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中山間地域活性化調査特別委員長報告

 

中山間地域活性化調査特別委員長報告平成十五年二月定例会


中山間地域活性化調査特別委員会の調査概要及び結果について御報告申し上げます。


本委員会におきましては、平成12年12月に中間報告として、中山間地域の活性化と振興を図るための様々な施策の推進を求めた提言を行いました。執行部においては、この提言を受けて「島根県中山間地域活性化計画」を平成13年2月に策定し、県庁組織を挙げて中山間地域の活性化対策に取り組まれているところです。
本委員会では、その活性化計画のフォローアップを行うとともに、さらに調査活動を進めるために「若者が中山間地域に帰ってくるための条件とは」という課題を掲げ、現場主義に立脚して現地での意見聴取を行い、委員間での議論を深め、解決方策の模索に努めてきたところであります。
こうした活動や本委員会の調査結果に基づく意見を踏まえまして、いままで手薄であった「女性の活動支援」の視点も加味しながら、お手元に配布しておりますとおり、中山間地域の活性化方策に関して提言することといたしましたので、以下つぎのとおり意見を申し上げます。

まず、第一は、総合的な子育て支援の推進等による定住促進についてであります。
中山間地域の豊かな自然に併せた子育て支援体制を整備することによって、中山間地域を子供の産み育てやすい環境にして行くことが求められます。
その為に、まず、中山間地域の特色に応じたきめ細かな子育て支援をする体制の早急な整備が必要であります。
また、子育て中の母親が、子どものことについて、気軽に話し合ったり、相談したりでき、子ども達の身近な遊び場所ともなれる、子育てのための拠点づくりの推進が必要であります。
さらに、子育て支援団体の育成・発展を図るための支援・助成や「子育てするなら島根の田舎で」の情報発信を全国に発信できるような体制を求めるものであります。

第二は、新規就農者に対する総合的支援についてであります。
中山間地域の基幹産業である農業に対し、新規就農者に対する農業研修体制の充実、Iターン者の就農雇用の受け入れができるような農業法人の育成・確保、新規就農者に対する市町村等の受け入れ体制の強化を具体的に求めるところであります。

第三は、中山間地域の特性を活かした産業の振興と交流の拡大についてであります。
中山間地域には、自然や農林業、伝統文化、その為の人材など都市にはない貴重な資源が存在しております。
これらの地域資源を活用した企業化や産業の育成に対する積極的な支援体制の構築を図る必要があります。
また、地域の住民が地域の資源を活用して地域の需要に応えるために行う産業形態、いわゆるコミュニティビジネスの導入も検討・研究することが有効と考えます。
さらに、都市と農村との交流を目的として、農業体験と観光をセットにしたようなパックツアーや自然体験(グリーンツーリズム)、田舎暮らし体験(ルーラルツーリズム)などの創意工夫を発信できる事業が求められます。
こうした取り組みは、常に男女が共同して参画することによってより魅力的な中山間地域を創造することが可能になると考えます。
よって、あらゆる方面において、女性が積極的に参加できるような仕組みづくりやその為の啓発活動を同時に推進されることを強く求めるものであります。

終わりに、今回の提言は、委員会の調査活動を踏まえて、前回の提言、すなわち平成12年12月の提言のうち、特に手薄であったと判断される項目についてポイントを絞って提言しております。
しかし、中山間地域は道路、住宅、医療、福祉など幾多の分野においても問題を抱えております。
知事はじめ職員の皆様におかれては、具体的な活性化方策として掲げたこの3点について重点的に対策を講じるとともに、中山間地域活性化計画の推進に県庁組織のみならず合併を控えている市町村や関係機関とも十分連携して、県民一丸となって中山間地域の活性化のために取り組まれることを強く要望し、中山間地域活性化調査特別委員長の最終報告といたします。

 

 



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