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総務委員長報告

 

総務委員長報告  平成23年2月定例会(3月4日)

 

 総務委員長報告をいたします。

 今定例会で総務委員会に付託された議案の審査結果等について報告いたします。

 

 本委員会に付託された議案は、予算案9件、条例案11件及び一般事件案3件であります。

 これらの議案について、執行部に説明を求め、慎重に審査いたしました結果、第22号議案「島根県公文書等の管理に関する条例」を除き、全会一致をもって、原案どおり可決すべきとの審査結果でありました。

 

 全会一致とならなかった第22号議案「島根県公文書等の管理に関する条例」につい

ては、委員から、県事業の執行段階における県議会議員による執行部への関与については、公文書として残すのかとの質問があり、執行部からは、各部局で事案ごとに条例の規定に基づいた判断を行い、公文書に該当するものを残すことになるとの回答がありました。

 最終的には、挙手による採決を行ったところ、賛成多数により、原案どおり可決すべきとの審査結果でありました。

 

 次に、その他の議案の審査過程における執行部からの説明、委員からの質疑、意見等のうち主なものについて報告いたします。

                                                  

 新たに設置される「総務事務センター」について、委員から、その目的・役割や人員削減との関係について質問があり、執行部からは、全庁的な内部管理事務改革の一環として設置する組織である。現在各所属で行っている給与、旅費などの事務を1か所で集中処理し、業務の効率化を図るものであり、その結果として業務を減らして人員削減につなげていくとの回答がありました。

 

 次に、離島航路に対する支援について、委員から、今回レインボーの後継船として予定されているジェットフォイル導入に対する県の財政的支援が示されたが、離島航路は、国道であり県道であるという視点で、維持補修費支援による運賃低廉化などさらなる支援をする考えはないかとの質問があり、導入後の維持経費を含めて、引き続き検討課題だと考えているとの回答がありました。

 

 次に、請願の審査結果について報告いたします。

 このたび新規に提出された請願1件及び継続審査中の請願10件について、慎重に審査いたしました。

 その結果を申し上げます。

 まず、新規の請願第66号は、朝鮮半島の有事に備え、国境に位置する隠岐諸島について、領土保全という特別な役割を考慮し、また、島民の生命の安全と財産を守るためにも、「離島 隠岐諸島」の危機管理体制を早急に確立することを求めるものであります。

 本請願については、願意が妥当であり、国に働きかける必要があるとの理由から、「採択」すべきとの審査結果でありました。

 次に、継続審査中の請願については、いずれも結論に至るだけの状況の変化がないことから、「審査未了」とすべきとの審査結果でありました。

 

 次に、報告事項など所管事項調査に関連したものについて申し上げます。

 

 まず、核燃料税についてであります。

 委員から、島根原子力発電所3号機の営業運転開始の遅れにより、核燃料税の関係でどのような影響があるのかとの質問があり、執行部からは、3号機に係る核燃料税は営業運転開始から3か月以内に納めることになっている。3月に営業運転が開始されれば、3月中の納付は可能であり、今後中国電力と協議をしていく。万が一、3月に納付がない場合であっても、資金繰りで対応できるので、県の事業実施等には影響ないとの回答がありました。

 

 次に、島根原子力発電所における保守管理の不備についてであります。

 この件は、昨年3月16日に点検計画表と点検実績との不整合が判明して以降、本委員会において所管事項として調査を行っており、平成22年9月定例会において、中国電力、国、県に対する要望事項を含めた調査の概要を報告したところであります。

 その後、本年2月14日に島根原子力発電所3号機の実地調査を行った際、中国電力株式会社から再発防止対策の取り組み状況等について説明聴取を行いました。

 その際、本委員会の委員から示された要望事項への対応状況に関する質疑を行うとともに、中国電力株式会社に対し、このたびの保守管理の不備については、国の指導・監督、県のチェックを受け、また、本委員会の委員の要望事項も踏まえながら、適切な対応を行っていくよう求めました。

 そして、今定例会の本委員会において、経済産業省原子力安全・保安院から参考人を招請し、特別な保安検査による確認結果について説明聴取を行いました。

 同保安院からは、保守管理の不備等に対する再発防止対策が着実に実施され定着していることを確認した。また、1号機の点検時期超過機器の健全性に問題がないことを確認した。1号機の運転再開にあたっては安全上の問題はないものと判断した。今後も引き続き、特別な保安検査等により、再発防止対策の定着状況、1号機の原子炉起動時の安全確認などについて厳格に確認していくとの説明を受けました。

 その際、本委員会の委員から示された要望事項への対応状況等について質疑を行うとともに、今後も中国電力に対する指導・監督を厳格に行うこと。国の対応状況などについて、積極的な情報公開を行うとともに分かりやすい説明に努めることを要望いたしました。

