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財政健全化調査特別委員会(中間報告)

 

財政健全化調査特別委員会(中間報告平成16年6月17日


本県は、平成14年12月策定の「財政健全化指針」、それを上回る昨年10月の100億円の一般財源削減方針、そして昨年末の地方財政対策を受けた16年度当初予算編成などにより、職員定数削減や給与カット等の人件費総額の抑制、公共事業費の30%カット、一般施策経費等の大幅削減などの非常に厳しい歳出削減を行ってきましたが、5月の中期財政見通しによれば、今後とも構造的収支不足は450億円程度となることが見込まれ、このままでは18年度にも財政再建団体に転落する危機的な状況であります。

言うまでもなく、財政再建団体に陥れば、国の管理の下、収支均衡に向けて歳入歳出の厳しい見直しが求められ、自治体として主体的な自治能力の発揮と責任を果たすことが実質不可能となります。
その結果、県民負担の増加や行政サービスの著しい低下を余儀なくされ、ひいては本県経済に甚大な影響をもたらすと見込まれることから、そのような事態はなんとしても避けねばなりません。

このため財政健全化指針に替わる「中期財政改革基本方針」の骨子を5月末に決定されたところであります。
この骨子では概ね10年後の収支均衡を視野に、構造的収支不足450億円のうち平成16年度から18年度までの3カ年で、行政の効率化・スリム化で100億円、事務事業の見直し・削減で200億円、合わせて300億円程度圧縮し、財政再建団体への転落を回避する、起債制限比率が20%に達しないよう起債発行額を抑制する、この二点が目標とされています。
骨子は今後、来年度予算編成方針に向け具体化されるのでありますが、それに関し次の二点を要望いたします。

一点目は、施策等の取捨選択、優先順位付けについてであります。
事務事業の見直しで200億円と言う数字でありますが、これは義務的な経費を除き、平成15、16年度と大幅削減した各種事業費をさらに概ね半減させなければ達成できない大変な数字であり、既存の制度・事業等の廃止・休止あるいは大幅削減が必至であります。
これらの実施、あるいは10年後の収支均衡を視野におけば、県財政として担うべき、あるいは重点的に取り組む領域の絞り込みが必要でありますが、この絞り込みにあたっては、県民の理解が得られる明確な考え方を示すことを要望します。

二点目は、財政状況と財政改革計画の周知徹底であります。
先程述べましたように、この「中期財政改革基本方針」は従来行ってきた財政健全化策とはその内容において、次元の違うものであります。
この改革は、財政再建団体転落の回避のためにはなんとして達成しなければなりませんが、県民の皆さんや県経済への影響は非常に大きいと推測されます。
このため、この改革を進めるには、現在の財政状況と施策等の優先順位付けの考え方を含めた財政改革計画を、県民の皆さんに周知徹底し、御理解を得ることが不可欠であり、このことに関し従来以上の取り組みを行うことを要望します。

次に、国の三位一体改革への対応であります。
6月4日、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」が閣議決定され、具体的税源移譲額が示されたことは一定の評価ができるところでありますが、移譲すべき税目、廃止すべき国庫補助負担金、さらにこれらと一体となった地方交付税の財源調整・財源保障機能の確保など、今後も注視すべき課題があります。
いずれにしても、本県のような財政基盤が脆弱な団体にあっても自主的・主体的な行財政運営が可能となる改革が行われるよう、今後も執行部、議会が一緒になってその実現を求めていく必要があります。

最後に、去る5月には今後の県政推進の基本方針である「島根県総合計画」基本構想編が策定されたところであります。
国、地方とも構造改革を行う中で、総合計画で示された本県の目指すべき将来像『自立的に発展できる快適で活力のある島根』を達成しなければなりません。
今後「中期財政改革基本方針」の肉付けの具体的作業に入り、秋には編成方針を打ち出されるのでありますが、新しい発想で、厳しい中にも総合計画の目指す方向性が着実に見えるものとしていただくよう要望し、中間報告といたします。

 

 



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