9月1日質問項目1

1.2026年産米の概算金及び政府備蓄米の買戻し

○山陰中央新報:山陰中央新報の佐々木です。よろしくお願いいたします。

 まず、お米に関することから伺います。

 JAしまねが2026年産の米を集荷する際に米農家に前払いする概算金を決めまして、コシヒカリ、前年比約4割減の1万6,000円ということですけれども、これについて、知事の受け止めをまずお願いいたします。

 

○丸山知事:昨日ですかね、昨日報道されてますように、隣県、岡山県は、JAさんが概算金を出せる環境にないということで、概算金の提示を見送られてるという状況です。これはどういうことかというと、今年、新米をどれぐらいの量をどれぐらいの価格で買ってもらえるかということを通常、取引のある売る先に確認しようと思っても数字が返ってこないという米余り、令和7年産米の民間在庫が積み上がってるという状況が具体的に影響を与えて、幾らでどれぐらい売れるか分からないっていう中で値段を決めなきゃいけなくなってる。そういう中で、岡山県さんというのは、要するに前提条件がはっきりしないんで決められないという決定をされました。ほかの県もいろんな数字を出されてますけども、減率としても大きくなってますし、その数字というのは、これだけだったら売り切れるだろうというふうに確信を持って出されてる数字じゃないということですから、もっと高い数字で示してほしいという農家の皆さんからの率直な声はよく伺いますけども、その数字を提示されて、その金額で委託販売を請け負われて売らなきゃいけないJAしまねの立場からすると、頑張られた数字だと私は見ておりまして、それは、大本として、島根県内で米の流通が完結してるわけじゃありませんから、結局、日本の米というのは当然、県境を越えて動くわけなので、全国の市況、全国の米の需給が、民間在庫が積み上がるっていう形で供給過剰になってるという状況の中で価格を決めなきゃいけないということが、それが主因だというふうに思ってますので、そういう環境が改善されないことには、この数字、令和6年のときは概算金は当初、今年と同じように8月末に提示された数字というのは、たしか1俵1万6,800円です。それに、その後、販売が多分順調に進んだということでだと思いますけども、1,200円足されて1万8,000円という数字が12月に追加されてます。だから、そういうふうな状況が望まれるわけですけども、なかなか、もともとの数字がある意味、リスクを取られてるということでもありますから、置かれてる環境は大変厳しいということだというふうに思います。

 じゃあ、この1万6,000円という数字がどういう影響を与えるのかということになりますと、これはJAしまねの数字だけじゃありませんけど、全般的に各県で示されてる数字というのは、2万円を超える数字はほとんどありませんから、平均的な原価を割れてるという数字。そして、要するに令和6年産が、本年6月の民間在庫が、たしか適正水準と言われる180万トンから200万トンという水準を大幅に上回って、240万トンを超える水準になってたと思いますけど、それはどんどん、要するに売れ残ったまま次の年に影響を与えるんで、来年もこういう厳しい数字が続くんじゃないか。戻りがあっても僅かにとどまるんじゃないかということを含めて、今年だけではなくて、来年への不安も惹起するような数字だと、民間在庫の数字を踏まえるとですね。なので、日本全体で、日本全国各地で米農家さんが、今頑張られてる高齢者の方が、自分の体調なり年齢なり、また機械の更新というタイミングの中で、米作りから離れられて、その後継者はおられない。または法人や株式会社で、法人とか団体でやられてるようなところも中核になられる担い手が確保できない。つまり令和6年産米は比較的よくて、令和7年産米はいい数字だったというふうに思いますけど、結局のところ、今年の数字は大変厳しいし、来年もどうなるか分からない。つまり、原価割れの生産が2年続くかもしれないみたいな、要するに2勝2敗みたいな商売に、自分の家族の先行きをかけて入ってきてくれるかというと、もう厳しいわけですよ。人を誘えない。新規就農者とか自分の後継者を探そうにも、声をかけようにも、この惨状ではかけようがないということになりますと、本当に大変厳しい状況だというふうに思います。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 ちょっと関連ですけども、農林水産省のほうで、2025年に放出した政府備蓄米の買戻しを9月中に実施する方針ということですけれども、知事、この件に関して、農家からすれば、タイミングが遅いんじゃないかというふうに前々回の会見でもおっしゃっておられましたけれども、改めて9月になったことなど、受け止め、これについてもお願いいたします。

 

