62.1％)

　計…1,594人

　※人口情報は2022年４月末時点の住民基本台帳に基づく

　◆主要推進組織

　久利・大屋地区小さな拠点推進協議会

市町に対し、次のとおり補助金を交付し、モデル地区の取組を支援します。

（１）事業期間令和２年度から令和７年３月31日まで

（２）対象事業原則、複数の公民館エリアの共同による生活機能（生活交通）の確保に向けた取組

（３）補助対象事業費上限１地区あたり５年間で150百万円（ハード事業100百万円、ソフト事業50百万円）

（４）補助率（額）市町村の実負担の２／３（補助上限額53,333千円）

（５）その他「生活機能の確保に向けた取組」に直接関係するもので、令和６年度までの事業期間中に効果が発現する公共事業

　は、可能な限り優先的に実施。しまね版特区の活用や国に対して分権改革提案も検討

市町村から提案を募り、県庁内に選定委員会を設置し、提案者のプレゼンテーションを実施したうえで選定しました。

※公募は既に終了しました

　補助事業の実施要綱等です。

　○「小さな拠点づくり」モデル地区推進事業実施要綱(298KB)

　○「小さな拠点づくり」モデル地区推進事業総合補助金交付要綱(182KB)

　○「小さな拠点づくり」モデル地区推進事業(起債分)総合補助金交付要綱(164KB)