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農水商工委員長報告


農水商工委員長報平成19年6月定例会

農水商工委員会に付託されました議案の審査経過並びに結果等について報告いたします。

今期定例会において農水商工委員会に付託されました議案は、予算案2件、条例案2件及び一般事件案1件であります。

これらの議案について、去る6月26日に農水商工委員会を招集し、委員全員の出席のもとに、執行部に説明を求め、慎重に審査いたしました結果、いずれの議案も全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。

付託された議案の審査過程における執行部からの説明、委員からの質疑、意見、要望事項等のうち、主なものについて報告いたします。

まず、予算案についてであります。農林水産物や産業技術、観光資源などの地域資源を活用した新商品開発や新サービス開発の初期投資支援としての「地域資源産業活性化支援事業」については、25億円の基金運用の如何が事業の成否を決めることとなりますが、1/3を10年国債で、2/3を5年もの公債等により1.9%程度の予定利回りが想定されております。執行部におかれましては、着実かつより大きな運用実績を重ねることにより、事業効果を発現していただきたいと思います。

次に、IT中核人材育成事業については、実施舞台は(財)しまね産業振興財団で、従来から、島根大学や松江高専と連携した取り組みが行われているとのことでありますが、県内には、島根県立大学や高等技術校が設置されており、これらとの連携、活用を深めるべきとする意見がありました。これに対し、県内産業の人材育成の大きな枠組みについては「島根県雇用対策推進会議」や高等技術校の再編整備計画の策定の中で考え方を整理するが、当該事業で実施する、組み込みソフトやRubyエンジニアの養成は、緊急を要することから、当面、(財)しまね産業振興財団で行い、県立大学での取り組みについては、今後、隣接する江津市のポリテクカレッジとの連携や講座開設などにより、県西部での人材育成にあわせて検討したいとの答弁がありました。

高等技術校の再編整備に関しては、科目によっては公設民営などの検討が必要との意見がありました。

観光交流ビジネス支援事業の対象地域に関しては、県は観光商品の研究開発や海外を含めた広域的な取り組み、市町村は個々の素材を磨くことによる、比較的近場のマーケットへの取り組みとなっているが、松江地域と石見・隠岐地域では取り組みに大きな違いがあり、当面は、取り組みの弱い地域を支援したいとの説明がありました。

続いて、請願3件の審査について申し上げます。

まず、請願第3号につきましては、現在、国会において最低賃金法の改正が審議されているところであり、パートタイム労働法については、この5月に改正されたところであります。雇用の形態につきましては、多種多様であり、また、雇用される本人の様々な意志や考え方があることから、賛成多数で「不採択」といたしました。これにつきましては、一部の委員から「継続審議にすべき」との意見が出されたことを申し添えます。

次に、請願第1号につきましては、請願された地区においては、担い手育成や農地の集積等、積極的な取り組みをされており、県においても事業実施に向けた調査等が進められていることから、全会一致をもって「採択」といたしました。

次に、請願第7号につきましては、記1のWTO農業交渉に関しましては平成18年7月に、記2の日豪EPA交渉に関しましては平成18年12月の定例県議会で、それぞれ同趣旨の意見書が議決され、既に衆参両院議長及び関係大臣に提出されております。現時点において、政府、国会では提出した意見書に対する結論を得るに至っておらず、今回さらに同じ趣旨の意見書を出すことは適切でないと判断し、「採択」とするが意見書は提出しない、いわゆる「みなす採択」とすべきものといたしました。
ただし、記3については、現在交渉中であり、情報公開し、消費者等の声を反映するべき対象がないため、引き続き状況をみて判断すべきものとし、「継続審査」といたしました。
なお、これらにつきましては、いずれも全会一致による結論であったことをご報告いたします。

次に、陳情の事案に関わる調査経過を申し上げます。
「松枯れのための農薬空中散布に関する陳情」として、農薬の空中散布を中止し、伐倒駆除へ切り替え、樹種転換することを求める陳情の提出を受け、執行部からの意見も聞き、調査いたしました。
委員から、農薬空中散布が周辺住民等への健康に対する懸念があること、また、空中散布の有効性の検証が不十分であるとして、陳情の願意のとおり、中止とすることが妥当とする意見がありました。これに対し、空中散布の有効性は、実施している地域と実施していない・或いは中止した地域との松枯れの状況を見れば歴然とした違いがあること、防風林に象徴される生活環境や景観を守っていくためには、現時点においては、空中散布に代わる有効な手段がないことから「不採択」とすべきとの意見があり、挙手採決の結果、賛成多数により「不採択」といたしました。
尚、松枯れに関する問題につきましては、今後、委員会として必要に応じて、専門家の意見聴取や現地調査の実施を考慮したいと考えております。

最後になりますが、今期委員会の調査テーマを「投資的事業のあり方と生産者利益の確保について」といたしました。
従来の施策体系は縦の流れで組まれており、例えば、米政策では高品質、多収穫など売っていくものから、農地の荒廃防止、後継者の育成などの守っていくものまで全てを一つとして行われておりました。言い換えれば、しっかり売って、しっかり稼ぐものから、売れなくても、稼げなくても作り続ける政策が一つの施策体系のなかで行われています。
この2年間で生産者、製造者がしっかり利益が出せる部分、いわゆる有効な投資施策について調査を進めていくこととしました。

以上で農水商工委員会の委員長報告を終わります。



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