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総務委員長報告


総務委員長報平成16年9月定例会


総務委員長報告をいたします。

総務委員会に付託されました議案の審査経過並びに結果について、ご報告いたします。
本委員会に付託されました議案は、「平成16年度一般会計補正予算(第1号)」など予算案4件、「警察署の名称、位置及び管轄区域に関する条例の一部を改正する条例」など条例案6件、契約の締結に関する一般事件案2件の合計12議案と新規の請願2件であります。

まず、知事提出の12議案について、それぞれ執行部に説明を求め、慎重に審査いたしました結果、いずれの議案についても全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。

次に、議案の審査過程での執行部からの説明、委員からの質疑、意見、要望事項のうち主なものについて、ご報告いたします。

まず、核燃料税条例案について委員から、「税率の根拠となる財政需要額と税率の関係について」の質問があり、これに対して執行部からは、「法定外普通税であり、目的税のように財政需要額と税率とが必ずしも1対1になる必要はない。現時点の財政需要額は、総額で約220億円程度と予想しており、その内訳は、避難路、核燃料の輸送路、街路整備などの道路整備が170億円程度、放射能監視等の安全対策、漁港の整備など地元経済対策等に50億円程度を見込んでいる。」との回答がありました。

次に、指定管理者制度の導入についてであります。
住民サービスの向上や経費節減の観点から、本県においては平成17年4月から、しまね海洋館(アクアス)をはじめ25の施設において指定管理者制度を導入することとし、今定例会に関係する条例の一部を改正する条例案が提案されております。
この指定管理者制度の導入については、全員協議会での説明や代表質問でも取り上げられておりますが、委員からは「指定管理者の選定にあたって、全体を見通したやり方のモデルのようなものがあるのか。」との質問があり、これに対して執行部からは「各部局に対しては、一応のガイドラインを示しているが、もう少し詳しくする必要がある。また、選定委員会は基本的に施設ごとに設けるものであるが、複数の施設を対象にした選定委員会の設置も考えられる。」との回答がありました。
また、委員からは、「現在管理を行っている財団の評価が反映されるようなシステムや制度は考えられないか。仮に、指定管理者になれなかった場合、その財団は設立目的を失うこととなる。県は設置者として財団に対する責任をどう考えるか。」との質問がありました。
これに対して執行部からは、「今の財団が指定管理者になれなかった場合、その財団の設立意義が失われるということについては、この指定管理者制度が持つ本質的なものである。仮にそのような事態になったときは、現在の職員についての処遇はある程度は県としての責任で考える必要もあるので、例えば、選定の段階で指定を受けようとする企業等に対して『現財団職員の雇用をどのように考えるか』ということを聞くような対応も考えていきたい。」との回答がありました。
さらに委員からは、「標準人件費の設定にあたっても現場の実情を反映した柔軟な対応をしてほしい。」などの要望がありました。
また、別の委員からは、「現在の団体の個別事情を言い出すと自己矛盾を起こすことになるので、指定管理者制度導入の基本に立って、選定委員会を設け粛々と自信を持って進めていってほしい。」との意見もありました。

次に警察署の再編に関してであります。
現下の厳しい治安情勢に的確に対応し、県下全体の治安レベルを向上させるために、現在の17警察署を12警察署に再編するものであり、本委員会では、2月定例会での再編計画の説明を受けて以降、執行部に対して廃止対象地域への十分な配慮と説明を要請してきたところであります。
執行部からは、「廃止対象地域に対して、延べ15回にわたる住民説明会を実施し、説明会やパブリックコメント等で寄せられた意見・要望を踏まえ、三成、大社、温泉津については、当直制により夜間常駐体制を取ることとしたほか、当初、平田及び大社での廃止を予定していた運転免許更新事務を、当面週1回継続して行うことにした。」などの報告がありました。
委員からは、「廃止対象地域への説明に対する反応」や「新体制後も情勢に応じた柔軟な対応をお願いしたい。」といった質問や要望などがありました。
これに対して執行部からは、「署廃止後の治安対策について具体的に説明した結果、概ね一定の理解が得られた。」また、「来春の施行に向けて万全の準備を進めるとともに、再編後も、現実に即した対応などに最大限の努力を払っていきたい。」との説明がありました。
良好な治安は、県民共通の願いであります。総務委員会では、治安強化に資する目的に鑑み、50年振りとなる警察署の再編に関する議案を可決したところでありますが、一方では廃止対象地域を中心に、なお一抹の不安もあるのも事実であります。
来春には新体制での治安対策がスタートする訳ですが、警察本部には、県民すべてが安全安心を実感できるよう、引き続き時々の治安情勢に応じて、柔軟かつしなやかな対応を望むものであります。

