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給与勧告に当たっての人事委員会委員長談話

委員長談話全文:PDF版93.9KB

 

1.本日、本委員会は、県議会と知事に対して職員の給与等に関する「報告」を行い、併せて給与の改定について「勧告」をしました。

 

2.昨今、公務員の給与は、民間の賃金水準を適正に反映していないのではないかという意見があり、地方公務員の給与決定においては、従来の国家公務員の給与に準ずることより地域の民間企業従業員の給与をより重視することが求められています。

 このような要請を受けて、昨年の勧告から、職員給与と民間給与との比較において比較対象となる企業規模を100人以上から50人以上に拡大するなどの見直しも行ったところであり、本県職員の給与決定に当たっては、職員の士気の高揚や有能な人材確保の観点から一定の給与水準を確保しつつ、地域の民間給与の実態をより適正に反映していく必要があると考えます。

 

3.本委員会は、本年4月における職員と民間企業従業員の給与を比較し、国や他の都道府県の動向を踏まえながら、様々な角度から検討を行いました。

 その結果、月例給については、特例条例による減額前では前年に引き続き職員給与が民間給与を上回っていたもののその較差は縮小しており、減額後では逆に職員給与が民間給与を下回り、その較差は前年より拡大している状況にありました。また、民間事業所の初任給が昨年に比べて増額となっており、職員の初任給を上回っていることから、給料表について、国に準じて初任給を中心に若年層に限定した改定を行うこととしました。

 また、民間事業所における家族手当の支給状況を勘案し、子等に係る扶養手当についても国に準じて引き上げを行うこととしました。

 なお、人事院勧告においては、地域手当について本年度の支給割合を一部の地域について4月に遡り0.5%引き上げることとしましたが、特例条例による減額前では職員給与が民間給与を上回っている状況等を勘案し、実施しないこととしました。

 一方、ボーナスについては、職員の支給月数が民間事業所のそれを上回っており、昨年に比べその差が拡大している状況にありました。本委員会としては、職員の士気の高揚や人材確保の観点からは、国や他の都道府県の職員との均衡を考慮し一定の水準を確保しつつ、広く県民の理解を得るために、地域の民間事業所の支給実態をより反映したものとする必要があると判断し、0.2月引き下げることとしました。

 

4.本委員会の「勧告」は、労働基本権制約の代償措置であり、地方公共団体の職員の給与その他の勤務条件が社会一般の情勢に適応して適切に決定されるために行うものであり、これにより、県民の理解を得られる職員の給与水準を保障するほか、時代の変化に応じた適正な給与制度が実現できるものです。

 現在行われている特例条例による給与の減額措置については、県の財政運営が一段と厳しさを増していることから、減額措置の継続や管理職手当の上乗せ減額について議論されているところですが、本委員会が行う「勧告」の趣旨とは異なるものであり、諸情勢が整い次第、本来あるべき職員の給与水準が確保されるべきと考えております。

 

5.今回の勧告は、給料表や扶養手当を人事院勧告に準じて引き上げる一方で、期末・勤勉手当の支給割合を0.2月分引き下げるという内容であり、職員の皆さんにとっては、特例条例による給与の減額措置が与える影響が非常に大きい中で、大変厳しいものとなったことは十分理解しているところです。

 しかしながら、県内の民間企業の給与実態を見ると、県内の経済情勢を反映して依然として厳しいものがあります。昨今、地方公務員の給与のあり方について厳しい目が注がれる中、県民の理解と納得を得るためには、民間企業の厳しい給与実態も反映させた勧告とする必要があると判断したところです。

 危機的な本県財政状況の下、限られた予算と人員という非常に厳しい状況の中ではありますが、職員の皆さんには、最大限の効果を発揮できるよう、公務能率と行政サービスの一層の向上に努めるとともに、高い倫理観と強い使命感を持って、県民の期待と要請に応えるよう、一層職務に精励されることを切望します。

 

6.県民各位におかれましては、本委員会が行う「勧告」の意義と職員の適正な処遇を図り、公正な人事・給与制度を維持することの重要性について、深いご理解をいただきますようお願いします。

 

平成19年10月18日

島根県人事委員会

委員長中村寿夫

 


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