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建設環境委員長報告


建設環境委員長報平成16年12月定例会


建設環境委員長報告をいたします。
建設環境委員会に付託されました議案の審査結果について、ご報告いたします。
今定例会において建設環境委員会に付託されました議案は、予算案3件、条例案2件、一般事件案2件であります。
これらの議案について執行部に説明を求め、慎重に審査いたしました結果、いずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。

それでは、審査過程における執行部からの説明、委員からの意見、要望事項のうち主なものについて申し上げます。

まず、新規の陳情3件のうち、2件について審議結果を御報告致します。

1つ目は、島根大学の学生等から提出のありました「島根県地域いきいき活動促進条例の制定について」であります。
この陳情は、「NPO活動を促進するための条例を制定すること」、もう一つは、「陳情書に添付した条例案の趣旨を尊重した条例を制定すること」を求めたものです。
「条例を制定すること」については、その必要性が認められることから「採択」と致しました。
一方、「条例案の趣旨を尊重すること」については、委員から、今しばらく審議する必要があるとの意見が多数であったことから「継続」と致しました。

2つ目は、出雲商工会議所から提出のありました「島根県が発注する公共工事の量の確保と前倒しについて」です。
これは、市町村合併に伴い、公共事業の発注が滞るのではないかとの懸念による陳情であります。

陳情者によれば、新出雲市の場合、2市4町の今年度の公共事業工事は概ね1月に竣工検査を受ける予定になっており、合併後、新市の予算が確定する当分の間、新市による公共事業発注が中断することが予想されることから、県においてこの間の継続的な事業の発注をお願いされたものです。

これについて、執行部に状況を確認したところ、本年度第四半期の発注については、本年度当初予算において設定した債務負担行為により一定量の発注が行われること、来年度分についても早期発注に努めることの回答があり、一定量の発注量が確保できる状態にあることから「趣旨採択」といたしました。
委員からは、執行部に対し、出雲市に限らず市町村合併に伴い、各種事業の推進が滞ることのないような事業発注に努めるように要望がありました。


続きまして、所管事項調査に関連したものについて申し上げます。
はじめに、環境生活部の所管に属する調査事項について報告いたします。

「宍道湖景観形成地域内における届出行為」についての経過報告を受けました。
この届出行為は、松江市西茶町地内にマンションを建設するためのものでありますが、その予定地が「宍道湖景観形成地域」に該当することから、「ふるさと島根の景観づくり条例」に基づき、建設事業者に対し指導を行ったものであります。
提出された事業計画について、松江市長から宍道湖景観に大きく影響を与えるため、規模を縮小するよう求める」意見が提出され、県としてもその意見を踏まえ県景観審議会に諮問し、十一月二十九日に答申を受けたところであります。
答申内容は、「松江城天守閣から眺望した時に、嫁ヶ島の水際線を延長したラインと対岸との間に湖面が確保できるよう建物の規模を縮小すべき」というものであり、県はこれを尊重し、十二月二日、事業者に、答申内容と同内容の指導を行ったところであります。
この指導に対し、十二月二十四日までに事業者から回答を受けることになっており、この回答を待って今後の方針を決定する旨説明がありました。

これについて委員から、「宍道湖景観形成地域」における建築物について、現在の指導基準をより具体的に示すことが必要ではないかとの意見がありました。
これに対し執行部からは、規模等の制限は私権との調整もあり、地元住民の合意が不可欠であることから、松江市と連携しながらより具体的な指導基準を検討するとのことでした。

 

次ぎに企業局の所管に属する調査事項について報告いたします。

現在、クリーンエネルギーとして積極的に推進されている風力発電についてです。
まず、隠岐の島町の大峯山に設置されている風力発電施設が、落雷や台風の被害で長期に亘り発電が停止する事態が発生したましたが、執行部からは、その原因が発電機器が、輸入製品であったことから修理に時間を要したとの説明がされました。

これについて、委員から、機器は国産があるのではないか、機種の選定については考慮が必要ではないか、との意見がありました。
これに対し、執行部からは、純国産は一社のみであり、今後の事業着工にあたっては、実績等のほか、万一故障した場合に見込まれる修理期間等も考慮して機種の選定を行う旨の説明がありました。
また、別の委員からは、風力発電に取り組みたい民間企業もあり、民間に事業を譲ってもいいのではないかとの意見がありました。
これについて、執行部からは、現在、新エネルギー電気の利用は、地域全体として見たとき目標値を大きく下まわっており、新エネルギーの導入は、量的にまだまだ必要な状況である。こうしたことから、県の取り組みが直ちに民間のシェアを奪うことに繋がるわけではなく、企業局としては、事業としての採算面も十分に考慮し取り組む方針であるとの説明がありました。

次に、本委員会において「県民と行政及び県民相互の協働のあり方」をテーマに昨年度から調査した結果を集約し、「島根県におけるNPO活動活性化のための提言」として政策提言書を取りまとめ、環境生活部長あてに提出致しましたので、その概要について報告します。お手元に提言書をお配りしておりますのでご覧下さい。

本県では伝統的に、出雲、石見及び隠岐のそれぞれの地域でその地域ならではの助け合いの心を持って人々が暮らし、県民のアイデンティティのなかに島根ならではの相互扶助の精神が息づいています。

一方、阪神淡路大震災におけるボランティアの活躍を契機として、平成10年にNPO法が施行され、本年10月末現在のNPO法人は、全国で19,155法人、本県においては84法人を数え、なお増加傾向にあります。
また、県において新たに策定される総合計画においても、計画推進の基本姿勢に「自立と協働」を掲げ、NPOをはじめとする各種団体等の多様な主体と協働しながら新しい島根の国造りを推進するとしています。

身近な課題について、行政に頼るだけでなく、住民が自発的・主体的に解決していこうとする気運が高まりつつあるなかで、今後、地域づくりにおいては、住民主体によるNPO活動と行政とが共通認識のもとで、連携をしながら取り組んでいくことが不可欠であり、具体的な取り組みを進めていく必要があります。

そこで、3つの大きな柱をもとに具体的な施策を提案しました。
1つ目は、NPO活動の促進に対する基本方針の策定です。
県民、企業、行政などの関係主体が果たすべき役割分担や、共通認識を明らかにし、NPO活動を活性化するための条例を制定することを提案しました。
2つ目は、NPO活動促進のための環境整備です。
県民の間では、NPO活動がどのようなものであるのか、十分に認知されていない状況にあることから、
NPO活動に対する県民理解の促進や「しまねNPO活動支援センター」機能の充実を図ることを提案しました。
また、活動拠点の確保のため、県の地方機関見直しや市町村合併により遊休化する施設を活動の場として提供することを提案しました。
3つ目は、県事業の効率化や県民参画の推進を図るため、様々な主体の参画・協働による県政運営を行うことです。
具体的には、他県でも既に取り組まれているように、NPOから県への施策提言を受けることや、NPOへの県事業の公募委託化を行うなど、協働のシステムづくりを提案しています。そのためにも、部局間の連携体制の整備が必要であることを提案ました。

以上、建設環境委員会における審査の概要等を申し述べ、委員長報告といたします。

 

 



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