10月2日質問項目7

7.次期学習指導要領

○山陰中央新報(原):中教審の話でいくと、特別部会が先日、次期学習指導要領に向けた基本方針をまとめられたんですけども、すみません、これも受け止めをお願いします。

 

○丸山知事:私は繰り返し申し上げてますとおり、学習指導要領、教科書の内容がどんどん膨らんでいって、覚え切れない、やり切れない内容を、授業を何とかしたことでやったことにする、教えたことにするみたいな、その状況で基礎学力が身につかない、我々が日常生活でふだんに使うことが、さっき言った、要するに電卓たたかないと分からないとか、パソコン開かないと分からないみたいな、頭の中に定着してないという状況を改善しないといけないので、分量を減らすべきだと申し上げていて、これまで精選するというような言葉で方針が示されてましたけども、それがちゃんと進むかどうかというのをきちんと見ていかなきゃいけないと思ってます。

 私が懸念していますのは、今回の具体的論点と言われる中で、学習指導要領に関する記述というか、柱立ては、学習指導要領の構造化・表形式化・デジタル化。これは中ポツが入ってきますけどね。学習指導要領の構造化・表形式化・デジタル化(補足:令和7年6月16日開催の第9回中央教育審議会特別部会の資料を引用)。何のことですかねと。何のことですか。これ、精選、どこに行ったんだよと。また得意のやるやる詐欺かと思ったら、本文にはちょっと書いてあって、構造化に当たっては、必要に応じた精選を行ったりしてはどうかと。行ったりしてはどうかと。行うとも書いてないです。だから、精選とかっていうことをやりそうなふりをして、やらずに済ますんじゃないかということを強く懸念してまして、ちゃんと精選されるのかどうか、大事なものを選んで、大事じゃないものを落としていく。または余裕があったらやってくださいねという、ちゃんと位置づけを、色分けをする。それを学校とか先生に丸投げしない。何のために学習指導要領を作るんだと。何が指導要領なんだと。指導要領って、こうしなさいって指導するってことでしょ。それを指導しないんだったら学習指導要領の意味がない。なので、要領というのはこういうふうにやりなさいよって示すことだから、それを精選をちゃんとするように。

 だから、どう書いてるかというと、構造化に当たっては、各教科書等の本質的理解の獲得に重点を置き、学校段階や教科書等の特性を踏まえつつ、そのために必要な学習内容を検討したり、必要に応じた精選を行ったりしてはどうかという文言なんですよ。ということは、これは役人チックに言うと、構造化というのはやるって決めてるんですよ。構造化に当たってはだから、構造化はするんです。構造化っていうものをする中で、精選を行うとは言い切らないと。してはどうかだから。やるとは言ってませんよという立ち位置になってるので、ああ、またぞろやらない可能性があるなと思って、しつこく、しつこく、事の推移を見ていかなきゃいけないと。精選を教科ごとのワーキングに丸投げして、丸投げされたほうは、どうやって精選していいか分かんないからやらない。教科書はそのまま、精選されない内容で決まっていって、相変わらず分厚い教科書で、先生が1ページ1ページ漏れがないように教えていくために、大事なところを繰り返し教えるということができずに、掛け算もできない、引き算もできないみたいな結果を招かないかどうか。

 10年に一度しかやらない学習指導要領、10年に1回しか見直しができないこのタイミングで、あれだけの惨たんたる算数の成績が出てるという明確なエビデンスがあるにもかかわらず、日本の教育政策というのは一切見直しを行わずに、基礎学力が定着してない状況を放置して、次の10年も進めようとしているのかどうかということが問われているわけですから、それが教育と言えるのか。そもそも義務教育の意味があるのか。美辞麗句を並べて、構造化・デジタル化。デジタル化やるよりも、掛け算ができるようにしてやってくれ。掛け算、引き算、四則演算を、計算はできるけども、実生活に当てはめて使うことができない子どもに、そういうふうにしてあげるっていうことのほうがよほど大事なんじゃないですか、デジタル化よりも。構造化・表形式化よりも、学習指導要領を表形式化したところで、そんな、表形式化って中身じゃないからね。中身じゃないのよ。表現の仕方でしょ。そういう、子どものために直接なることをやってほしい。

