12月11日質問項目4

4.サルボウガイの出荷自粛

○山陰中央新報(原):中海のサルボウガイに関してなんですけども、昨日、島根県が発表されまして、中海で養殖されるサルボウガイが下痢性貝毒の規制値を上回り、出荷できない事態となっております。かつて日本一の漁獲量も誇っていますし、中海の象徴とも言えると思います。これから正月も控えるというこの時期に出荷できないというのは、かなり大きな痛手だというふうに考えていますけども、この件の知事の御所感と、あと、今後、県としての対応について教えてください。

 

○丸山知事:中海漁協における養殖業者さんが30人ぐらいで、聞き取りによりますと、今シーズンの出荷予定量は3トン程度を予定されていたという状況と聞いております。この出荷自粛は、状況が好転したとしても、少なくとも、一番早いケースでも明けるのは1月以降となるような見込みでありますので、原記者がおっしゃった、需要が最も高くなる年末に販売を自粛してもらう、つまり販売できないということで、この影響というのは当然想定されるところであります。

 実際問題として、先ほど申し上げた、3トンということでございますので、実際、地元の皆さんが食べられてる量の中の大部分のシェアを占めるというわけではありませんので、そういう意味で、消費者ベースの影響がそれほど大きいのかというと、そうでもないかもしれません。ただ、漁業者にとっては、予定されたものが出荷できないと、一番値段がいい時期、求められる時期に出荷できないということに対する影響というのは大きいでしょうから、漁業者の皆さんの経営上受けられる影響というものをよく確認をして、必要に応じて対応していきたいというふうに考えております。

 

○山陰中央新報:今後、そうした状況に応じては、支援だったりとか補償とかっていうのも考えられたりするんですか。

 

○丸山知事:補償はないですよ。自然現象だから、原因が。自粛を聞いたから、自粛を要請したから島根県の責任だというふうなことは多分おっしゃってないと思うけども、そういう構造じゃないですよ。それはなぜかというと、この数値が出たということを我々は知らせないといけないんです。知らせると、これは食害が出る、食品衛生法上、有毒な物質が含まれ、もしくは付着し、またはこれらの疑いがあるものというふうになりますので、それを販売できないという法規制に当たるおそれがあるから、当たらないかもしれないと思って出すことはできますけど、出してしまってその問題が起きれば、それはもう生産者、出荷者として責任を問われますよね。なので自粛したほうがいいんじゃないかと我々は申し上げて、それに対して、それは出荷できないという規制はありませんけど、出荷すると、食品衛生法上の法規定に違反するおそれが生じかねないということで、事業者として我々の出荷自粛要請を受けてやられてる。つまり何かというと、行政側の都合だけではなくて、出荷者としても、このまま出荷すると著しい損害、要するに出荷者としての姿勢を問われるから、それを求めてるわけです。なので、やらなくてもいい自粛をしてるっていうふうには考えられてないでしょう。

 その原因は、それはサルボウガイに内部で蓄積をする下痢性の貝毒プランクトンが蓄積をしてるという自然現象なので、原因はそうなんです。自然現象なんですよ。なので、補償という問題ではない。ただ、私からすると、要するに、ある意味、誰のせいでもないわけです。誰のせいでもない自然現象で経営上の影響を受けるというのは、要するに災害みたいなものなんで、災害に準じた措置を適用するかどうかということを考えなきゃいけない事態だと私は思っています。当面、県として漁業者の皆さんが活用可能な低利融資がありますので、そういう制度があるということをお知らせして、利用が必要な方についてはそれを利用してもらうということが考えられる支援なんですけども、そういったことを生産者の皆さんにお知らせをして、必要な対応をしていくというのが基本的な考え方であります。

 もう一つは、来年の生産に必要な投資をしていくのが難しいというふうなお話がまたあるかもしれません。そういった状況も含めて、今年の対応、今年の収入が減っていく。そして来年、再投資ができるかどうか、来年の漁期に向けて養殖ができるかどうかということでの支援が必要ないかどうかということ、そういうことを伺って対応を考えていくということになろうかと思います。

 

○山陰中央新報:ありがとうございました。

 

○山陰中央テレビ:すみません、TSK、山陰中央テレビ、安部です。

 すみません、ちょっと今の赤貝、サルボウガイの話で、今、対策面とかはお話しいただいたかと思うんですけども、私も松江の出身で、やはり年末でいうと、おばあちゃんちで赤貝の煮つけを食べたりというので、すごくこの島根の宍道湖圏域の人たちにとっては、すごいなじみのあるものだと思うんですけれども、やはりそういうものが27年ぶりに出荷できないという状況に対して、何か知事として率直に、一島根県民として思うところみたいなところの思い、あれば教えてください。

 

○丸山知事:いや、申し訳ないですけど、これは必要なことなので。だって、この状況でそうするしかないでしょう。食べ物だから。これを出荷したところで誰も得しないし、これは自然現象だから。

 でも、私からすると来年、去年がなかったことが、なぜ今年起きたかって原因究明ができるかどうかっていう話、それから原因究明ができたとしても、中海っていう大きな水域の中で起きてることなので、人為的な対応で改善できる話なのかどうかと、恐らく2つ、大きな課題があるので、多分、恐らく原因究明ができるかどうかも分からないし、その対策が講じられるかも分からないので、ある意味、今年は大丈夫だっていうふうな形で来年取り組まれる環境が保障されるわけじゃないと思うんですよ。なので、再度来年も養殖に取り組んでいこうというふうに思っていただこうと思うと、自然体で対応するのは難しい可能性があるので、もう今年は、今年のこの時期、1月までは少なくとも避けられない状況なので、まずは1月以降で早く今の蓄積してる値が、その貝から出てくる値が下がることを祈るっていうことと、来年そうならないように祈るということと、そういうリスクを抱えながら、来年起きないっていう保証は多分誰にもできないので、そういうリスクを抱えながら取り組んでもらえるように、必要な支援を考えていくということで、今年のようなことにならないように、人間界としてできることを関係者の皆さんと一緒に取り組んでいきたいというふうな考えであります。

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