令和8年度島根県統計グラフコンクール全体講評
審査員長
石野眞(国立大学法人島根大学名誉教授)
今年度も県内の皆様より多数ご応募いただきありがとうございます。
今回は全体で126点もの作品のご応募をいただき、出品数の多さがバラエティに富んだテーマ設定と質の向上にもつながっていることを認識し、興味深く審査をすることができました。
全体の印象として、現代の社会問題や経済的課題など、世の中で話題となっているテーマが多く、目の付けどころの良さが際立っていました。
各部門の特徴として、小学生は特に、自分の生活や身のまわりの事象にヒントを得た素朴な疑問から出発しており、好印象をもちました。とりわけ、小学3年生の段階から、かなり高度なテーマについて統計を通じて深く分析している作品が見受けられ、その思考の深さに感服しました。
すべての部門において、自身の課題意識からスタートしたテーマが多く、統計データを明確に処理し、美しく可視化している点が特筆されます。例えば、過疎の現状分析にとどまらず、過疎化対策に言及するなど島根らしいテーマ設定や課題解決策の提案、あるいは、コンビニエンスストアのトイレ利用実態から日本の当たり前を問い直す考察をするなど、自らの疑問に対して、丁寧に調べ、色使いやグラフの種類を工夫しながらまとめている作品が多く、全体的にレベルの高さを感じました。上の学年に進むにつれて、分析がより的確に行われ、グラフから読み取れるメッセージが明確になっていく傾向が見られ、統計を活用した思考力の段階的発展が実感できました。
毎年統計グラフコンクールの審査に関わってきて、統計グラフの作品づくりを通じて、児童・生徒の課題解決能力と表現力が育まれていることが感じられ、本コンクールの意義を改めて認識しています。統計グラフを作成する過程で、データを集め、分析し、その結果を相手に分かりやすく伝える、こうした一連の行為が、子どもたちの思考力や判断力を高めていくものと考えます。今後とも本コンクールを通して、社会生活や自然現象への関心を深め、統計の力で物事を見つめ、自ら考え、判断し、行動する力をさらに伸ばしていただきたいと期待しています。
最後に、作品制作に取り組んだ皆様の努力と、ご指導いただいた先生など関係者の皆様のご尽力に敬意を表しますとともに、深く感謝申し上げます。
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