12月11日質問項目11

11.おこめ券・コメの価格

○日本経済新聞:日本経済新聞の田中です。

 国会で今話題になってるおこめ券についてお伺いします。

 何か発行にかかる手間とか、地元が農業県だったりとか、そういった理由でおこめ券を選ばない自治体というのが増えてきてるかと思います。あと、おこめ券を出すことが米の買い支えになるみたいな批判もあったりするかと思います。県が配布の主体ではないっていうのは存じ上げた上で、改めて知事のお考えを伺います。

 

○丸山知事:私は、事務費がかかるのは仕方がないと思います。今回用に事務費を設定してる、いわゆる500円券だけど、何かお米代としては十何%引かれた数字のものしか買えないというのは、それは登録店を決めて、お金を最後振り込むとかっていう形で換金するわけでしょ。あの券を流通させるために必要な経費が生じるのは当たり前の話で、それを今回、政府が予算立てるから経費率を上げておこめ券を、経費率上げてるんだったら、何かぼったくりみたいなことに当たるかもしれないけど、これまでのビジネスの中で流通してたものなんだから、それは一応適正な価格だというふうに捉えるべきだと私は思いますよ。だって、今回の政府の予算措置とかおこめ券推奨みたいなことがある前からこの世に流通してるものだから。私は何かおこめ券のコストが高過ぎるっていうんであれば、前々から高過ぎて流通してないと思う。ただ、それは一定、加盟店とか利用される方が納得して流通してるってことは、それなりの合理性が私はあると思う。だから、ゼロでやれって言われたってできない、そんなもの。何にしてもコストはかかります。その券という形で分かりやすく、誰も使えるようにしてあるんだから、それは仕方がないと私は思います。それが一つ。

 それから、たしか浜田市で何か、生活支援の関係で、浜田市役所でおこめ券じゃないですが、市独自のおこめ券か何かを発行されようとしたときに問題になったのは、農家はそもそもお米買わないからそんな券もらっても困るっていう農家特有の反応。そうすると、人にあげるとか、金券ショップに持ち込むみたいなことしかできなくなっちゃうから、それメリット感じないという、それは生産者がおられる世界で当然出てくる反応だというふうに思います。なので、そういう意味で、もう一つ言うと、農村地帯だと、いわゆる米穀店以外、スーパー以外でも米を売られてるところがあるので、多分道の駅とか対象外だと思います、おこめ券の。おこめ券とかって、多分道の駅、対象外だと思うんですよ。道の駅とか直販、直売のところ、登録店に入ってないから。なので、一部のところだけの購入促進策になっちゃうから不公平だという、おこめ券の利用可能店舗が100%じゃないというところで、使いにくい、何か問題が起きるということで避けられてるんだと思います。それはそれで、自治体が判断することなんで、そうだと思います。

 私は、一番の問題は何かというと、おこめ券がいいのか悪いのかっていう話であれなのは、買い支えになるのではないかという論点が一番大事で、私はやっぱり今の米の値段で本当に日本の農業とか米作りは大丈夫なのかっていうことですよ。だって、恐らく今の予算の規模じゃあ、おこめ券を発行すると自治体が決めたって、来年の新米が出る時期までの米をおこめ券使えるほど、そんなたくさんおこめ券出ないわけだから。出ないでしょ。そんな何十キロ分もお米券出ないですよ、多分。1人当たり、割っていったって。ということは、当面の軽減策にはなるでしょうけど、恒久的なものにもならないし、問題は、私はどっちかというと、今の値段でずっと推移していって、これは消費者も困るし、生産者も困るんじゃないか。なぜならば、今の値段のまま推移していくと、たしか何十万トンだっけな。お米は今年、50万トン以上生産増やしてると思いますよ。六十何万トンかな、70万トン近く生産増やしてるんで、こんな値段でずっと推移していくと、米の消費量が減って、または日本の米の消費量が減って、つまりそもそも米をやめてパスタにしましょう、小麦にしましょう、うどんにしましょうみたいな米離れ、そして、米は食べるけど、高過ぎるから、もうカリフォルニア米でいいやみたいな形で、外米依存みたいな形で、日本の農家が作ってる米の消費量が減るんじゃないかと。そうすると、今、農水省が示してる需給見通しは、6月末の民間在庫量は、米が下がる水準と言われてる200万トンをはるかに超えてますけど、それよりさらに積み上がるんじゃないかと。そんなことが起きると、令和7年産米が大量に、令和8年の新米が出て以降、残って、それはどういうことかというと、令和8年産の生産者の販売価格、生産者から買い取る価格が低くなる。要するに、あと一つ言うと、高く買った人たちが大量に古米を抱え込んで、新米の買取り余力がなくなる。そして、消費量の見込みが減るから米を仕入れる業者さんの財務も厳しいし、たくさん売れる見込みなんか立たない、米離れが進んで。そんなことをすると、結局のところは生産者も困りますよ。

