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決算特別委員長報告

 

決算特別委員長報平成19年11月定例会

決算特別委員長報告をいたします。

本年9月定例会で付託された公営企業会計並びに今定例会で付託された一般会計及び特別会計に係る平成18年度の決算の認定議案6件につきましては、本年9月、決算特別委員会を設置して以来、決算審査の結果を平成20年度の予算に反映させるべく精力的に審議・調査を行ってきたところであります。
以下その経過及び結果について申し上げます。

政府においては、「経済財政改革の基本方針2007」が本年6月に閣議決定され、平成20年度予算についても、この「基本方針2007」を踏まえ、引き続き歳出予算の削減を行い財政健全化の努力を今後とも継続していくこととされましたが、本県財政への多大な影響が憂慮されるところであります。

一方、税収をはじめ様々な面で都市と地方の格差が拡大する中、本県においては、地方債を財源とした積極的な公共投資により、かなり高水準の地方債残高となり、公債費が増大し、今後も高水準で推移することが見込まれ、県財政は危機的な状況にあります。
本県においては、これまでも財政健全化に向けた取組として平成14年12月策定の財政健全化指針や平成16年10月策定の中期財政改革基本方針に基づき、全国的にもトップレベルの改革を行ってきましたが、それでも毎年度多額の収支不足が生じ、一段と厳しい財政運営が余儀なくされ、この度、財政健全化基本方針が策定され更なる財政健全化への取組がなされているところです。

このような状況の中で、私たちに平成18年度決算の認定議案が付託されましたが、平成18年度の県政の中で特筆すべきことを振り返ってみますと、まず、県東部を中心とした7月豪雨により大きな被害があり緊急に災害復旧のための予算措置がなされ、同じ7月には新隠岐空港の開港・ジェット機の就航がありました。また、竹島問題に関して、本県が要望した竹島領土権の早期確立に関する請願書が、6月に衆参両院本会議で採択され、初めて国会の意思が示されました。さらに、平成19年3月には、全国への文化発信を目指す古代出雲歴史民俗博物館がオープンしております。

そこで、以下、その平成18年度における歳入歳出決算について、申し述べます。
まず、一般会計についてであります。歳入総額5,339億円余、歳出総額5,276億円余。翌年度に繰り越すべき財源を差し引いた実質収支は28億円余の黒字でありました。また、用品調達等特別会計等の10の特別会計を合算した歳入総額1,307億円余、歳出総額1,212億円余、実質収支は94億円余の黒字を計上しております。
次に、病院事業会計の決算についてであります。
中央病院については、単年度で純損失を5億円余計上し、累積欠損金は124億円余となっております。
湖陵病院については、単年度で純損失が2千万円余となり、累積欠損金は16億円余となっております。
次に、電気事業会計、工業用水道事業会計、水道事業会計及び宅地造成事業会計の決算についてであります。
各事業会計の営業実績は、電気事業は純利益1億円余、工業用水道事業は純損失6千万円余、水道事業は純利益3億円余、宅地造成事業は純損失8億円余を計上しております。

今後、一般会計については、多額の収支不足を解消していくため財政健全化基本方針に基づき、歳入では、安定した財政運営のため県税収入の確保などにより一般財源を確保するとともに、地方税・地方交付税の充実に向けた国に対する働きかけを充実させていくことを要望します。
歳出では、総人件費の抑制などによる行政の効率化・スリム化を図るとともに、経費の性質に応じ徹底的な事務事業の見直しを行うこととし、公共投資については、県の発展や県民生活のために真に必要で緊急に実施すべきものは重点的に行われることを要望します。

また、病院事業については、国の総医療費抑制策による診療報酬の改定、医師、看護師不足など病院経営を取り巻く環境は依然厳しい状況にある中、経営努力の跡は窺えますが、今までは、地方公営企業法の財務規定等の適用のみであったものが、平成19年4月から組織に関する規定等の地方公営企業法の全部が適用され、現場の判断でより迅速かつ柔軟な病院経営が可能な体制となりました。このメリットを最大限活かして自立した運営体制の確立を目指して、引き続き島根県病院事業中期計画に基づき経営の健全化に努め、医療機能の充実、自立的経営の推進、職員の育成・確保を推進することを要望します。
なお、中央病院については、「中央病院中期計画アクションプラン」に基づき良質な医療の安定供給、患者サービスの向上、良質な医療の確立のための経営基盤の確立などの目標達成に向けて努力していただくとともに、「7対1」看護配置の導入は、診療報酬の看護基準の引き上げによる医業収入の増加につながる等経営基盤の強化にも結びつくものであり導入に向けて十分な検討を行われることを要望します。
湖陵病院についても、「湖陵病院中期計画アクションプラン」に基づき医療の質の向上、収益の確保などの目標達成に向けて努力していただくとともに、県の精神医療の基幹的病院として専門医療、救急医療の充実などを目指した「島根県立こころの医療センター」への円滑な移行について万全を期されるよう要望します。

また、企業会計については、企業局を取り巻く状況は大きく変化している中、平成18年3月に策定された企業局経営計画に基づき、引き続き経費の抑制や低利・安定した資金の調達に向け努力されるとともに、この計画に掲げられている成果・目標の確実な達成に向け、適切な進行管理を行うことにより一層の経営効率化に努めることを要望します。

本委員会におきましては、委員会及び4つの分科会において、平成18年度に係る予算執行が議会の議決の趣旨及び関係法令等の規定に従い、適正かつ効率的に行われたか、施策の効果が十分上がったか、また、今後改善を要する点は何か、などの諸点に視点を置いて、出納長及び関係各部局長から各種の資料の提出を求め、詳細な説明を聴取し、また、監査委員からは、決算審査の意見について説明を聴取したところであります。
その結果、平成18年度決算については、いずれも賛成多数により認定すべきものと決定いたしました。
なお、今後改善すべきものとして指摘した事項は、お手元に配布しております「平成18年度決算における指摘事項」のとおりであります。これらの事項を速やかに改善されるとともに、本委員会の設置の趣旨を踏まえ、審査の結果等を平成20年度の予算に反映されるよう要請し、決算特別委員長報告といたします。



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