9月17日質問項目7

7.定率減税

○読売新聞:すみません、読売新聞の桂川と申します。

 これまでの質問に重複するかもしれないんですけれども、今回の総裁選で、若者や現役世代の所得税を対象にした定率減税も議論に上がっていると思うんですけれども、知事の受け止めがあれば教えていただきたいです。

 

○丸山知事:ものすごくはっきり言うと、今回の参議院議員選挙の主たる争点というのは、減税なのか給付なのかということが、与党は給付、定額給付、低所得者とか子育て世代の上積みというのはあったかもしれませんけど、定額プラス加算みたいな形の給付を1度やるということと、消費税とか所得税ですか、収入の壁の話ですと所得課税の話になりますから所得税の、ある意味恒久的な減税との戦いで、選挙結果としては、与党の政策自体が過半数の支持を得られるということに至らなかったというのが結果でありますから、ポイントは何かというと、定率減税はどっちに近いのかという意味でいくと、これは給付に近いんですよ。なぜならば、基本、定率減税というのは恒久減税じゃないということなので、本来払うべき税額は変えない。それを、例えば半分にまけましょうとか、10%減らしましょうとか、そういうことを1回やりましょうかという話なので、それは1回きりの減税ですよね。ですので、給付か減税かという意味でいくと減税に寄ってるんだけど、恒久なのか1回きりなのかということでいくと1回きりなので、政策の中身を詰めていくと、定額給付から定率減税に変わったと。ただ、それは1回やりますという話にとどまるんでしょうから、そういう意味で、参院選において野党各党が主張した内容に比べると、減税の水準というのは低いわけですね。

 そういうことなので、メディアの皆さんはそういうことをちゃんと報道しないといけないと思います。定率減税とは一体いかなる減税なのかということを、定率減税を言われている方に確認しなきゃいけないです。定率減税を今後ずっとやっていくっていうことですかって聞いたら、多分違いますって言われると思いますけどね。

 なので、私は今回の総裁選挙のポイントは何かというと、近視眼的に言うと、どの政党と連立の追加補充をするのか、それを目指しておられるのかということを多分、各候補がそれなりには言われると思うんで、その組合せを党員の皆さんとか党所属の国会議員の皆さんがどういうふうに評価されるかということ。加えて言うと、これは究極、参議院議員選挙の結果というのはかなりドラスチックな結果ですよね。今まででいうと、自公の与党が過半数割れをした、半数改選なのに過半数割れをしたというのはすごい負け方なので、大敗だったということ。そして、非常に新興政党とも言える参政党が躍進して、なおかつ、ちょっと玄人チックですけど、立憲民主党が野党第一党としてのプレミアムといいますか、与党に不満があるといったときには、取りあえず野党第一党に入れとくっていう意味でのプレミアムというか、アドバンテージをこれまで、恐らく55年体制、自民党・社会党の時代から野党第一党というのは与党の批判票の受皿に自動的になれるという恵まれたポジションにあったんだけども、今回は立憲民主党がそういう状況を一切受けない、その地位を失ってしまったのかもしれない。比例票で400万票ぐらい減ってるわけでしょう。つまりそれは与党の政策に不満があるからといって、野党第一党に入れるという、もう投票行動を国民が取らなくなってるという意味でいくと、立憲民主党も大きな、ある意味敗北なわけですよね。なので、野田代表も執行部を大幅に入れ替えして、体制の立て直しをせざるを得なくなってるということですから、つまり何かというと、今回の参議院選挙、究極を言うと、現役世代の負担軽減をどこまで力強くやってくれるのかということと、それと、財政のサスティナビリティ、本当に財政的にできるのかということ、これが問われたわけですけども、それに対してどういうふうに応えるのかということを、恐らく本当は総理を目指される自民党総裁選挙であるとすると、その方向性も本当は示してもらわなきゃいけないんだろうというふうに思います。ただ、まずは党内で勝ち上がるということなので、そこまでいかないのかもしれませんけど、恐らく自民党の中で勝つ、そして、衆参の過半数割れを埋めてもらえる規模の大きな政党、ある程度大きな政党と連立に導いてくれるかどうかということに加えて、ある意味、今回の与党の敗北の原因になった国民の不満に対してどういうふうに向き合うのかということについての方向性まで出るのが一番理想的なんだろうというふうに思いますけども。

 そういった意味では、定率減税というのは当然、恒久的な減税というのは選択しないということですから、そういう中で今回、参議院選挙で示された民意に対して、国民がどういうふうに受け止められるか、自民党、公明党に入れてくれなかった有権者の方々に対して、それだけの、ほかのことを含めて、指摘、批判に対して応えていくほかの政策を持たれているのかということを含めて、ものの見方は2段階だと思いますね。自民党内で勝てるのか、自民党内で勝って、勝った後に国会の運営ができるのか。国会の運営の後には、今回の参議院選挙でドラスチックに示された国民の不満、批判に対してどういうふうに政策的に向き合われるのか、この3つの連立方程式みたいな、3つぐらいの大きな論点があるんだろうというふうに思ってます。

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