 だから、私からすると、今年できた米が、来年の新米が出てくる前までに国民の皆さんに食べてもらえるような、そういうことをつくらないと、どんなに小売価格が下がらなかったといったって、それは消費量が減るってことだから。消費量が減って大量の在庫が来年に持ち越される。それはもう来年の米価、生産者米価も小売米価も急落するでしょうけど、そういう時限爆弾のタイマーが鳴ってるんじゃないかと。だから、ともかく私は、どっちかというと、もうおこめ券は別にやってもやらなくてもいいと思うんだけど、今の値段のままずっと推移するっていうことの爆弾度が高過ぎて、見てられないって感じがしますよ。この値段で推移していって、本当に米を仕入れていた人たちが、それ取材されればいいと思うけど、たしか日本で一番大きな、JA以外で一番大きな大手の米卸、神戸が本社だと思うんだけど、こんな値段で小売で売り続けられたら、もう量がさばけなくて困る、全然ということはないでしょうけど、新米がはけていかない、令和7年産米がはけていかないから大変なことになるって、もう商売人が言ってますからね。だから早く値段を下げるように、それは決められないけど、役所が決めることじゃないけど、早く下げないと、去年は量が少なかったから、出荷量を抑えて高値維持だったんです、多分、量も少なくて。今回は、量があるのに高値維持してると、量がはけないでしょ。量がはけなくて最後困るのは、恐らく卸さんだと思うんですけどね。在庫、米を買い入れた人たちは、多分大きな損失を被るので、去年のもうけがあるから相殺するととんとんかもしれませんけど、少なくとも令和7年産米が古米としてたくさん残ると、もうブレンド米みたいなものがたくさん出回って、たたき売りみたいなことになりかねないので、ともかく今の、ともかく消費者の皆さんからそっぽを向かれるような高い値段を放置することの問題を早く解消するように、ちょっとやり方は分かりませんけど、取り組まないと。

 私は、スーパーの皆さんは多分、翌週とか翌月の注文しかしてないから在庫抱え込んでないんで、小売の皆さんはあんまり問題意識ないんだと思うんです。やっぱり農家から買った人、買って売らなきゃいけない人がもうちょっとちゃんと今の高値でどんな状況になってるのかということをちゃんと発信をして、自分たちも小売への卸値を下げて、利幅を最小限に下げて小売店に売ってもらうというふうに行動シフトしないと大変なことになるような気がします。

 正直言って、そういう意味でいくと、何かいろんな課題があってみんなが採用するっていうわけにいかないおこめ券の問題、おこめ券で仮に買い支えができたとしても、とてもそんなことでは及びがつかない。だって、金額しれてますもん、金額は。おこめ券で、来年の9月まで米が買えるぐらいのおこめ券配るとこなんてないと思いますよ。ほとんどはスーパーでついてる値札で買わなきゃいけないわけだから、大本のところの問題を早く是正しないと、せっかく農家の皆さんが作った、今年豊作だった米が、言葉は悪いですけど、6月とか9月末の在庫って、多分ある意味、新米が出た後に在庫が残ってるってことは不良在庫ですからね。不良在庫になってしまうということは、流通業者にとってもプラスじゃないし、流通業者から買ってもらう生産者にとってもプラスにならないし、みんなが不幸になる。誰も幸福にならないという問題があると思うんで、そっちのほうを、高過ぎるという問題を早く改善しないといけないと思います。

 鈴木農林大臣からは、価格にコミットしないと言ってるじゃないかといって怒られるかもしれませんけど、コミットしないわけにはもういかないような状況になってるんじゃないかという気がします。すみません、長くなりました。

 

○日本経済新聞:ありがとうございます。

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