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決算特別委員長報告

 

 決算特別委員長報平成26年11月定例会

 

 決算特別委員長報告をいたします。

 

本年9月定例会において本委員会に付託されました、知事提出第120号議案から第122号議案及び認定第1号議案から認定第3号議案の6件につきましては、決算審査の結果を平成27年度の予算に反映させるべく精力的に審査・調査を行ってきたところであります。

 以下、その経過及び結果について申し上げます。

 

 初めに、平成25年度の決算の概要についてであります。

 一般会計の歳入総額は5,413億円余、歳出総額は5,260億円余であり、前年度に比べて歳入は0.6%増加、歳出は0.3%減少しました。翌年度に繰り越すべき財源を差し引いた実質収支額は51億円余の歳入超過でありました。

 証紙特別会計など12の特別会計を合算した歳入総額は1,374億円余、歳出総額は1,328億円余であり、こちらは前年度に比べて、歳入は3.3%、歳出は3.1%減少し、実質収支額は43億円余の歳入超過でありました。

 

 平成25年度決算に係る健全化判断比率については、実質赤字比率及び連結実質赤字比率については該当がなく、実質公債費比率及び将来負担比率については、いずれも早期健全化基準を下回っております。

 実質公債費比率は13.2%、将来負担比率は178.2%と、前年度と比べてそれぞれ1.4ポイント、1.5ポイントの改善となっております。

 また、平成25年度末の基金残高は196億円余と、財政健全化基本方針で目標とされている額を確保しており、地方債現在高は9,914億円余と、前年度末からわずかではありますが着実に減少しております。

 これは、財政健全化の種々の取り組みの成果として評価できるものでありますが、厳しい経済情勢の中、消費税率の10%への引き上げを、平成29年4月まで1年半延期する方針による社会保障制度改革への影響など、不透明な要因も多いことから、今後も厳しい財政運営が避けられないものと考えます。

 引き続き、財政健全化に向けて、着実に取り組まれるよう求めます。

 

 次に、公営企業会計の決算についてであります。

 まず、病院事業会計についてであります。

 中央病院については、純損失が9億8,000万円余であり、累積欠損金は145億円余となりましたが、減価償却費など現金支出を伴わない費用を除いた償却前損益は10億円余の黒字でありました。償却前損益に資本的収支不足額を加えた単年度資金収支は、4億円余の赤字で、11年ぶりの赤字でありました。

 こころの医療センターについては、純損失が1億7,000万円余であり、累積欠損金は35億2,000万円余となりましたが、償却前損益は1億2,000万円余の黒字でありました。

 企業局所管の電気事業、工業用水道事業、水道事業及び宅地造成事業についての各事業会計の営業実績は、電気事業は純利益4億4,000万円余、工業用水道事業は純損失3,700万円余、水道事業は純利益約7,000万円、宅地造成事業は純損失6万円余でありました。

 

本委員会におきましては、全体会及び4つの分科会において、平成25年度に係る予算執行が、議会の議決の趣旨及び関係法令等の規定に従い、適正かつ効率的に行われたか、施策の効果が十分上がったか、また、今後改善を要する点は何か、などの諸点に視点を置いて、関係各部局から各種の資料の提出を求め、詳細な説明を聴取し、また、監査委員からは、決算審査等の意見及び定期監査の結果に関する意見等について説明を受けたところであります。

 以上のような審査の結果、本委員会に付託されました議案6件は、いずれも賛成多数により、可決及び認定すべきものと決定いたしました。

 

 今後改善すべきものとして指摘する事項は、お手元に配付の「平成25年度決算における指摘事項」のとおり、2点であります。

 

 初めに、一般会計及び特別会計決算に係る事項、「少子化対策について」であります。

 本県における出生数は減少の傾向で推移していますが、未婚化・晩婚化に対応するため、県独自に、独身男女の縁結びを応援するボランティアによる「はっぴぃこーでぃねーたー事業」で出会いのきっかけづくりを進めることで、本事業による平成25年度の成婚件数は、過去最高の72件となったものの、県全体の婚姻数は前年より減少し、3,000件を切るなど、まだ十分な成果が上がっているとは言えない状況であります。

 一方、特定不妊治療費助成は平成25年度498組に対して行われ、助成実績も年々増加しているということで、一定の評価ができます。

 国においては、民間会議の問題提起を受け、人口減少対策に取り組むため、本格的に少子化対策に取り組もうとしているところであります。

 ついては、こうした国の動きを積極的に捉え、市町村とのさらなる連携強化のもと、本県の少子化傾向に歯止めがかかるよう取り組みを強化されることを求めます。

 

 次に、公営企業会計決算に係る事項、「病院局の個人負担分にかかる医業未収金への対応について」であります。

 中央病院とこころの医療センターの医業未収金については、その発生の未然防止と早期回収に取り組まれているところでありますが、平成25年度末において両病院合計で1億8,200万円余となっています。

 このうち、「本人の死亡や居所不明など真にやむを得ないと認められるものについては、一定の基準をすみやかに設定して債権放棄を行うなど、適切な欠損処理を進めるよう引き続き努められたい」旨、昨年度指摘したところであります。

 これに対し病院局においては、徴収業務の一部を法律事務所等に委託することにより、より効率的な債権回収ができるよう検討するとともに、一般会計や他県の例を参考にするなどして債権放棄の基準を検討し、また債権放棄の知事への提案基準に該当するかどうかを審議する場として病院局内に「債権管理委員会(仮称)」を置くことを検討しているところであります。

 現在、債権放棄に関する手続は、1件100万円を超える事案については議会提案、それ以下の事案については知事専決となっています。しかしながら、中央病院未収金3,664件のうち100万円を超えるものは4件であります。

 ついては、この際、医業未収金の債権放棄の知事及び議会への提案のあり方については、他債権との違いや他県の例等を参考にしながら、病院局においても引き続き検討を行われることを求めます。

 

 以上、申し述べました指摘事項を始め、委員会審査の過程において出された各委員の意見や要望等について十分に配慮し、本委員会の設置の趣旨を踏まえ、審査の結果等を平成27年度の予算に反映されるよう要請いたします。

 

 日本経済は、7から9月期の国内総生産GDP改定値が前期比0.5%減、年率では1.9%減と2四半期連続のマイナス成長で、消費税増税後の景気回復の遅れが一段と明らかとなりました。

 県経済につきましては、景気の停滞感、減速感が濃く、依然として厳しい状況が続いております。

 また、冒頭に申し上げましたとおり、消費税率の引き上げなど、県財政を取り巻く情勢は、極めて不透明な状況であり、来年度の予算編成などに影響が生じることが予想されます。

 

 このような状況のなか、執行部におかれては、今後の社会・経済情勢の変化や国の動向等を的確にとらえ、また、県民生活の実態を見定めながら、県財政の健全化と人口減少対策に、県民本位の立場に立って取り組まれることを期待いたしまして、決算特別委員長報告といたします。



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