 内容を削るというのが、もめるでしょ。もめるけど、もめることをやらないと、いろいろ教わるけど何も身についてないみたいな、こういう本末転倒みたいな教育内容、今の義務教育の惨状を改善しないと、小学校に行かせても子どもに勉強は身につかないから、小学校から塾に行かせなきゃいけない。一般的な所得水準でいうと、共働きをしないと生活は厳しいけれども、片方の親がパートタイムなどに移って子どもに、子どもが帰ってきて勉強を教えないと勉強が身につかない。したがって、その家庭の所得が下がっていく。そんな環境をつくってるから、子どもをつくろうというふうに若い人たちが思わないんじゃないか。私は少子化に影響してると思うんだ、この教育の惨状は。義務教育、小・中学校に通わせていても、子どもが心配だというふうな状況だと、子どもをたくさん持とうって思えないですよ。

 私の親は、小学校、中学校でちゃんと先生が、私の頃です、まだ、ひっぱたいてでもちゃんと九九を教えてくれると思ってる安心感があったから、うちは兄弟3人いるけど、ひっぱたいちゃ駄目だけど、しつこく大事なことを先生が教えてくれて、そこは学校の先生に任せておけるっていう安心感を今、学校の先生自体も忙しくて持たせられないし、それ自体は学校の先生の、個々の頑張りの問題じゃなくって、システムの問題だから、だからシステムを替えてくれというふうに求めているんであって、どこかの誰かの先生ができないんじゃなくて、日本全体の数字ができないから、あの正答率が60%だ、50%となってしまうわけでしょ。だから、これはシステムの問題なんですよ。システムがバグってるのに直さずに放置するんだったら、もうそういう人たちがそういう政策を担当するのはやめたほうがいいと思うので、きつい言葉を使って言ってますけど、それは我々の少子化の問題にも影響する。日本の将来に影響しますよ。そんな、資源がなく、国土も狭く、その我が国が先進国として成長できたのは人材だから。

 なので、そこが一番大事なので、美辞麗句に勝手に酔わずに、子どもの現状を見て、子どものためになる教育をもう一回ちゃんと見直してやってもらいたいという思いで、良心的ストーカーとして引き続き、一字一句、やり過ごそうというか、やらずに済まそうとしないかどうかということをしつこく見ていきたいというふうに決意を改めてしたところです。

 

○山陰中央新報:内容につきましては、そういった精選という文言が入ってるからある程度評価はされるということでよろしいでしょうか。

 

○丸山知事:いや、だって、してはどうかだから、分かんない。何かするってなってるのかどうか分かんないから、必ずしますってなったんだったら評価するけど、するかどうか分かんないんだったら、まだ評価なんかできないでしょう。

 私からすると、そんなもん、表形式化なんかよりも先に精選が出てこなきゃ駄目でしょう。構造化って、何ですか、それ。構造化って、ローマ数字1とか、算用数字1、(1)、(2)とか、(a)、(b)とかって何か改行していくことが構造化だったら、そんなこともういいから、どこを削るか考えて、どこを削るかっていったって、小学校でここまで無理だとしても、中学校で教えようとか、高校に移そうとか、最後は高校、大学まであるんだから、どこに後ろ寄せするかだと思うんですよ。あとはそれ学部教育の中でやっていく、大学の中でやっていくとか、高校の中でやっていく。早期教育をやり過ぎて、小学校の低学年の段階で算数を使いこなすことができなくて、小学校6年生まで放置されてるという状況を改善するっていう問題意識でやってほしい。分かりやすいです、むちゃくちゃ分かりやすいKPIみたいなもんだ。あれを95%にするべきだよ、KPIでいうと。

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