 参考人からの説明聴取後、執行部から、2月15日に立入調査を実施し、再発防止対策が定着していると考えている。1号機の点検時期超過機器349機器の点検が全て完了したことを確認した。また、知事から中国電力に対する申し入れへの対応状況についても説明を受けた。さらに、3月1日に開催する県の安全対策協議会において、保守管理の不備への対応状況を説明し、県の原子力安全顧問や委員の意見を聴取する。3月5日には、島根原子力発電所の安全対策等に関する意見交換会を開催し、住民の方々から意見を聴取する予定であるとの報告がありました。

 以上の報告に対して、委員から、どのような点から再発防止対策が定着していると考えるのかとの質問があり、これに対し、執行部から、再発防止対策として改正された業務手順書により保守管理業務が実施されており、定着していると考えているとの回答がありました。また、委員から、県が立入調査で確認した内容と、国が確認した内容は整合しているのかとの質問があり、整合しているとの回答がありました。

 また、委員から、再発防止対策の検証と改善を図っているとのことだが、具体的にどのような改善が図られているのかとの質問があり、再発防止対策の有効性評価を踏まえ対策の一部を見直したり、原子力安全文化醸成活動の充実を図っているとの回答があり、さらに、委員から、中国電力は、県からの申し入れに適切に対応しているのかとの質問があり、再発防止対策の改善を図るなど、県からの申し入れだけでなく、県議会の要望にも適切に対応しているとの回答がありました。

 

 本委員会としては、この審議において、執行部からの説明内容については、理解できたと考えております。

 なお、委員からは、次のような要望がありました。

  1 国においては、引き続き、再発防止対策の定着状況を確認するなど、中国電力に対する指導・監督を厳格に行うこと。

  2 中国電力においては、引き続き、国の指導・監督、県のチェックを受けながら、再発防止対策を確実に実行すること。また、実施状況について、効果などの検証を行い、必要に応じて改善していくこと。

  3 国、県、中国電力においては、県民の疑念や不安を解消していくため、今後も、それぞれの対応状況などについて、積極的な情報公開を行うとともに分かりやすい説明に努めること。

  4 県においても、引き続き再発防止対策の定着状況を確認し、必要が生じれば改善を求めること。

  5 国、自治体、中国電力、住民の四者が意見交換を行う場の充実を図るため、県の安全対策協議会の開催回数増や昨年11月に設置した安全 対策等に関する意見交換会の継続的な開催を検討すること。

                                                                     

 以上、知事におかれては、これらの要望も踏まえ、適切な判断をされるよう望むところであります。

 

 次に、島根原子力発電所1号機の定期検査の状況についてであります。

 執行部から、平成22年11月8日から第29回定期検査を実施中の1号機において、原子炉再循環系配管等溶接部69箇所の点検を実施していたところ、溶接継手部2箇所に、ひびが確認されたとの報告がありました。

 委員から、県においても、当該溶接部の安全性を確認していくことが大切ではないかとの意見がありました。これに対し、執行部から、中国電力は健全性評価を行い、その結果を原子力安全・保安院に報告するようになっていること、報告を受けた同保安院は、その評価結果や対応策の妥当性について確認していくので、今後、県においても、中国電力や国の対応を確認しながら、当該溶接部の安全性を確認していくとの回答がありました。

 これは、1号機の定期検査中に判明した島根原子力発電所の設備の安全性に関わる問題であり、県においては、定期検査の状況を確認し適切な対応を望みます。

 

 最後に、建設中の島根原子力発電所3号機の機器の動作不良についてであります。

 執行部から、3号機の制御棒駆動機構に動作不良が生じたとの報告がありました。

  委員から、県においても、制御棒の動作不良が確実に改善されたかの確認が必要ではないかとの意見が示され、執行部から、中国電力や国の対応状況を確認し、県においても動作不良が確実に改善されることを確認していくとの回答がありました。

 県においては、動作不良の改善状況を確認するなど適切な対応を望みます。

 

 以上、総務委員会における審査の概要等を申し述べ、委員長報告といたします。

 

 終わりに、一言ごあいさつを申し上げます。

 来る4月10日は、統一地方選挙であります。私は、今期限りで引退いたしますが、議員の皆様のさらなる躍進・ご健闘をお祈りいたしますとともに、今日までの3期12年間、ご指導・ご支援いただきました議員の皆様、知事をはじめ執行部の皆様、そして県民の皆様に深く感謝をいたします。

 今後の島根県のますますの御発展をお祈り申し上げ、あいさつといたします。

 ありがとうございました。

 

 



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