 

次に、請願の審査経過と結果について申し上げます。

請願第40号は「水と緑の森づくり税(仮称)」の早期導入を求めるものであります。
執行部からは、「6月定例会において、この新税の導入に向けて、骨子案を提示し、その後、地域公聴会やシンポジウムなどを開催するとともにパブリックコメントを実施し、広く県民から意見を募集しており、今年中には結論を出したい。」との報告があり、全会一致で採択すべきものとの結果でありました。

また、請願第41号は、原発の危険から住民の生命と安全を守るために、一点目として「本県の原子力政策を根本から見直すこと。」、二点目「1号機と2号機の安全性の総点検を行い、その結果を公表すること。」、三点目として「3号機増設の受け入れを中止すること。」の三点についての請願であります。
執行部から、一点目については、「県としては原子力の開発利用にあたっては安全性の確保が大前提との基本認識から、地域住民の安全確保及び環境の保全を図るため、中国電力との間で安全協定を締結し、環境放射線の監視や運転状況の把握を行い島根原子力発電所の安全確保に万全を期している。」
二点目については、「我が国の原子力発電所は、13ヶ月毎の定期検査や予防保全対策等により安全性確保の対策が継続的に実施されている。島根原子力発電所1号機については、昨年、高経年化対策として長期保全計画をとりまとめ、また、2号機については平成14年7月に「定期安全レビュー」を行った。国においては、それぞれ妥当であると評価されている。また、これらの状況については、全て公表されている。」
三点目については、「3号機増設については、平成9年に中国電力から安全協定に基づき増設の申し入れがあり、島根県原子力発電調査委員会答申、県議会特別委員会の報告、地元3市町の意見、県民意見等から県としては増設を可と判断をしたところであり、国の一次審査が終了し、現在、原子力安全委員会で二次審査が行われている。
中国電力においては、平成23年3月の運転開始に向け敷地造成等の工事が始まっている。」との説明がありました。
これに対して委員からは「先般の美浜原発の事故を契機に高経年化に対して、もっとシビアに対処する考えはないか。」との質問があり、執行部からは「国は美浜原発の事故に対する中間報告の中で品質保証が重要であるとしている。県としては、品質保証あるいは安全文化の醸成が重要であると認識しているので、事業者に対して申し入れをするなど対応していきたい。」と回答がありました。
別の委員からは「中国電力との信頼関係の上に、安全の確保が大前提で原子力発電所の運転を認めているので、本県の原子力行政を根本的に見直す必要はないのではないか。」などの意見があったことから、最終的には採決により、この請願は不採択との結果でありました。
なお、継続審査中の請願第24号及び第26号の2件については、引き続き継続審査といたしました。

次に、所管事項調査に関連したものについて申し上げます。

まず、三位一体の改革についてであります。
先に地方6団体で取りまとめ、国に対して提案した「国庫補助負担金等に関する改革案」について、委員からは「地方6団体が改革提言をまとめたもので、基本的には賛同するが、前提条件である地方交付税による財源措置についての見通しや取り組み」などについて質問がありました。
これに対して執行部からは「この改革を進めていくため『国と地方の協議機関』が設けられ、先般の第1回目の会議では各省庁から改革案に対するいろいろな意見が出されたところである。今後もこの協議の場などを通じて地方交付税による確実な財源措置を含め、改革の真の目的である地方分権の実現に向けて議論を深めていく。」との答弁がありました。
また、別の委員からは「本県のように財政基盤が脆弱な県どうしが連携し、国に対して強力に働きかけるべき」との意見もありました。
三位一体の改革は、真の地方分権の確立を図るものでなくてはなりません。地方6団体の改革案の確実な実現に向けた取り組みを強力に進める必要があります。

最後に、「島根県立大学、島根女子短期大学、看護短期大学の改革方針」について執行部から報告がありました。
少子化に伴う大学間競争が激化する中、大学志願者にとって、より魅力のある大学づくりをめざす必要があることから、3大学を統合し、法人化しようとするものです。
平成19年4月の実施に向け、今後、県と3大学との間で検討を重ね、来年4月頃には外部有識者を含む検討委員会を設け大学改革基本計画を策定する予定。とのことであります。
今回示された県立大学・短期大学の改革方針について、本委員会では今後、十分な調査をしてまいりたいと存じます。

以上、総務委員会における審査の概要等を申し述べ、委員長報告を終わります。

 

 



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