4月8日質問項目10
10.美郷町内で計画されている産業廃棄物最終処分場
○山陰中央新報(曽田):島根県内の美郷町内の産業廃棄物の処理場の計画についてお伺いします。
2月の会見でも御質問しましたが、美郷町内で計画される産業廃棄物の管理型最終処分場建設に関して、地元では計画への反対の声が上がり、株主提案権を行使できるような、そういった議論になりました。背景には、町に設置許可権限がないという事情があり、権限があるのは県となります。今後、企業は県の要綱に基づく事前協議書を県に提出すると見られて、手続が始まることになると思いますが、県の担当課によると、地元に反対があっても申請内容が国の定めた基準に合っていれば許可せざるを得ないということです。知事として、計画をめぐる一連の動きに対する受け止めと、県としての今後の対応についてお考えをお聞かせください。
○丸山知事:いわゆる開発行為として事業者がやる場合には、どんな法律、何法に基づくどんな手続が必要になるから、こんなことをちゃんとやってくださいというふうに、それを事実上、教えるということを含めて、開発協議というのはやることにしてます。つまり、今の話は廃掃法(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)か、廃棄物処理法で産廃の話をされてますけど、保安林の解除が要らないのかとか、ちょっとあそこは都市計画区域じゃないからあれだけど、市街化調整区域だとすれば開発行為の許可が要るとか、そういうことを、どんな法律に抵触し得る話なのかという話を、まず全体として確認をする手順があって、それから個別の法律に入っていく。本件は産業廃棄物の最終処分場を設置したいという話なので、御指摘のとおり、産業廃棄物処理法に基づく許可が必要でしょうから、その手続が必要になりますけども、通常、事前協議みたいなものをやっていく。2段階で、本手続に入っていくことになりますけど、県としては、開発協議すら受けてないので、何をしようとしてるか我々は知らないという状況です。でも、産業廃棄物の処分場を造ろうとしてるということは、もう公表してるわけでしょうから、それは知ってますけどね。
いろんな通常想定される手続の中の何の手続にも入ってないという状況なので、我々としては、その中身を知らないから何とも言いようがないですけど、当然廃棄物処理法上の知事の権限というのは法定受託事務としての権限だから、自治事務じゃないので、国の法律や通達に従って処理しなきゃいけないということになってますから、国の下請なわけですよ。だから、そこで独自の裁量を働かせる制度になってないということです。それに問題があるといったところで、そういう法律をつくってしまっているんだから、それは法律上の問題です。島根県の問題じゃない。
さはさりながら、廃棄物処理法に係る手続の中では、先ほど申し上げた、県として設けてる事前協議の手続と、法律上の許可申請の段階で、それぞれで地元の市町村長から知事に生活環境保全上の見地から意見を提出してもらうということになってますので、そういう観点での意見は伺った上で判断するようにしてますので、そういう観点での意見を言ってもらうということについては、制度的には想定してるものであります。
先ほど申し上げたように、法律に基づいて行いますので、法律上の設置許可の審査の中では、法令上、専門家の意見を聞くというふうになってますので、島根県においては、専門委員会というものを設けて、いろんな分野の専門家を委員で任命して、その委員会からの意見を聞いて、法律に基づいて判断をしていくということになります。
現在は、事業者が自主的に事前の地元説明をしている段階だというふうに聞いておりますけども、今後も引き続き丁寧な説明をしてもらうように、事業者に指導していきたいと思ってます。
感想だけ申し上げると、この段階でこれだけ地元の町議会と町長の間でもめてるということ自体は、事業者としては危機感を持たなきゃ駄目だと思いますよ、こんなもめてて。もうもめてますよ、これ。地元で、町長が再議に付するってなかなかないからね。だから、事業者がぼうっとしてると、こんなもめごとが続いていくってなると、なかなか粛々とってならない可能性があるから、事業者がちゃんと、いろんな意見がある方々にちゃんと膝を突き合わせて説明するとか、そういうことをちゃんとやってないからこんなことになってるんじゃないかと思いますんで、ちゃんと丁寧な説明をしてもらうように求めていきたいと思います。もめてますよ、これ、明らかに、もめてる。処分場を造りたいと思ってる事業者にとって、良好な環境になってないということをちゃんと認識してるんですかと、こんな、何の手続にも入ってない段階でこんなにもめてる。当事者意識を持ってやられたほうがいいと思いますね。これは許可権限者じゃなくて、地元の島根県の知事としての一般的な感想ですけどね。
○山陰中央新報:分かりました。
先ほど、下請っていう話もありましたけども、立地自治体に許可権限のない廃棄物処理法の在り方について、何かお考えがあればお願いします。
○丸山知事:都道府県知事の権限が市町村長に下りたところで、法律に基づいて判断しなきゃいけないという立てつけが変わるわけないでしょ。変わらないじゃないですか。下請を誰がやるかって話にすぎないんだから。問題は、法定受託事務として、こういう基準に基づいていたら許可を出さなきゃいけませんとなってる法律を変えるかどうかでしょ。それは、都道府県知事か市町村長かって、はっきり申し上げますけど、都道府県、専門性が高いことは県がやらないとできないわけです。普通に考えて、政令市とかであれば別かもしれないけど、この権限が、都道府県知事が持ってるのは普通だと思いますよ、物事の専門性からして。
