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農水商工委員長報告


農水商工委員長報平成17年9月定例会


農水商工委員長報告を致します。
 

農水商工委員会に付託されました議案の審査経過並びに結果について、報告致します。
まず、今定例会において農水商工委員会に付託されました議案は、予算案3件、知事提出の条例案3件及び一般事件案3件であります。
これらの議案について、執行部に説明を求め、慎重に審査致しました結果、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定致しました。

次に、請願の審査について申し上げます。
新規の請願の付託はございませんでした。

継続審査中の第23号「島根県の遺伝子組換え作物の開発中止を求める請願」のうち、「島根県の遺伝子組換え作物の開発を中止して欲しい」旨を求めた項目につきましては、審査に先立ち、執行部から、次のとおり報告がありました。
遺伝子組換え研究には、さまざまな世論があることから、「遺伝子組換えによる研究において、非食用作物についは品種改良を目的とした研究を行うが、食用作物については、研究を凍結する」という、研究方針(案)を、8月5日から9月6日の間、パブリックコメントを実施し、県民の意見の聴取をしたこと。
この研究方針(案)に対して、特に反対するコメントがなかった状況を踏まえ、今後の本県における研究方針「島根県農林水産試験研究における遺伝子組換え作物研究の方針」を策定する予定であることについて報告がありました。
従って、本委員会では、研究方針(案)に基づき、遺伝子組換え研究を、すべて中止するものではないこと、遺伝子組換え技術の安全性については、国において法律に基づいた審査が、実施されていることなどから、この項目は「不採択」が適当であるとの結論を得ました。

次に、「遺伝子組換え作物ではなく、有機栽培をめざす栽培技術を開発して欲しい」旨を求めた項目につきましては、願意については充分理解できるものの、現在の有機栽培技術は、すべての作物にその技術が確立されておらず、鋭意研究中とのことでありますので「趣旨採択」が適当であるとの結論を得ました。

続いて、陳情の審査において特に報告すべきものについて申し上げます。
新たに受けた陳情のうち第300号から第302号までの3件が、「出雲市に出店が予定されている大型ショッピングセンターの進出を阻止して欲しい」とするものであります。
陳情の趣旨を要約すると、大型店が進出すれば、中心市街地の活性化に支障が生じること、大型店の周辺において渋滞、騒音、悪臭などが発生し、生活環境等の悪化が懸念されるなどの理由により、大型店の出店を阻止してもらいたいとの趣旨であります。
出雲市におかれましては、今まで、活力あるまちづくりのために、行政と市民、商店街の皆様方が協力され、駅周辺の土地区画整理事業などのハード事業、サッカーのワールドカップに出場したアイルランドチームのキャンプ誘致などのソフト事業など、様々な取り組みを精力的に実施されていることは周知のことであります。
今回の出店計画に伴う開発行為にあたっては、さまざま法律が関係することから、県が設置する土地利用調整会議において調整されることになりますが、商工労働部が所管している現行の大規模小売店舗立地法では、生活環境の保持を目的とした、事業者からの届出による環境規制に留まるもので、且つ、他の法令においても、県には出店を直接規制する権限がないこと、また、まちづくりについては、まず、基礎的団体である市町村で検討いただくことが適当であり、出雲市議会におかれては、既に同趣旨の陳情を不採択にされていることにも配慮が必要から、本委員会においては「不採択」との結論に至りました。
しかし、陳情者が懸念されている事柄は、充分に予想されることでありますので、関係者のご努力を期待するとともに、中心市街地の活性化や、出店予定地の周辺住民の生活環境等への対応について、県が関与しているさまざまな法律や制度において、適切な対応が図られるよう、執行部に対して強く要望するものであります。

続いて、執行部からの報告事項に関して申し上げます。
まず、漁協の合併についてであります。
このことについては、安定した漁協経営を目的に、県内21漁協から県内1漁協への合併が検討され、7月には仮調印が締結されるなど、合併に向けた必要な手続きが進められて参りましたが、各漁協の総会において合併に関する議案が、2つの漁協において否決されたことが報告されました。
この事態に対し、今後も引き続き、合併推進協議会等で県内1漁協に向けて努力されるとの報告がありました。
本来、合併は、各漁協の自主的判断によるべきことであります。しかし、漁業を取り巻く環境は、漁獲高の減少や魚価の低迷、燃料の急騰やエチゼンクラゲの発生、貨物船の積荷流出による漁業被害など厳しい局面にあり、抜本的な対策が必要とされています。
そのような中で、委員からは、合併案を否決した漁協が、なぜ否決としたのか、その理由や課題が充分に受け止められているのか、漁協の問題ではあるが、より良い結果が得られるよう、県としてもできるだけの支援をするよう要望がありました。

次に、同じく漁業関係について、委員からの要望を申し上げます。
エチゼンクラゲ被害については、発生の原因や流れてくる仕組みが解明されていない部分もありますが、実際に、ここ数年、漁業者に与える損害は甚大なものであります。
被害補償や自衛策への援助、予防手段の確立など、国の具体的な施策が、一刻も早く示されるよう国への働きかけを要望するものであります。
 

以上、農水商工委員会における審査の概要等を申し述べ、委員長報告といたします。

 

 

 



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