○丸山知事:政府の中の調整で、なかなか政府備蓄米の積み増し、買戻しに限りませんけど、別に買戻し以外にもやり方はあると思うんで。政府備蓄米を適正水準と言われてる100万トンまで戻していくっていうことの中で対応していくことがなかなか認められてこなかったというこれまでの状況からすると、これは鈴木農林水産大臣、それから自民党の農業に理解の深い国会議員の皆さん、一生懸命頑張っていただいて、本当に大きな前進だというふうに評価をいたしておりますけども、何せ元の地合いがものすごく悪いので、大きな前進だけど、じゃあその21万トンの買戻しを9月に行うというそのこと自体をどう評価するかというと、先ほど申し上げたような、この状況を改善しないと恒常的に後継者が確保できずに、中期的とも言わず、短期的に、構造的に国内需要を賄えないぐらいの生産減を招いて、私の懸念としてはですよ、米ですら自給率100%を割るんじゃないかという、私は瀬戸際だと思ってます。

 だから、そういう意味でいっても、昨年の備蓄米が放出された時期のことっていうのは、米が高過ぎて備蓄米の放出、つまり備蓄米を減らすっていう食料安全保障以外でやるのはおかしいという議論があった中で、コペルニクス的転換の中で価格を下げるために備蓄米を放出していくというふうな前例のない対応がされたし、お二人の大臣が一生懸命やられて、政権としては非常に苦慮されながら、前例のない対応を、米が高過ぎるっていうときにやられたわけです。

 それに対して、米の価格が低過ぎる、または民間在庫の6月末の積み上がりが統計を取り始めて過去最悪。ということは最大の水準に達してるという状況において、じゃあ、政府ができることを全部やってくれてるのかという観点から評価すると、私からするとですよ、正直言って50点なんです。0点から50点なんで、これは大きな飛躍、前進なんだけど、じゃあ、その水準をあるべきというか、やるべきこと、できること、どこまでできるのかということからすると、半分ぐらいしかできてないんじゃないかと、もっとやれるんじゃないかと、やるべきじゃないかというのが私の評価であります。

 ちょっと細かな数字になりますけど、現在の備蓄米の在庫は32万トンです。今年、入札で令和8年産の米を21万トン購入すると。これはもう契約も決まってて、これはやられる予定。なので、これを2つ足すと53万トンになります。本日、鈴木大臣が令和7年産米を21万トン買戻しをするというふうに発表されましたんで、これを加えると、備蓄米の在庫量というのは合計74万トンになります。なので、この数字だけ見ても、あと26万トンはできる余地があるということです。

 もう一つ、在庫の中身を見ると、今ある最初の32万トンの中には、令和2年産米の米が15万トン、令和3年産米が12万トン。これは5年以上経過してますから、通常の評価からすると、もう飼料用米として活用される年数のものでありますから、我々が普通に食べるものとしての役割は終えてる。つまり去年の備蓄米放出において、放出に適さないとして置いとかれた米なんですよね。その米が1年たって、まだあって、まだ在庫にカウントされてるけども、これは更新しなきゃいけないものだと評価すべきであって、その更新分まで含めると、プラス27万トン余地があると。なので、26足す27だから53万トン、まだ買い入れる余地がある。買い戻してなくても、新規で買うことも含めて、そこまで政府はやろうと思えばできる数字を持ってると私は数字を見ております。これは、はっきり申し上げて、小学生の2桁の、小学校2年生ですかね、足し算、引き算の世界です。簡単なこと、この数字は。

 なので、余地はそこまでありますけど、民間の在庫量が今の243万トンというのが6月の数字。今回の鈴木大臣の決定で21万トン買い戻されたとして243から21を引くと222万トン。これを適正水準と言われる、これは数字の幅があって180万トンから200万トンと言われてる。で、180万トンを基準にすれば42万トン、200万トンを基準にすれば22万トン上回ってます。なので、私からすると、最低でもあと22万トン、望ましくは42万トンとか、もうこれだけ厳しい状況なので、できる余地を全部やってしまうというふうに考えれば53万トン行うという余地がある。つまり、そういうことを追加して行っていただかなきゃいけないというふうにお願いしていかなきゃいけない、求めていかなきゃいけないというのが私の認識です。

 また、当然、これまで難しいと言われていた買戻しを、21万トンという水準で、作柄を見て、8月31日から直ちに実行に移していただいたということについては大いに評価して、大きな前進だというふうに評価いたしますけども、じゃあ、これをあるべき水準からしてどう捉えるかというと、まだまだ足りないと思ってます。