管理型の処分場というのは何かというと、底にシートを敷いて、そこに雨が落ちるでしょ。雨が落ちたところに出てくる排水を全部集めて水処理をして、水質基準に合うような形で流すんですよ。つまり水質管理とか水質基準みたいなことの専門的知識が要るんです。それを、我々はもともと水質、川の水質とか水質汚濁法とか、そんなものを権限として持ってるから、我々はそういう専門家をもともと採用してる、化学職の職員を採用してる。一般的には、普通の市町村は、そういう職種の人を採用してないんですよ。そういう市町村にこの許可権限、審査権限を与えても、なかなか人の確保とか、職員の専門性の確保ってできないと思います。だから、この制度の立てつけがおかしいとは思いません、実務的に考えて。何かむちゃくちゃな制度だとは思わない。つまり何かというと、住民の皆さんが建ってほしくないっていうふうな、そういう気持ちだけでは不許可にするということになってないっていうことですよ。廃棄物の処理方法として、満たさなきゃいけない基準を満たす、そういう施設構造になっているならば、それは許可を出さなきゃいけないというふうになってる。それは、住民の皆さんがどういうふうに受け止められるかという、ある意味受け止めの問題で判断はしないので、そういうことをちゃんとやってくれるかどうかということに疑義があるとか、そういうことがあれば別ですけど、それは客観的に判断するというふうになってる。だから、誰かに拒否権がないとおかしいという話じゃないっていうことですよね。
ある意味、どこかで要るものではあるので、産業廃棄物が発生しない社会になってくれば、産業廃棄物の処理場なんていうのを造らないという社会がいつかできるかもしれませんけども、残念ながら、まだその段階には至ってない。とすると、環境に影響を与えない形で、きちんとした最終処分場を造って、きちんと管理させるという仕組みをつくって、それを制度化しないと、勝手に造ったり、勝手に環境上問題があるようなものを造るようになりかねないから、基準をつくって許可制度に係らしめて、その審査をするってことになってるので、今の制度が何か著しく不合理だっていうふうなことにはならないと私は個人的には思いますけどね。
○山陰中央新報:なかなか難しい部分があるかもしれませんが、住民の感情論をどこまでそういったものに反映させるべきなのかっていうのは……。
○丸山知事:だから、そういう感情を反映させる制度になってないっていうことです。感情じゃなくて、客観的な恐れとかというものがあれば別でしょうけどね。だって、物事は客観的に判断しなきゃ仕方がないでしょう。これは産業廃棄物というものが、きちんと管理しないと環境に、土壌にしみ出したり、水系、川とか水の流れを通じて環境上問題のある汚水が流れたり、しみ出したりすることがないようにするという制度なので、そういうことです。
○丸山知事:(補足)ちょっと1点、補足します。
法律上の問題がないので、法律上許可するという話と、事業所として、産業廃棄物の処分場というのは、事業所として事業活動するわけです。単に物として、ぽつんと存在するんじゃなくて、そこに車の出入りをして、そこに人が勤めて仕事をするわけですから、そういった地元、その地域で事業活動をするという一員として、きちんと地元の皆さんと良好な関係を保つというのは、これ廃掃法、法律以前の問題として、そういう姿勢で事業者に臨んでもらいたいという気持ちを持ってますので、反対意見があろうがなかろうが関係ないというのが法律の立てつけではありますけど、事業者としていろんな事柄に、円滑に事業活動をしていく上で、地元の皆さんの理解は欠かせないわけですよね。言ってみれば、事業者の皆さんだけが、事業者として道を直してほしいと言われたって、地元の皆さんから、それどうでもいいと言われたら、道直らないですよ。みんなが使うから道は直る。自分だけでいいみたいな形で事業活動を開始されても、それは結局のところ事業者のためにならないわけだから、それは地元の皆さんの理解をできるだけ得て、事業者としてスタートをさせることのほうが望ましいという認識で地元の皆さんに臨んでほしいと。これは廃掃法の話じゃないです。法律の話じゃなくて、事業者として周辺の皆さんの理解を得て事業活動をするということが、いろんな事業活動の中でプラスになるはずなので、というか、そうしないとマイナスになるでしょうから、そういう対応で臨んでほしいというふうに思いますし、その旨は、廃掃法の問題、法律の問題じゃなくて、伝えていきたいというふうに思ってます。法律以前の問題。
○山陰中央新報:伝えるというのは、何か具体的に知事のほうが……。
○丸山知事:だから、開発協議とか、法律上の事前協議とかっていう場面があると思うので、法律の話も多分、普通だと開発協議が先に来るんでしょうけどね。接触する場面はあるでしょうから。私、直接じゃないですよ。ともかく、こんなもめてて、こんな地元の自治体、町でもめてるっていう状況が、言ってみれば、処分場という形での事業所を立ち上げようという事業者として、円滑なスタートが切れてる状況じゃないっていうことはちゃんと頭に入れて、これまでの対応を改めたほうがいいところはないのかという観点で地元に臨んでもらうということのほうが、自分のためになるんじゃないかというふうな話を、進出をしたいと言われてる事業者に対するアドバイスとして、していきたいと思ってます。
周りが皆さん反対する中で事業活動をやるっていうのは、そんな円滑な事業運営できない可能性、高いですよ。心の底から賛成してもらえないかもしれないけども、ちゃんと地元に向き合って仕事をしていくという気持ちのある事業所と思われるかどうかというのは全然違うと思うので、そういう事業所とか企業がぽつんとスタンドアローンで、社会で事業活動できるわけじゃないんだから、そういう良識を持って地元の皆さんの理解をできるだけ得られるように取り組んでもらうということのほうが、それをやらないと許可しないということじゃないんだけど、そこでビジネスをしようというのであれば、そのほうがいいんじゃないかということは伝える必要がある状況になってるなというふうに思ってます。
全然円滑じゃないですよね、今。こんなもめ返して、もめごとになってるっていうこと自体が、うまく物事が進んでないっていう状況でしょ。ということだと思います。
○山陰中央新報:ありがとうございます。
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