 米の価格、私の評価を申し上げると、米余りが起きているのは、正直申し上げて、米の大手の卸の皆さんが価格の設定を間違ったんだと思います。大手がそういうふうにやられるから、小さなところもそれに追随しなきゃいけなくなって、この事態を招いてる。つまりどういうことかというと、仕入れたものを売り切れないような価格設定で、つまり消費者から見向きもされない価格設定で売り続けたということの結果が、売れないから在庫が残ってるということですよ。だからこれは生産者側の問題じゃなくて、売る人たちの中のメインプレーヤーが売り方を間違った。それはなぜか。やっぱり棚に米がないときに、5キロ5,000円とか、5キロ4,500円とかっていうのは、もう仕方がない、物がないんだしという意味で、その状況では支持された。仕方がないと思って消費者は手に取ってくれた値段だったですけど、山積みになってる5キロ5,000円とかを見せられても、おかしいんじゃないかと、この価格はということで、国産米離れを招いてしまったというのがこの状況だと思うので、私はもっとたくさんの量を買い入れるべきだというふうには思いますけども、価格については、これは今の市場価格、今の示されてる数字で、高めに買ってあげるということをやる必要は全くないと思います。そういう、ある意味、来年、再来年に分けて買えば上がるかもしれないものを、今、ある意味下がってるところで買うというのは財政負担の減にもつながるでしょうし、もともと100万トンないといけないものが割れてるわけですから、これを早期に水準を戻していくというのは全然おかしいことじゃないし、それがやれる余地がある。

 ともかく農家の皆さんの思いですけど、私は、昨年の備蓄米の放出が今回の米余りにつながってるというのは正しくないと思います。あのときはあれが必要だった。高過ぎるときには、やっぱり高過ぎることに対しての努力をしなきゃいけない。その最大限の努力をされた。私はそういう意味では評価してます。でも、高過ぎてもいけないし、安過ぎてもいけない。その安過ぎるっていう状況になってる、民間在庫という水準でいうと、最悪の状況になってる中で、それに対して米がだぶつく、米が足りないときに一生懸命やられたのと同じぐらい一生懸命やってくれているのか。一生懸命できることを全部やり切ってくれているのかというと、まだやれる余地は全然残ってるので、農家の皆さんからすると、もっとやってほしいというふうに言われるのは当然だと思うので、やはり備蓄米の放出を一生懸命やられたときと、リバースモードで同じように一生懸命やってもらわなきゃいけない。そういった意味で、その余地は残ってる、たくさん残ってるので、次なる措置、第二弾を早く、大規模に、できる水準いっぱいやってもらって、できれば、そこまでいくかどうか分かりませんけど、令和6年産米の島根県のときのように、政府の措置で市況が落ち着いて、需給が落ち着いて、概算金の追加金を提示ができるようになったというふうになれば、それが一番いいんですけど、ともかく、まだ今回の措置っていうのは、大きな前進ではありますけど、まだまだできる余地はたくさん残っているので、それを早期に追加実施をしていただかないといけない。そうしないと、本当に、私はやれることを全部やらずに、日本が主食である米の自給率ですら100%を割り込むことになった、その要因をつくった年というふうに教科書に書かれる可能性、そういう瀬戸際だと思っていただいて、やっぱりできることを最大限やっていただかないといけないんじゃないかと。主食の自給もできなければ、強く豊かな国とは言い難いと思いますんで、そういう危機感の下で関係者の皆さんにはもう一回汗をかいていただいて、そういう政策を実現していただきたいと思いますし、我々も関係者の声を集めて、そういう声を届けていかなきゃいけないというふうに思っております。以上です。

 

○山陰中央新報:ありがとうございます。

 

○NHK:NHKの浅井です。お世話になります。

 ちょっと一つ、米の概算金のところで1つだけ追加の質問なんですけれども、概算金のところで、先ほど説明がありましたけど、大幅に下がったというところで、県として農家に対する支援とか、そういうところを考えているところがあれば、県としての対応を、何かあれば教えていただきたいです。

 

○丸山知事:これ、経済活動なので、価格補填とかということを直接的に県が行うということは考えてませんけども、減収に対して、減収が発生した場合の保険としての収入保険みたいなものを使える方々には早期の利用を促すとか、今回の事態を受けて加入をこれまでしてなかった方々に加入を勧めていくとか、そういった対応じゃないかと。直接的にこの差額をどうこうしていくということを県が考えているということはございません。

 

○NHK:分かりました。ありがとうございます。

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